俳優・成河、花乃まりあ、松島庄汰、菅原永二、小松利昌、大鷹明良、篠井英介らが10月5日に東京・新国立劇場 オペラパレスホワイエで舞台『巨匠とマルガリータ』(演出・演劇芸術監督:上村聡史)制作発表会見を翻訳を担当した小田島創志氏、演出を担当する上村聡史氏とともに開いた。
2026年9月より新国立劇場・現劇芸術監督に就任した上村聡史氏のシーズンオープニングを飾る作品。ミハイル・ブルガーコフ氏の小説が原作で、1930年代のモスクワを舞台に、人間の善悪や愛、芸術の不滅性を奇想天外に描いた作品。原作からは主人公の『巨匠』を小説家から劇作家に翻案したバージョンで上演する。
成河は作品が痛烈な批判を受け精神病院に身を寄せる劇作家の通称“巨匠”を成河。“巨匠”を愛し彼を救うためには悪魔に魂を売ることも辞さない女性・マルガリータ役に花乃。悪魔・ヴォランド役に篠井。悪魔の一味を追ううちに狂人とみなされ、精神病院に隔離されてしまう若き劇作家・イワン役に松島。ヴォランドの付き人であるファゴット役に菅原。“巨匠”が描いた戯曲の主人公で古代エルサレムを統治する総督ボンティオ・ビラと役を大鷹が演じる。
約50人のオーディエンスが見守るなかで登壇したキャスト陣。本作を選んだことへ上村氏は「20世紀のロシア文学最高峰ということもありますが、自分以外の他者がいることのと尊さ・想像力・信じる力・愛する力というのが根底に流れている作品です。表現を新しくはしますが、忘れてはいけないものを大事に作っていきたいと思っております」と話す。
すでに「絶賛けいこ中」という上村氏。「密度の高いけいこが行われていて、僕自身かなりテンション高く演習つぃていいてみなさんもテンション高く来てくれるので、圧力鍋……というと圧力がかかっているように聞こえちゃう(笑)。熱気にあふれながらやっています」と意気込んだ。
続けて、本作の2004年に初演となったケンプ版の翻訳を担当した小田島氏は、「とてもワクワクする引き込まれる構成になっていると思います。ケンプ版はちょっと笑えるセリフやコミカルやポリティクスな部分もあるので翻訳が難しいです。でも、訳していてワクワクする作品です。舞台として立ち上がったときに非常に楽しい作品で、ちょとしたところで楽しんでいただけたり、伴走してもらえる作品になるかなと思っております」と、感触を語った。
作品の見どころへ成河は「舞台美術と伝え方」と挙げ「絵作りも試行錯誤されているので、どの瞬間を切り取っても絵になると思います」とのこと。花乃は「きょうそのけいこをするのですが、私は空を飛ぶシーンがあります」と、アピール。
篠井はのんびりした声を出しながらも「悪魔をやります」と物騒な単語をチョイスしてオーディエンスを沸かせつつ「やる方も見る方も手強い作品です。豊かな想像力がありますので、そこを生かすと大変おもしろいものになると思います。私の悪魔ぶりが見どころです」と、ニコリと笑みを浮かべた。ちなみに、小松によると「本役以外にもみなさん舞台に出ています」とキャストによる兼役もあるそうだ。
原作小説を読んでみて、成河は「ゲラゲラ笑いなが読んでいました。アンチテーゼや突き抜けた荒唐無稽さがあって、まだやるかと言うところがあるんです。たとえば、急に筆者が出てくることもあって、メタフィクション的にいろいろやっちゃうエンタメ精神がある方で開かれた精神をお持ちなんだなって」と、感じ入ったと話したり、花乃は「目に見えるものだけに価値があると思い込もうとしていた時代に、言葉など、人と人とが惹かれ合う引力を感じました。女性として勇気がもらえると思いました」と話していた。
観客から事前に集められた質問として、作品鑑賞前に予習は必要?という質問が飛び、小田島氏は「とくにないんじゃないかな。舞台だけ見ても面白くなると思うんです。ストーリー展開も早いので体感10分くらいで終わる作品で、それくらい面白さがつまっていると思います」というと、キャスト一同“それはさすがに早すぎるだろ!”とツッコむような温かな笑いが溢れる様子が。ちなみに、現時点では約3時間くらいの時間を想定していることも明かされていた。
上村氏も「これといってとくに予習せずに来ても楽しめるように作っています。“分かる=面白い”ということを思っている方にはウィキペディアとかを見ていただいて。分からないこともあるけど、面白いなと思ったらもう一回観てもらえればと思います」と話した。
また、上村氏が圧力鍋という単語を使ってけいこ場を表現したということで、けいこ場の雰囲気を問われると松島はまだけいこが始まって約1週間ということで、「手応えはまだないんです」と難解さを窺わせるとともに、篠井は「圧力鍋が最終的に破裂してしまうくらい、だからこそ尊くて素晴らしいものができると思っています」とのこと。花乃は「いま私たちは、圧力鍋のなかでとても幸せな気持ちで煮込まれています。これから沸騰したり、煮こぼれることもありかもしれませんが」と、評していた。
ほか会見には、俳優・明星真由美、富山えり子、内田健介、山本圭祐、山森大輔、柴一平、釆澤靖起、近藤隼、猪俣三四郎、篠原初実、篠原翔太が出席した。
舞台『巨匠とマルガリータ』は11月7日から11月23日まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ






