中村橋之助と中村鶴松 幼少の夢叶い感無量!市川染五郎『新春浅草歌舞伎』で一族の技術披露へ

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“Aポーズ”を披露(撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ)

 歌舞伎俳優・中村橋之助、市川男寅、中村莟玉、市川染五郎、尾上左近、中村鶴松が11月18日に東京・浅草寺で2026年1月2日から上演予定の『新春浅草歌舞伎』の成功祈願を松竹副社長で演劇本部長の山根成之氏とともに行い、その後、取材会を開いた。

 『新春浅草歌舞伎』は“若手歌舞伎俳優の登竜門”として40年以上の歴史を持ち、浅草の正月の風物詩として上演されている。今年は2026年1月2日から1月26日まで上演する。その演目は第1部の一『梶原平三誉石切』(かじわらへいぞうほまれのいしきり)、二『上、相生獅子』(あいおいじし)『下、藤娘』(ふじむすめ)。第2部の一『傾城反魂香』(けいせいはんごんこう)二『男女道成寺』(めおとどうじょうじ)となっている。

 座頭を務める橋之助は、「昨年のメンバーが変わりまして、お兄さん方から引き継がせていただいたバトンを手に、会見をさせていただいてからもう1年が経つんだと非常に驚いております。2年目こうしたメンバーも入れ替わりましたけれども、私としては、座頭をまた来年もさせていただくことになって、今年の『新春浅草歌舞伎』は挑戦だったのが、来年からは継続というフェーズに入っていくんだと心して勤めたいと思っております」と、意気込みを。

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 続けて、橋之助は2026年の『新春浅草歌舞伎』のテーマを「僕のテーマは『幸せを力に』ということで、まずこの2年目を座頭で迎えさせさせていただけたことの幸せ。そして、第2部におきまして『傾城反魂香』の又平を勤めさせていただきますけども、この女房おとくを鶴(鶴松)がやってくれて、2人で1つの出し物させていただくんです。この幸せというのが中学生ぐらいの時に『平成中村座』で勤めていたときに、2人で一緒にやろうって約束をした思い出の深い演目でございました。ですので、松竹の方から、『傾城反魂香』のお話をいただいて、僕たちの夢であった、又平とおとくを『新春浅草歌舞伎』で勤めさせて頂くことは、こんなに幸せなことはございません。この幸せな思いを胸に、お客さま方に素敵なお芝居、そして素敵な時間をお届けできますように、一座一生懸命に勤めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と、深い思い入れを話していた。

 男寅は「私は、『新春浅草歌舞伎』今回唯一の新入生でございます」と前置きし、「この年齢で、『新春浅草歌舞伎』に出演させていただけるとは思ってもいなかったですし、自分の中では、憧れの興行だったので出演することができ、そして7代目市川男寅という名前をこの興行に刻むことができて本当に感無量でございます。今は、楽しみ半分、不安半分でございますが、どんな景色を見ることができるのか今から、ワクワクでございます。みなさま、何とぞよろしくお願いいたします」。

 莟玉は、「私も橋之助兄さん同様、前の世代の代からのバトンを受け継ぎまして、今年新メンバーとなった1年目を走り抜けることができました。本当に頼もしいリーダーの橋之助さんのおかげで、非常に和気あいあいとしつつも、でも、緊張感もきちっとある。素敵な座組に恵まれて、いい1年目を過ごせたなという風に思っております。これまでの各世代の先輩方から橋之助さんも私も『やっぱり2年目が……そして2年目からがやっぱり難しいんだ』という話を、たくさん聞かせていただいてまいりました。それに対してどんなことができるのか。今年もこうして、2年目もご一緒できてるってことが分かっていたわけではないんですけども、1年目の時点で橋之助さんとは、何か僕らの世代では2年目も1年目を越していき『素敵な公演だったね』と言ってもらえるような公演を作っていきたいよね。なんていう話をしておりましたので、また2年目もこうして、みんなで一緒に頑張れるということが非常に嬉しく思っております」と、2年目へのプレッシャーを話す。

