22/7『西條和 卒業コンサート ~存在の証明~』開催!笑顔と涙が虹を掛ける

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 デジタル声優アイドルプロジェクト『22/7』(ナナブンノニジュウニ、通称「ナナニジ」)が8月28日に東京・Zepp Hanedaでライブイベント「22/7『西條和 卒業コンサート ~存在の証明~』」を開催した。

 以下、公式レポート部分。

 「ついに別れの日が来てしまった」という寂しさと「どんなステージになるんだろう」という期待が複雑に絡み合う「卒コン」。開演直前、注意事項を伝える影ナレで「私にとって最後のアイドル姿しっかり目に焼き付けてくださいね」と言う西條和に、同じ先輩組の天城サリーと河瀬詩が「もぉ?最後とか言わないでよ?!」と抵抗するわちゃわちゃとした様子が流れ、微笑ましさとともにそのときが迫ることを実感する。

 そして――。「はじめまして、ナナブンノニジュウニの西條和です」。読み上げられるのは、2017年12月25日に初めて綴られたブログの自己紹介。普段は口数の少ない西條だが、ブログではそのときどきの素直な想いを語ってきた。あたたかなひだまりに眠る日も、強い向かい風にさらされる日も、独自の感性による詩情豊かな言葉たちが日常に咲く小さな花のように、ファンの心を癒やし、なぐさめてきたのだった。この公演は、そんな過去のブログを今の西條自身の声で振り返りながら貴重な当時の映像をまじえて展開していくこととなる。

 ブログの「ひとくくりってあんまり好きじゃない」という言葉を汲み、開幕を告げた曲は『One of them』。西條が演じるキャラクター・滝川みうのキャラクターソング。たった一人、22/7のロゴを背負い、全身全霊のパフォーマンスで惹きつける西條。メンバーカラーをモチーフに、モードに昇華したモノクロの衣装も、旅立ちを決めた西條の凛々しさを際立たせる。そこへ後ろから揃って登場したメンバーたちが「We are 22/7」と歌い上げ、ファンも「Ey Oh」と声を揃える『22/7』で会場が一つになった。西條が一人ひとりのために考えた髪型や衣装で、持ち前の個性を活かしながらさらに新鮮な魅力をまとうメンバーたち。舞台袖で行った円陣で西條が「みんなありがとう」と言った瞬間に天城が泣き出したことを「やれやれ」といった面持ちで暴露したのは、椎名桜月。残念ながら四条月の休演が告げられたが、とにかく全員の「泣かずに西條の勇姿を目に焼き付けたい」という意気込みと仲の良さが伝わってくるオープニングだった。

 大切な思い出を宝箱へとしまうように一曲、また一曲と披露されていく中で、どうしてもここに書き残したいのは、キャラクターによるmusic videoを背景に歌われたデビュー曲『僕は存在していなかった』だ。まだキャラクターがなかった3人を置き去りにするかたちになってしまったことが棘のように心に刺さっていた西條は、当時、自分を許すような最後のフレーズを歌うことができなかったという。2018年9月22日のブログでは「11人のメンバー、11人のキャラクター」になった喜びとともに「いつかあの曲を笑顔で終えられる日がくるまで」という目標ができたことが綴られている。それからいくつもの別れを経た、今。後輩たちも同じ1st singleの制服衣装を着て、いっしょに空へとトスするような振りで花を咲かせていく光景には、たとえ何年経っても、メンバーは違っても変わることのない22/7の息吹が感じられる。そして、そこには西條の笑顔があった。

 とはいえ、やはり触れたい楽曲は枚挙にいとまがない。8人は、始終ハンドマイクで歌い踊る。セリフを伴う群像劇のようなパフォーマンスで魅了する22/7の真骨頂たる『ムズイ』、アウトロの一人ひとりのフリーダンスに心揺さぶられる『とんぼの気持ち』と、内向的だが実は反骨精神を秘めた西條を核として22/7を形作ってきた初期の楽曲はその濃度をさらに煮詰めるかのようにパワフルに迫った。

