歌舞伎俳優・坂東玉三郎が3日、大阪松竹座で『坂東玉三郎 初春お年玉公演』初日公演を開幕した。
歌舞伎界を代表する女方で知られる玉三郎による大阪松竹座でのお正月連続4年目の公演。二幕構成での上演となる。
公演時間となると、縁起の良い獅子舞が舞う映像演出から。緞帳が上がると玉三郎が板付いている。話を始める前にまずは、1月1日に発生した『令和6念能登半島地震』、翌2日に羽田空港で発生した日本航空機と海上保安庁の航空機の衝突事故へ「みなさまに華やかな公演を観て頂きます前に、お見舞い申し上げます」と、寄り添うように気持ちを伝えた。
新年を寿ぐ『口上』では、『~女方の魅力~』と題して女方の話を展開。玉三郎が舞台に立ち始めた頃と、現在での社会の性別の考え方の違いなどを整理して話したり、立ち姿や娘道成寺での手ぬぐいを使った所作で悪い例と良い例を実演。良い例では手ぬぐいの先まで神経を行き渡らせた動きで観客たちを唸らせたりと、視線を釘付けにし続けた。
続けては、源頼朝との恋を諦め、北条時政の娘の時子に頼朝の妻の座を譲り、自身の恋に終止符を打つ辰姫の諦めきれない恋心と嫉妬の念に身悶える姿を描く地唄『黒髪』を披露し一幕を終えた。
第二幕は、2023年12月に歌舞伎座で上演した文豪・泉鏡花の戯曲でも名作といわれる『天守物語』を上演。天守閣の最上階に棲む美しく気高い天守夫人・富姫と、若き鷹匠・姫川図書之助の恋という、美しい異形の世界の者とこの世の人間との夢幻の物語を紡ぐ本作。玉三郎は富姫と富姫の妹分である亀姫の二役を映像での自身との共演で魅せる。箏(こと)の演奏もあり、その世界観を音楽でも伝えた。
ここで玉三郎の衣装替えとなり、その間に大阪松竹座の歴史とその内部を紹介する映像が上映。この映像は趣向が凝らされたものとなっており、亀姫姿の玉三郎が大阪松竹座の入り口で出迎えたかと思えば、奈落からのせり上がり、舞台上からの景色も映像化されており、まるで自分が歌舞伎役者になったような気分を味わえる臨場感たっぷりの仕上がりを見せた。
そして、思いもよらない男に身請けをされた遊女が、愛しい恋人に会うことができなかうなってしまうという悲しさを水面に映る月影に寄せる気持ちを表現する『由縁の月』を披露し、万雷の拍手を受けるなか初日公演を無事終えていた。
※事前のレギュレーションにより写真は削除いたしました。
