成宮寛貴、東出昌大、三浦涼介、大鶴佐助ら『サド侯爵夫人』へ意気込み!「次の世界へ向け」

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 俳優・成宮寛貴、東出昌大、三浦涼介、大鶴佐助、首藤康之、加藤雅也が1月8日に東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで舞台『サド侯爵夫人』(演出:宮本亞門)ゲネプロと会見を開いた。

 作家・三島由紀夫の人間の心の奥底に潜む欲望や葛藤を、美しくも残酷な言葉で浮かび上がらせる作品。サド侯爵自身は姿を見せず、その周りを取り巻く女性たちの会話劇で進む物語。18世紀フランスを舞台に、悪徳の限りを尽くしたサド侯爵を待ち続ける、貞淑な妻・ルネ/サド侯爵夫人役を成宮が演じる。サン・フォン伯爵夫人役に東出、ルネの妹・アンヌ役に三浦、ルネの友人・シミアーヌ男爵夫人役に大鶴、女中・シャルロット役に首藤、ルネの母・モントルイユ役を加藤が演じる。なお、今回の舞台はオールメール(全員男性)キャストとなっていることが特徴にもなっている。

 以下、会見コメント。

 ◯宮本亞門 【演出】
 三島由紀夫さんの作品は『金閣寺』『ライ王のテラス』などをてがけてきました。『サド侯爵夫人』は日本の演劇史の中でも大変有名な作品ではあるものの、正直言いますと、これほど難しい作品はありません。三島さんの作品に共通する、その時の自分(三島さん自身)が何を考えて、どう生きたいかというテーマが入り込んでいるというところをあえて今回は強調して、登場人物がまるで三島由紀夫さんの分身かのように存在してほしいという、大変難しい設定とお願いを皆さんにしました。この顔ぶれを見ていただくとわかりますが、皆さんそれぞれ大変苦労をし、孤独を超え、自分たちの世界を築き上げてきた人たちです。エッジの効いた違う個性の皆さんが頑張ってくれて、稽古場は大変スリリングで面白かったというのが正直なところです。
 内容的にはこのフランス革命という時代が最も変動する、まさに今と同じぐらい常識や今までの考え方が全く逆になっていく時代の中、翻弄していく人たちの話。女性だけの話ではなく、むしろ三島の言葉、声、そして書いた文字を通して、男性性が女性性に変わっていくという作品にしたかったんです。
 稽古場で一番苦労したのは、どうしても女性の役を演じると理想の女性を演じようとしてしまうことです。そうするとなかなかこの戯曲で生でぶつかっていくエネルギーが生まれないので、語尾や、あえて衣裳やメイクもすべて省きました。三島さんの気持ちが一番染みいるように、そして中身がお客さんに届くように持っていきたいと。
 『サド侯爵夫人』は深すぎるので、やはり最後の展開も含めて、こんなこと言ったら失礼かもしれないですが「サド侯爵夫人、特に最後展開は本当にわかる人いるの?」という気がしてしまいます。三島さんがお客さん投げかけ、ご自身でお考えくださいと言っているようです。紐解くパズル感の面白さもありながら、その三島さんなりの形を受け止めて「一体この結末はどういう意味なんだろう?どういうところにあるんだろう?」というところをみんなと話し合いながら創っていきました。
 とにかく一言一言も大切にしたいですが、これは朗読劇ではありません。あくまでも生の人間が存在して、お互いが肉体を持った人として、相手に伝え、それを生の舞台でどう反応しあい渦巻くか、をお見せできたらと思います。
 結末については、どう解釈するかAIに聞いても分からないでしょう(笑)。それくらい『サド侯爵夫人』は自分たちの生き方までもが変わってしまうような深さを持った戯曲だと感じています。三島由紀夫さんにしかわからないその深さを存分に楽しみたいです。
 三島由紀夫ファン、演劇ファンの方もこの作品を観てどう思うか、ぜひ皆さんのご感想をお聞きしたいです。
 お客様に喜んでいただければ、これが新たなミシマ世界なんだ、と理解していただければ嬉しいと思います。

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 ◯成宮寛貴 【妻・ルネ/サド侯爵夫人 役】
 (宮本)亞門さんとは25年ぶりにお仕事させてもらうのと、舞台は12年ぶりということもあり、様々ななことを思い出しながらやらせてもらっています。亞門さんはそれぞれの人に分かりやすい言葉で演出してくださるので、僕自身も本当に毎日こうやったらいいのかな、ああやったらいいのかなという風に楽しみながら稽古が出来ました。
 この『サド侯爵夫人』のキャラクターは本当に言葉に力強さがあって。多分観に来られる方もそうだと思いますが、どのような立場で、どのような場所に住んでいて、どのような経験をしてきたのかということによって受け取り方が全く違う作品になると思います。僕自身も毎日違うところにひっかかりを感じたり、ここはこういう風にしたらいいのかなという発見もたくさんあるので、その発見を亞門さんにご指導いただきながらやってきたという感じです。
 東出くんとは今回初めてご一緒したのですが、最初に「僕心配性なので」と言って、稽古初日からほぼ台詞が完璧でした。自分自身の考えはしっかりと持ちつつも、どこか小動物的な部分もあったり。とても身長は大きいですが(笑)。とても優しくて素敵な方だと思います。
 三島さんのセリフ一つ一つを大切にして喋らないと相手にしっかり伝わらないので、そこを大切にしてしっかりと伝えていく、本当に基本的なことではありますが、そこが僕にとっては一番難しかったなと思います。セリフの解釈などを亞門さんと色々な形で試してやってきましたが、僕自身も肉体的な脱皮や、精神的な脱皮、そして次の世界へ向けて進んでいくという姿が自分自身とすごく重なって、今日のゲネプロを通して方向性が少し見えたような気がしています。
 明日からお客様が入って、この劇場でお芝居ができることを本当に楽しみにしています。『サド侯爵夫人』の全てのキャラクターに言えることですが、三島さんがこういう思いを伝えたかったのだろうなという想いが台詞に一つずつ込められているので、少しでも甘えて自分のやりやすいようにすると作品が立体的にならないというか。いい形になっていかないので、本番が始まってからもリズムをなるべく作らずに、生々しく劇場で演じられたらいいなと思っています。