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 先輩メンバー3人だけで歌い始めた『空のエメラルド』は2コーラス目から後輩メンバーが加わり、歌詞の通り「時間のグラデーション」を感じさせるのだった。そして、ブログに「窓を開けてくれた」と綴った後輩たちを迎えた第二章の楽曲は、より可愛らしくチアフルに披露されていく。『曇り空の向こうは晴れている』は、そのときの西條の心境がダイレクトに伝わってくるようなセリフがかつてない清々しさを帯び、それに応えるかのように〝希望ちゃん〟こと望月りのが大きな瞳を輝かせて想いを放った。

 「セトリ〝暑〟すぎない?」と苦言を呈しながらも、燃え上がっている様子の相川奈央。月城咲舞は、どこか実感がないまま進む中でファンの嗚咽が聞こえてくると「やっぱりこれ卒コンだ」と気付かされるという。こうしてあっという間に迎えた本編ラストナンバーは、西條が参加する最後のシングル曲でもある『あなたでなくちゃ』。可愛らしく笑顔いっぱいの楽曲ながら「あなたに代わる人なんて 絶対 いないのに…」という想いを込めてファンから届けられる「なごみん!」というコールが切なく胸を打つ。

 スクリーンにオーディションで選ばれたときの映像が流れるも、西條の表情は明らかに喜びより不安が勝っており硬い。それが『あなたでなくちゃ』のmusic videoではどれだけ自然に笑っていることかと8年半の歳月を感じさせる中、ブログは2025年5月11日という卒業を伝える日の言葉にたどり着く。「今までありがとうと言うのは、もう少し先でいいよね。」――。ついにそのときを迎えてしまったと思った矢先、スクリーンにはTVアニメ『22/7』第3話、ライブ中の突然の停電というハプニングでざわめく会場で、滝川みうが勇気を振り絞りピアノに向き合うシーンが映り……。さなぎから美しい蝶へと羽化したかのような水色のドレスに身を包んだ西條があらわれると、みうの役目を引き継ぐかのようにステージに用意されたピアノに座り『僕は存在していなかった』をワンフレーズ奏でて見せた。

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 言葉にできない感動が会場を包む中、手紙を読み上げる西條。アイドルになりたかったわけではなく、ただ自分を変えるためにまだ見ぬ世界へ飛び込んだことは広く知られているところだが、その決意へとつながる過去があったことが明らかになる。

「中学生の頃、毎日一緒にいた子は息を引き取って、どうせ失うならもう何もいらない。何も手にしたくないと思っていました。メンバーとでさえ距離を取って誰も好きにならないように、もう二度と誰も失わないようにと、それでもメンバーの笑顔が見たいと思った時、気づいたんです。ああ、私、好きなものができてしまったんだなぁと。あんなに大事なものは作らないと決めたのに、いつの間にかこんなに好きになってしまった。嫌になったらすぐ辞めようと思ってたのに、こんなに長く続けるはずじゃなかったのに」

 そして、アイドルの自分を作り上げてくれるスタッフへの感謝とともに「隣には必ずみうちゃんがいて、迷惑をかけても笑い飛ばしてくれる心の広いメンバーたちがいて、そして、どれだけステージが怖くてもそこから見えるファンのみなさんの笑顔が大好きだった」と伝え「明日からはみなさんと同じところに行くから泣かないで」と笑わせながら「3168日とっても幸せなアイドル人生でした」と締めくくった。

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 だが、湧き上がる拍手の中、メンバーたちを呼び込もうと舞台袖に声を掛けていたそのとき、西條が驚きに目をみはり、涙が頬をつたう。なんと、卒業した帆風千春が自身のメンバーカラーの赤い花束を持って駆けつけたのだ。かつて帆風が卒業したライブで伝えた「強くなる」という約束を果たしたことを、褒められるかのように優しく抱きしめられた西條は、涙があふれて止まらない。いっしょにステージに立つことはもうないと思っていた「唯一のリーダー」のサプライズ登場にその場に崩れ落ちるほどの衝撃を受けていた。直前で知ったという天城も「大好きだよ、ちはるん」と嬉しさを隠せない。

