『南座「京の年中行事 當る未歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」』製作発表会見が9月4日に京都市内のホテルで開催。松竹株式会社 取締役副社長 演劇本部長の山根成之氏より見どころなどが語られた。
上演期間は12月1日に初日で12月24日に千穐楽。12月9日と12月7日は休演日となるとした。
昼の部最初の演目は正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)。本作は“曽我物”と呼ばれる一連の作品の1つで山根氏は「古式に則った形で始めさせていたきます」と話す。
第三の『音羽嶽(おとわがたけ)だんまり』は辰之助の襲名披露公演となり、音羽屋においては「節目節目で上演しております」という演目。「辰之助さんが襲名にあたり、平成21年に本名の藤間大河として(4代目尾上)松緑さんに抱かれて初お披露目もされた演目です」と縁のあるものという。
そして夜の部最後の演目となる『木挽町のあだ討ち』へ、山根氏は「昨年松竹130年新作として歌舞伎座で上演したものを再演」するといい、その事情について歌舞伎座で上演したものは「劇場不備もあり、休演もあった演目で、(お客さんから)『なんとか再演してもらえないか』」という声に応えてのもの。
ちなみに、演目にある木挽町へ山根氏は「歌舞伎座のあたりは昔木挽町と言っておりまして、歌舞伎においては、歌舞伎座という隠語になっております。南座ならば中之町の仇討ちになります(笑)」とのことだった。『木挽町のあだ討ち』で今回発表された出演者の中でも、その役以外にも、これから役が増える役者もいることが予告されている。
また、久々の上演となる演目についても説明がされた。昼の部2演目めの『絵本太功記』は、『吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』では昭和39年以来62年ぶりの上演。さらに、4演目めの『河内山』も同公演においては19年ぶりの上演といい、片岡仁左衛門は4年ぶり、松本幸四郎は初役から12年ぶり。夜の部の1演目めとなる『新版歌祭文』は42年ぶりなる。
そして、あらためて見どころを問われた山根氏は「すべてが見どころで満載だと思いますが、辰之助さんの襲名はもちろんのこと『木挽町のあだ討ち』というチャレンジングな企画もします。なんといいましても、古典的な演目を並べさせて頂いて仁左衛門さんをはじめ、みなさん競い合うようにいろんな役をやって頂けるというのは顔見世の醍醐味だと思っております。たまたま久しぶりの演目も並んでおりますが、楽しんで頂けるものと思っております。若い俳優さんのエネルギーや、仁左衛門さんや梅玉さんと大幹部のすべてを凌駕するような要素が顔見世興行には入っていると思います。自分なりの楽しみ、魅力を見つけてもらいながら、1日楽しんでもらえればと思っております」と、メッセージを送った。
■昼の部(午前10時30分開演)
◯第一
正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)長唄連獅子連中
・曽我五郎時致:松也
・小林朝比奈:尾上右近
◯第二
絵本太功記(えほんたいこうき)一幕 尼崎閑居の場
・武智光秀:愛之助
・操:孝太郎
・初菊:壱太郎
・武智十次郎:隼人
・佐藤正清:鷹之資
・皐月:吉弥
・真柴久吉:扇雀
◯第三
音羽嶽(おとわがたけ)だんまり 一幕
三代目尾上辰之助 襲名披露狂言
・音羽夜叉五郎:左近改め辰之助
・畠山重忠:幸四郎
・白拍子仏御前:孝太郎
・鎌田蔵人:愛之助
・大内息女大姫:壱太郎
・結城左衛門:虎之介
・雲霧袈裟太郎:染五郎
・榛沢六郎:亀鶴
・浅野弾正:進之介
・大江三郎:錦之助
・夕照の前:扇雀
・奴伊達平:鴈治郎
◯第四
河内山(こうちやま)ニ幕 質見世より玄関先まで
河竹黙阿弥 作 天衣紛上野初花
・河内山宗俊:仁左衛門(Aプロ)、幸四郎(Bプロ)
・宮崎数馬:染五郎
・腰元浪路:左近改め辰之助
・北村大膳:亀鶴
・後家おまき:吉弥
・和泉屋清兵衛:又五郎
・高木小左衛門:歌六
・松江出雲守:梅玉
■夜の部(午後4時開演)
◯第一
三代目尾上辰之助 襲名披露狂言
新版歌祭文(しんばんうたざいもん)一幕
野崎村 劇中にて襲名口上申し上げ候
・久作娘お光:左近改め辰之助
・丁稚久松:松也
・油屋娘お染:尾上右近
・後家お常:雀右衛門
・百姓久作:梅玉
◯第二
上 萬歳(まんざい)竹本連中 囃子連中
・萬歳:愛之助
・才造:隼人
・同:虎之介
中 女伊達(おんなだて)長唄囃子連中
・木崎のお康:孝太郎
・男伊達淀川の千蔵:廣太郎
・同 中之島鳴平:鷹之資
下 団子売(だんごうり)竹本連中
・お福:鴈治郎
・杵造:扇雀
◯第三
木挽町のあだ討ち
永井紗耶子原作(『木挽町のあだ討ち』新潮社刊) 齋藤雅文 脚本・演出
・伊納菊之助:染五郎
・篠田金治:幸四郎
・ほたる:壱太郎
・佐野川妻平:左近改め辰之助
・衣裳方栄ニ:廣太郎
・伊納清左衛門:高麗蔵
・伊納家の下男作兵衛:錦之助
・小道具方久蔵:鴈治郎
・立師与三郎:又五郎
・久蔵女房与根:雀右衛門
前田剛(美術)
品治尚貴(照明)
内藤博司(音響)
杵屋巳太郎(作曲)
田中傳左衛門(作詞)
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ

