アイドルグループ『timelesz』佐藤勝利が9月3日に東京・PARCO劇場で主演のPARCO PRODUCE 2025『ブロードウェイ・バウンド』(演出:小山ゆうな)開幕直前会見を俳優・松下由樹、入野自由、神保悟志、小島聖、浅野和之、演出の小山ゆうな氏とともに開催した。
長年ブロードウェイの第一線で活躍したコメディ作家ニール・サイモン氏が1980年代に取り組んだ“B・B三部作”と呼ばれる自伝的作品の第3部の完結編にあたる作品。迫りくる第二次世界大戦を背景に、貧しいながらもたくましく生き抜くユダヤ人一家と、主人公ユージン少年の思春期の芽生えを描いた『ブライトン・ビーチ回顧録』。徴兵されたユージンが新兵訓練キャンプで仲間たちと過ごした日々を縦糸に、彼の初恋と初体験を横糸に描いた『ビロクシー・ブルース』。そして本作では戦後、青年になったユージンが、家族への愛情と失望の狭間で揺れ動きながらも夢に向かう姿を描いている。佐藤は、2021年に東京芸術劇場プレイハウスで上演された『ブライトン・ビーチ回顧録』にて少年ユージン役を演じたが、本作では23歳になったユージン役を演じる。
以下、キャスト陣の主なコメント。
●佐藤勝利
2021年上演の『ブライトン・ビーチ回顧録』から4年越しに3部作目の『ブロードウェイ・バウンド』が初日を迎えるということで緊張感もあるのですが、お客さまに楽しんでいただけるように演じたいと思います。4年が経ってもこうして再び同じ家族のキャストが集まれたのは本当に奇跡ですし、嬉しいです。今回から浅野さんと小島さんも参加されて刺激をいただきながら、これから約1ヶ月の本番を楽しんでやっていきたいと思います。 4年前の『ブライトン・ビーチ回顧録』を観ていただいた方にとっては、2作品を同じ家族で見られるというのはなかなかない体験になると思いますし、『ブロードウェイ・バウンド』から初めて観るという方には、ほかのニール・サイモン作品と少し毛色の違った人間の深い部分が見える作品でもあるので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
●松下由樹
明日初日を迎えるにあたり、大変緊張しています。この作品があまりにも良い作品ですので、それを楽しんでいただけるように届けるには、本当に集中して良いお芝居をしなくてはという思いがあり、それがさらに緊張を生んでいます。4年ぶりに皆さんと会えるのが嬉しかったです。当時はコロナ禍でしたが、今回は舞台上でのコミュニケーション以外もできるようになり、より距離が近づき、さらにお芝居がしやすくなったと思います。お客様に楽しんでいただけるように初日を迎えたいと思います。
●入野自由
この作品がとても良い作品であるからこそ、役者としてはハードルの高い大変な戯曲で、どう立ち向かうか考えながら1ヶ月ほどの稽古に取り組んできました。それが、いよいよ明日からお客様とともに花開くことを一番楽しみにしております。4年ぶりに家族が集まりましたが、緊張することなく思い出話をしながら創ることができたので、最初の段階をスキップしてより深めることができました。またこうして集まって一緒にお芝居できることは幸せなことだと思っています。
●神保悟志
いよいよ明日初日となり、緊張しています。大変素晴らしい作品ですので、多くの方々に届けたいと思っています。チーム、家族の結束力が高いので、良いお芝居ができると思います。また、4年経って同じ役で同じメンバーというのは奇跡だと思います。さらに、小島さんと浅野さんも加わり、明日からの本番にどう作用するのか僕自身も楽しみです。成功することは間違いないと思っていますので、明日からどうぞよろしくお願いします。
●小島聖
この作品に関わらせていただけていることを幸せに思っています。今回から新たに参加したので、最初は結束力のある家族の中に入っていくのは大変かなと心配していましたが、そんなことはなく本当に居心地の良い稽古場でした。この物語の中には素敵な言葉が散りばめられているので、その1つ1つが本当に心に響く物語だなと思って日々皆さんのお芝居を聞いています。きっと客席にお座りになるお客様にも届くと思いますので、ぜひ劇場にいらしていただけると嬉しいです。
●浅野和之
何十年やっても同じように緊張します。ニール・サイモン作品の中では毛色の違う暗い部分もありますが、人間を書いているところが僕はすごくいいなと思っていますし、そういった部分を皆さんにお届けできるようにしたいと思っています。家族という意味では、僕がいなければこの家族はいませんので、結束力のある家族の中に新たに入るのも難しいことではありませんでした(笑) 。皆さんと仲良く楽しくお仕事ができているなと思っています。明日からよろしくお願いします。
●小山ゆうな氏
本作はニール・サイモンが59歳の時に書いた作品で、少年時代の自分を振り返る最初の作品と比べて、仕事をし始めた(佐藤勝利さんが演じる)ユージンというニール・サイモン自身を投影した役を俯瞰して見ています。そしてお父さんと執筆時のニール・サイモン自身の年齢が近くなり、お父さんはこう思っていたのかなという発見もある、かなり大人な作品です。『ブライトン・ビーチ回顧録』の時は結束していた家族でしたが、第二次世界大戦を経て家族の価値観が少しずつ変わり、揺らいでバラバラになることで家庭内でちょっとした戦争みたいなことが起こります。ですが、それをユージンは常にユーモアをもって見ているので、辛いシーンでも必ずユーモアがあるというところが魅力だと思っています。そして何よりもこの作品を素晴らしい俳優さんが結集して作っていることも魅力です。
PARCO PRODUCE 2025『ブロードウェイ・バウンド』東京公演は9月4日から9月28日までPARCO劇場にて、大阪公演は10月2日から10月13日までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演予定!
【物語】
第二次世界大戦が終わって間もないニューヨーク・ブルックリン。
いつかブロードウェイに出てコメディ作家になることを夢見ているユージンと兄のスタンリー。
二人は、結婚生活に問題を抱える両親と祖父とともに暮らしている。
ある日、スタンリーがラジオのコントの台本書きの仕事を持ち帰ってくる。
両親のいさかいが聞こえてくる家で、徹夜で台本を書き上げた二人。
いよいよそのコントがラジオで放送される日がやって来た・・・。
撮影:加藤幸広