 ◯東出昌大 【サン・フォン伯爵夫人 役】
 (宮本)亞門さんもおっしゃっていましたが、あの稀代の天才・三島由紀夫が書いた戯曲で、6人の登場人物全員が台詞の応酬だけで構成しているので、役者にとっては非常に腕が試されるし、これが作品として大成すれば、本当に演劇史の金字塔に並ぶことが出来うる作品になると感じています。僕も考え続けて、役者同士で高め合って、満員のお客様の前で素晴らしい、これが現代演劇の最高峰かと思っていただけるような、そういう実のあるお芝居をしたいなと思います。
 『サド侯爵夫人』は演劇人が選ぶ戦後の戯曲の中で第一位というアンケートが以前あったと伺ったのですが、なるほど『サド侯爵夫人』は本当に第一位の戯曲なんだなというのをまざまざと今回感じました。
 成宮さんは初めてお会いした時に柔和な方という印象を受けたのですが、時間を重ねるともっと柔らかい人で、成宮さんのいるところは必ず明るくなると思いました。成宮さんには温かくて黄色い太陽の光のような、柔らかくて朗らかな温かさがある方なんだなという印象です。もっと芝居の中でも絡みたかったですが、本当に一瞬すれ違うだけで(笑)。楽屋からモニターで姿を拝見していますが、毎日楽しいです。

 ◯三浦涼介 【ルネの妹・アンヌ 役】
 稽古はすごく楽しかったです。僕はもう本当に(宮本)亞門さんとお仕事させていただける日がいつか来るといいなとずっと思っていたのですが、きっとそうやって思っていた頃はまだまだ亞門さんとご一緒にお仕事できるような心持ではなかったと思います。でも、(今回ご一緒できることが決まって)ようやく「今なんだ。よし、絶対やろう!」という思いで稽古場に入れたので、すごく前向きに過ごさせていただきました。
 いよいよ初日を迎えますが、日々役と向き合い、追求し、亞門さんのご指導のもと精いっぱい演じてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ◯大鶴佐助 【ルネの友人・シミアーヌ男爵夫人 役】
 1か月に及ぶ緊張感のある稽古をしてきたので、初日を迎えられることがとても嬉しく思うのと同時に、お客様にこの作品がどう映るのかとても気になります。今回、三島由紀夫の言葉がとても美しいので、その言葉に呑まれるというか、それを日常会話にするというのにすごく苦戦しましたし、今も苦戦中です。舞台上で接する最初の相手が東出さんなので、お互い言葉を意識しているのでそういうところもすごく助かりましたが、改めてこれを日常会話にするのってこんなに難しいんだなと凄く感じました。
 今朝、でっくん(東出昌大)と話したのですが、役者それぞれが慣れずに新鮮味を持って、常に新しいステージを毎日重ねることが課題だねと話していたので、その新鮮味を毎日お互い感じながら、千秋楽までやっていきたいと思います。

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 ◯首藤康之 【女中・シャルロット 役】
 僕が演じるシャルロットという役は、6人の中で民衆の代表として三島さんが描かれているので、僕はどちらかというと稽古の時から客観的に俯瞰してみるような感じで、面白がったりしていました。その面白がる感じが役として出ればいいなと思っています。
 もともとこの戯曲が大好きで、このチームに関われることをすごく嬉しく思っていますし、一日一日を大切に、毎日ひとつずつ精いっぱいに、ひとつでもアップデートできるように努めていきたいと思っております。

 ◯加藤雅也 【ルネの母・モントルイユ夫人】
 この公演での目標は、まずは最後まできちんとやり切ること。そして、モントルイユ夫人という役を完成させることです。そのために、毎日必死に向き合っています。
 モントルイユ夫人という役は本当に難しく、「こんなに大変な役を受けてしまった……」と思う瞬間もありますが、役柄さながらに東へ西へと走り回る毎日です。
 お客さまに心から楽しんでいただける舞台をお届けできるよう、最後まで全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上

 舞台『サド侯爵夫人』東京公演は1月8日から2月1日まで紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて、大阪公演は2月5日から2月8日まで森ノ宮ピロティホールにて、愛知公演は2月13日と2月14日にとよはし芸術劇場にて、福岡公演は2月17日と2月18日に福岡市民ホール中ホールにて上演予定。

 ※記事内写真は撮影:阿部章仁

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