映画『劇場』完成記念イベントが開催
俳優・山崎賢人（25）、松岡茉優（25）、寛一郎（23）が25日、東京・丸の内ピカデリーで映画『劇場』（監督：行定勲／配給：松竹 アニプレックス）完成記念イベントを行定監督（51）、お笑いコンビ『ピース』で作家・又吉直樹（39）とともに開いた。
又吉が芥川賞を受賞した『火花』の前に温めていた2作目となる作品。劇作家を目指す主人公・永田（山崎）と、彼に恋をして必死に支えようとする沙希（松岡）の恋を描いたストーリーとなっている。
黒のスーツ姿で登場した山崎。本イベントは、本来ならば800人の観客たちが作品を楽しんだ後に舞台あいさつをする予定だったが、新型コロナウイルス拡散防止の観点からメディア以外はいない無観客で、しかもキャストが客席に腰掛けて行うという珍しいもの。山崎は空席の客席を見回し「本当はお客さんに観て頂きたいですけど、このようなご時世で、完成披露の感じになっています。映画の魅力を伝えられるように頑張りたいと思っています」と、意気込みを口にする。
本作の原作を読んでみて山崎は「絶対に永田をやりたいと思っていたんです。いざ撮影になって、永田の人間としての弱さや、愚かさが魅力的で共感できるなと思って演じていました。それを同い年の松岡茉優ちゃんと一緒に、行定さんに撮って頂いて本当にいい作品になったなと思っています」と、静かな自信を見せた。
イベントでは観客から事前に寄せられた問に答えていく形に。まずは、1番観てほしい推しシーンはないかとの質問に山崎は「ラストは絶対に観てほしいですけど、自転車を2人乗りするシーンはすごく頑張りました」と、挙げると又吉は「そこは僕も感動しました」と、絶賛。その自転車のシーンは台本4ページ分のセリフを山崎が言うというものもあったそうなのだが、松岡は「1度も噛まないんです！」と、驚異だったと褒める。
しかし、これに山崎は気恥ずかしかったのか、山崎は「短いセリフは噛むのに」と、自分から告白し、寛一郎も「俺とのシーンはカミカミだった」と、豪快に笑って、2人で笑いあっていた。
ほかにも、作品にかけて生涯忘れない出来事はないかとの質問が飛び、「難しいなぁ」と思い悩んでいた山崎だったが「中学くらいのときに、家族で大島に行ってとった魚を民宿のおじさんが焼いてくれたんです。その味がおいしくて忘れられない。次は自分でさばきたいなと思いました」と、思い出を披露したり、行定監督と親交のある映画『パラサイト 半地下の家族』でも知られるポン・ジュノ監督から山崎と松岡の2人の演技が素晴らしかったと感想をもらい、「嬉しいですね」と笑みを見せることもあった。
そして山崎から、「この映画は観終わった後に、大切な人を心に思い浮かべるような映画になっています。人生がなかなかうまくいかないことってたくさんあると思いますけど、そういうものも自分が信じてやってきた中でうまく行かなかったことは最後にはいい方向に向かっていくんじゃないかと思える映画になっています」と、メッセージを寄せつつ、空席の客席を見ながら、「お客さんのいない劇場は寂しいんだなって思って。お客さんがいて作品は成立すると思うので魅力を伝えていければ」と、今後のPR活動へより一層の意欲を燃やしていた。
映画『劇場』は4月17日より全国公開予定！