 「最後の日にどうしてもやりたかった曲です」と披露したのは、おニャン子クラブ『じゃあね』のカバー。中学生の頃からずっと家で映像を見ていた曲で、テレビ番組で自分の原点として披露したこともある。軽やかに別れを告げるからこそせつない名曲だ。先日公開されたばかりのこの曲のPVと同じように、メンバーでタイムカプセルを埋めたこと、10年後の35年の8月にみんなに連絡する役目は相川奈央だということが語られた。

 「赤い衣装を着て『何もしてあげられない』をセンターで踊るなごちゃんが、6年間追いかけ続けてきた背中でした。こうなりたいとずっと思っていました」とまっすぐに伝えるのは、河瀬詩。自分も西條がいる22/7が好きな一人だけだっただけに……とこの先への恐れを口にしながらも「なごちゃんの名を汚さないように、私たちが守り続けます」と誓った。とめどなく涙を流しながら「8年半、いろんなことがあったね。いろんなことがあったけど……私は今のなごみんが一番好き」と西條と微笑み合うのは、グループに残る唯一の初期メンバーとなった天城サリー。「ずっと言えなかったんだけど」と西條の耳元で何かを囁き、2人でいたずらっぽく笑った。そんな先輩たちの横で、気づけば麻丘真央が子供のように泣きじゃくり「先輩いなくなるの怖いし、いやだよ~」と素直な思いを吐露する様が愛おしい。「先輩まだいるいる~」と自身を指差して笑いを誘う天城。そんな様子を横目に西條は、ファンに「これからのナナニジも見届けていただけたらと思います」と願うのだった。さらに12月10日に3rdアルバムをリリースすること、12月14日に「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2025」を開催することも発表され、新体制へ向けた活動に期待をさせてくれた。

 西條の卒業にあわせて書きおろされた『イングリッシュ・ゴールデンレトリバー』。この日もさまざまな楽曲で突き上げ、ときに宙を何度と無く殴っていた拳を、ワンと鳴く大型犬のように優しく丸めて歌う姿に自然と笑みがこぼれてしまう。曲中の犬につけられた名前は「SORA」。客席で左右に揺れる白いペンライトの灯りは、青空にゆったり流れる白い雲のようだ。これからも空を見上げれば、西條のいた22/7を思い出すだろう。温かなぬくもりを感じさせるハーモニーの中で、笑顔と涙が虹を掛けていく。

 止まらない「なごみん」コールに応えてのWアンコールでは『未来があるから』で、それぞれに去来するいくつもの思い出を胸に抱いて走り抜ける。「最初はステージに立っても歌えなくて踊れなかった私が、今日はすごく楽しくライブができました。8年半、西條和を見守ってくださってありがとうございました」。深々と頭を下げ、愛おしそうにステージからの景色を見渡しながら言葉を続ける西條だった。「みなさんの顔を絶対に忘れません。辛いことがあったら思い出します。みなさんの笑顔が宝物です。また10年後、みんなで集まって一緒に写真撮ろうね!」。

 西條がいなくなったステージには、なんと西條同様にアイドルを卒業したのであろう滝川みうの将来の姿を描いた「あの日の彼女たち」の新作アニメーションが流れる。クレジットには卒業したメンバーたちの名も記されていた。こうしてキャラクターも、卒業したメンバーたちも、ともに過ごして来たファンたちも、そしてそのすべてを愛した西條和というアイドルも確かに同じときに〝存在〟していたことを証明し、ナナニジの歴史に刻まれる一夜は幕を下ろしたのだった。

 ▼公演セットリスト
 ブログ#1
 01.One of them / 滝川みう(CV.西條和)
 02.22/7
 03.世界の矛盾
 04.理解者
 05.地下鉄抵抗主義
 06.覚醒
 ブログ#2
 07.僕は存在していなかった
 08.嫌われるということ
 09.ムズイ
 10.とんぼの気持ち
 11.空のエメラルド
 ブログ#3
 12.曇り空の向こうは晴れている
 13.僕らの環境
 14.風は吹いてるか?
 15.何もしてあげられない
 16.あなたでなくちゃ
 ブログ#4
 ピアノ演奏
 -Encore-
 En1. じゃあね (おニャン子クラブ カバー)
 En2. イングリッシュ・ゴールデンレトリバー
 -W Encore-
 W En1.未来があるから

 ※文責:キツカワトモ
 ※写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ
 (c)22/7 PROJECT

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