手書きの持つ様々な価値に光を当てるプロジェクトを発足

 このたび、一般社団法人応用脳科学コンソーシアム(所在地:東京都千代田区 代表理事:柳田 敏雄/岩本 敏男 以下、CAN)は、東京大学大学院総合文化研究科酒井研究室(東京都目黒区、酒井 邦嘉 教授)、日本紙パルプ商事株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 社長執行役員:渡辺 昭彦)、公益財団法人 日本漢字能力検定協会(京都府京都市、代表理事:山崎 信夫)、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(東京都中央区、代表取締役社長:張 士洛)、株式会社パイロットコーポレーション(東京都中央区、代表取締役社長:伊藤 秀)と共同で、手書きの良さを科学的に検証することを目的とした「手書き価値研究会」を発足します。

【背景】

 近年、パソコンやスマートフォンなどの電子機器の普及により、スケジュール管理、ノート作成、資料作成などの様々なアプリケーションが使えるようになってきました。文化庁の世論調査(出典1)によると、「日常生活において、文字を手書きする機会がある」という人が7割強にとどまった一方で、「文字を手書きする習慣をこれからの時代も大切にすべきであると思う」人は9割を超えています。また、様々なビジネス書や記事でも手書きの良さが語られており、記憶力、創造性、考える力の向上や、目標達成、不安感の減少など、多くのメリットが謳われています。しかしながら、これらの多くは著者の個人的な経験から定性的に語られているものが多く、科学的根拠という点では説得力が不足していました。

 このような背景の中、CANは2015年にアナログ価値研究会を組成し、手書きの価値に関する研究を行ないました(2015-2017)。その後も研究を継続し、2021年に東京大学の酒井研究室と共同で、電子機器と比較して紙の手帳の方が記憶想起の成績が正確で、その処理に関連した脳活動が高くなることを論文発表(出典2)し、多くの反響をいただきました(本論文は掲載誌Frontiers in Behavioral Neuroscienceの直近5年1/1/2019 – 11/27/2023の閲覧数が第3位です)。

 そこでCANでは、更なる「紙に手で書く価値」を脳科学の観点から探究し、手書きの良さを科学的に検証することを目的とした「手書き価値研究会」を発足することにいたしました。

【取り組みの概要】

 本プロジェクトでは、既に検証された手書き入力された情報をもとに内容を思い出す「想起」に加えて、文脈や流れを補って思い浮かべる「想像力」、明示的には示されていなくとも論理的に答えを導き出せる「理解力」、そして新たな価値を生み出す「創造力」について取り組みます。また、モチベーションなどの非認知的能力についても着目します。さらに、手書きはこれらの能力にどのような影響をもたらすのか、脳科学的および心理学的な検証を行ってまいります。

取り組みの概要

【出典】

1. 文化庁文化部国語科. (2015).「平成26年度 国語に関する世論調査」文化庁

URL: https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/92701201_05.pdf (参照日:2023年11月30日).

2. Umejima K, Ibaraki T, Yamazaki T and Sakai KL (2021) Paper Notebooks vs. Mobile Devices: Brain Activation Differences During Memory Retrieval. Front. Behav. Neurosci. 15:634158. doi: 10.3389/fnbeh.2021.634158

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