『アイドリッシュセブン First BEAT! 劇場総集編 後編』公開御礼舞台あいさつが12月27日に東京・グランドシネマサンシャイン 池袋で開催され和泉一織役の増田俊樹、四葉環役のKENN、逢坂壮五役の阿部敦、六弥ナギ役の江口拓也、七瀬陸役の小野賢章、八乙女 楽役の羽多野渉が登壇した。
原作アプリのDL数は700万を超え、その他にもTVアニメ・CD・ライブ・コミカライズなど、アイドルの成長物語を中心に多岐にわたり人々の心を魅了してきた大型メディアミックスプロジェクト『アイドリッシュセブン』(略称:アイナナ)。本作は、IDOLiSH7がデビューを巡る大きな試練に立ち向かいながら、アイドルとしての大舞台に立つまでの軌跡が凝縮された作品となっている。
以下、公式レポート部分。
オープニングトークでは、増田が「寒い中、ありがとうございます」と落ち着いたトーンで年末らしい言葉をかけると、続く KENN は一転、元気いっぱいに挨拶。「今日はパンを食べてきました」と発表すると、これを受けた阿部は「KENNくんは今日も元気ですね。僕も(さっき)パンを食べてきました」と、MEZZO”らしい恒例の食事報告で笑いを誘う。
最後に挨拶した羽多野も、「TRIGGERからやってきました? 僕だけパーカーの色が違うので、壁と同化しないか心配ですが、頑張ります?」とユーモアを交えつつ、IDOLiSH7 に負けじと元気な声で意気込みを語り、和やかな雰囲気のままイベントはスタート。最初のトークテーマに選ばれたのは、【後編】を語るうえで避けて通れない楽曲「NATSU☆しようぜ?」。物語の大きなキーポイントとなる楽曲だが、収録から 10 年以上の月日が経っていることもあり、江口からは「収録のときの記憶はないです?」と素直な告白が飛び出す。すると、すかさず阿部も「何曲歌っていると思ってるんですか!?」とツッコミを入れて、会場を笑わせた。
しかし、アイドリッシュセブン 2nd LIVE 「REUNION」で同楽曲を歌いながら水鉄砲を振り回していた思い出は強く残っているようで、当時を振り返るエピソードに発展。
ステージ上から客席に向けて水鉄砲を撃つと、どうしてもお客さんの顔にかかってしまうと躊躇したキャストもいれば、羽多野のように「勢いよく登場して、水鉄砲のトリガーを引いたら……そしたらピューと。思ったより出なくて」と、当時の思い出を楽しげに語り合った。
羽多野からはレコーディング当時の話題も。TRIGGER のキャスト陣もストーリーの詳細は知らされておらず、羽多野も何も知らないままノリノリで収録していたという。しかし、九条 天 役の斉藤壮馬は「なんか前と違いますね。変わりました?」と違和感を覚えていたそうで、「(斉藤さんは)鋭かった」と、天さながらの洞察力に感心したエピソードを披露した。
続いて話題は、劇場総集編全体を通した好きなシーンやセリフについて。
江口は、【後編】で印象的だったアイドルとして大和を挙げ、「一番カラッとしていそうな人が、実は一番抱え込んでいた」と語った。
一方、増田は「【前編】のエンディングの流れが【後編】につながるし、IDOLiSH7の7人が本当の意味でひとつになった瞬間を描いている気がする」と、総集編ならではの構成の良さに着目。
羽多野は、【後編】で描かれるTRIGGERの活躍や苦悩に触れつつ、音響が再構成されたライブシーンをお気に入りポイントとして挙げた。また、【前編】についても振り返りながら、「特に十 龍之介の吐息に注目してほしい。“Ah”が最高に聴こえます」と音響面の魅力をアピールした。
ここからのトークは、作中でIDOLiSH7がついにデビューを果たす展開にちなみ、キャスト自身の「忘れられないデビュー」の話題へ。
小野は、今年初めて経験した「ラーメンのお持ち帰りデビュー」のエピソードを披露。鍋を抱えて店を訪れ、注文の仕方が分からず戸惑っていると、鍋を持った先客が注文の仕方を教えてくれて、「いってらっしゃい~」と背中を押してもらったという、心温まる(?)デビュー話を明かした。
KENNは、ライブで使用するイヤモニ(インイヤーモニター)のデコレーションをした際の話を紹介。ダンス稽古に早く入りすぎたため、スタッフを手伝ってラインストーンを貼る作業をしたそうで、「担当したメンバーはリュウ兄貴(十 龍之介)でした」と告白すると、メンバーの関係性から壮五のイヤモニを担当したと期待していた阿部ががっくりと肩を落とし、会場の笑いを誘った。
その阿部は、長年使っていたマシンを買い替え、自分で挽いて淹れる「コーヒー豆デビュー」をしたと発表。産地を選んで豆を買い、自分で挽いて淹れるという「丁寧な生活」ぶりを明かし、キャスト陣から感嘆の声が上がった。
続いて、増田と羽多野からは声優デビュー時の失敗談が飛び出した。
増田はデビュー当時、アフレコの本番収録の前のテスト収録でスタッフに叱られてしまったエピソードを披露。「あれから十何年と経っていますが、テスト(収録)でも手を抜きません。テストで本気でやらないと、本番(収録)のためのテストにならないので」と、プロとしての姿勢を語った。
羽多野は「小学校4年生のときに脳内で勝手に声優デビューしてた」と冗談めかしつつ、初めてマイク前で台本を読んだ際に20回以上NGを出した、というエピソードを語った。失敗を重ねた末に「小学生のときはデビューしていなかったんだと気が付きました」と完璧なオチをつけ、トークの引き出しの多さに、ほかのキャスト陣を驚かせた。
『アイドリッシュセブン』ならではの魅力として挙げられたのが、芸能界の厳しさや現実を真正面から描く物語性。キャスト陣も、自身の経験と重ね合わせながら共感を示し、作品が持つリアリティについて語り合った。
増田は、作中で九条 天がファンとの距離感や覚悟を言語化するシーンに触れ、「僕らもファンを大事にすると言いますが、何を核として大事にしているのか(天の言葉に)突きつけられた感じがした。男としてかっこいい」と、天のプロ意識の高さに共感し、自身も襟を正される思いだったと熱く語った。
トークの余韻を残したまま、フォトセッションへ。キャスト陣はカメラに向かって手を振りながら、会場やライブビューイングとの交流を楽しんでいた。名残惜しさをにじませつつ、イベントはいよいよ終盤へ。最後に、登壇者一人ひとりからマネージャーたちへ、感謝の言葉が贈られた。
小野は、「10周年イベントが2026年1月に控えていますが、本当に『10年経ったんだ』という気持ちが強いです。それでも、こうして総集編という形でスタートの物語を見ると、全然色褪せていないし、面白いストーリーが詰まっていると改めて感じました。彼らの物語はまだまだ続いていきます。来年も『アイドリッシュセブン』を通して、皆さんと楽しい時間を過ごせると思いますので、引き続き
応援していただけたら嬉しいです」と、駆け抜けてきた 10 年の重みを感じつつ、応援してくれているファンに感謝の気持ちを込めて
締めくくった。
『アイドリッシュセブン First BEAT! 劇場総集編 後編』は現在、全国の劇場で好評公開中。 本作で映された彼らの「はじまり
の物語」は、この先も続いていく。また、2026年1月にはアイドリッシュセブン10周年イベントも開催決定している。時を経てなお色褪せない彼らの軌跡と、これから見せてくれる新たな景色に、引き続き注目していきたい。
※記事内写真は(c)BNEI/アイナナ製作委員会