 莟玉自身は「第1部・第2部ともに、舞踊の作品に出演しておりまして、初めて昼夜一言もセリフを発さないというお役でございます。昼の第1部の藤娘は1人で踊らせていただきます。第2部の『男女道成寺』は左近さんと、ペアで踊らしていただきます。左近さんは本当に頼もしい俳優さんでございますし、近年よくいろんな作組でご一緒している左近さんといいチームワークで、踊らせていただけたらなと思っております。“左近さんの左近”で非常にいいなと思っております(笑)」。

 染五郎は「私も2025年に引き続きまして2回目となるこの『新春浅草歌舞伎』に出演させていただいただけることをとても嬉しく思っております。私は今回は、『梶原平三誉石切』におきまして、梶原平三景時を勤めさせていただきます。2025年も『絵本太功記』で武智光秀という私の家である高麗屋にとっても大切な役柄を挑戦させていただきまして、また今年も『梶原平三誉石切』は私の家に伝わるやり方というものがある役に挑戦させていただいてることをとても嬉しく思っております。時代物のテンポと言いますか、時代にきちんと乗ってお芝居していくということを1ヶ月かけて、祖父だったり父から、教わって勤めたいと思っております」と、一族の技術を継承してくると話し、「お客さまにとっても2026年の幕開けにふさわしいひと時にできればと思っております。また自分にとっても2026年新たな挑戦をしていく。その一歩になれるように、なんとか結果を残したらいいなと思っております」。

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 左近は「私は、昼夜、最後は舞踊で男になりますけれども、三役とも女方で出てくる、お役を勤めさせていただきますけれども、去年の9月に初めてお芝居で女方をさせていただいてから、今年1年本当にいろいろ経験をさせていただきまして、その中で女方という、役をいろいろ本当に多くさせていただきました。こういった1年を過ごす中で、自分の中で女方を勉強していきたい、修行していきたいという心が生まれまして、そういった中こうやって『新春浅草歌舞伎』で女方のお役で1年のスタートを切れるということは本当にありがたく思っております」という。

 続けて「また、私事でございますけれども、この1月公演中にですね、二十歳の誕生日を迎えさせていただくんです。こういった節目に『新春浅草歌舞伎』に出演させていただくことは、もうとても縁を感じますし、身の引き締まる思いでございます。私は2年目ですので、1年目より進化した自分を見せられるように精いっぱい勤めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします」。

 鶴松は「私も、新メンバーが去年から変わって今年2年目に果たして出られるのか不安ではあったんです。けれども、ありがたいことに、こうして素敵な皆さま方とご一緒に『新春浅草歌舞伎』で1年を迎えさせていただけること本当に、嬉しく思います。演目も昼の部では『相生獅子』で中村の公演以外で、自分の名前が一番最初に来るというのは初めてでございます。なので左近さんが1月で二十歳を迎えられて、10歳差がありますけれども、年の差を感じさせないような、パワフルな舞台をお届けさせていただければと思います。そして夜の部では、先ほど橋之助さんからもおっしゃったように、『傾城反魂香』という子供の頃から憧れ、小さい頃から夢を語り合ってきた仲間と一緒にこうして舞台ができること本当に嬉しく思いますし、僕の役が良くなければ、今後の橋之助さんの評判も良くないと思いますので、しっかり橋之助さんを支える形で、奥様より鶴松の方が愛してくれてるなと思っていただいてるぐらい、素敵な奥様を勤めますので、どうぞみなさん来てみてください」と、11月10日に元『乃木坂46』の能條愛未と婚約会見した橋之助を意識したコメントで会場を沸かせていた。

 その後の記念撮影では、今回新たに考案してみたという『新春浅草歌舞伎』のポーズという“Aポーズ”をお披露目。俳優陣も楽しげに、頭の上に“Aポーズ”を作ったりと笑顔にあふれていた。

 取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ

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4人で連なってAポーズをしているのを見つける2人

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4人で連なってAポーズをしているのを見つける2人その2

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