舞台『リア王』(演出:井上尊晶)製作発表記者会見が6月8日に都内で開催され主演の歌舞伎俳優・中村芝翫をはじめ俳優・松下由樹、三浦涼介、朝月希和、井上小百合、大野拓朗、村田雄浩、演出を担当する井上尊晶氏が出席した。
芝翫と井上氏がタッグを組んできたシェイクスピア劇シリーズの第3弾。シェイクスピア四大悲劇の中で最高峰と称される『リア王』は、老境にあるリア王が3人の娘のうち自分を最も愛するものに国土を分割して分け与えようとしたことから始まる悲劇を描いている。
芝翫はシェイクスピアシリーズを演じることへ「8年前シェイクスピアの『オセロ』で挑戦させて頂きまして、僕にとってはシェイクスピアは生涯無縁だと思っていました。ですが、10年前に中村芝翫を襲名したときに、橋之助時代にほかのお芝居でもお世話になったということで、『オセロ』をやらないかとお話を頂きまして、自分でもビックリする限りでございました。『オセロ』というのは、子供の時に観ていつかはやりたいと思っていまして、(松本)白鸚さん、ニ代目・松緑さんの舞台も拝見していていつかは……と思っていました。『夏の夜の夢』をやったときに、井上尊晶さんから『最後に「リア王」をやるといいよね』とおっしゃっていて、遠い遠いものとは思っていました」と、しみじみ。
続けて、「気がつけば60歳で、3人の息子がおります。今回は待望の娘が3人おりますので、(リア王の設定通り)老害を発揮しようと思っております。舞台に出させていただくのがは暑い盛りですいい作品を作りますのでどうぞよろしく」と、意気込んだ。
老いと孤独に翻弄されるリア王を演じる芝翫。そのリア王を会見中“老害”という言葉で表現しており、「年を取るとどれが本当か、どれが嘘かというのが分からなくなるんです。昔のおじさんたちは機嫌が悪かったなっていうのが良きにしろ悪きにしろいましたね。悪気がないけど、いつも機嫌が悪くて怒っているような感じで。肉体が老いてくることへのジレンマでしたり、人間は老いに、死に向かっていくことが一番の恐怖なのではないかと感じているんです」と、その胸中を察する様子も。
さらに、芝翫はリア王を演じるにあたり井上尊晶氏から「『激しく、いつでも怒っていてください』と言われています」とディレクションを受けているそうで、「言葉のぶつかり合いがありますが、ここまで罵倒し合うのかというくらいのことをしています」という。自身としては、「人生で人のことに対して大きな声を出して怒ったということがないんです。おけいこに入ったら、外は40度のジリジリする暑さの中なので、怒るのも嫌になるのではないか」と、怒りを表現することに不安もあることを告白していた。
また、井上尊晶氏は「ストレートプレイなので、マイクは使うつもりはありません」と方針を示すこともあった。
「巨大な物語をどうすればお客様にお渡しできるかなと思っております。僕たちみたいに定年の年を迎えて、どう若い人たちにバトンを渡していくかなどは人間のテーマではないかと思っています」と話していた。
舞台『リア王』は9月6日から9月22日まで新橋演舞場にて上演予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ




