“モリミュ”『憂国のモリアーティ』緋色の研究Op.チームとRepriseチーム開幕!公式レポート

“モリミュ”『憂国のモリアーティ』緋色の研究Op.チームとRepriseチーム開幕!公式レポート

Op.チーム

 “モリミュ”の通称でも親しまれているミュージカル『憂国のモリアーティ』(脚本・作詞・演出:西森英行)緋色の研究 Reprise Op.公演が東京・天王洲 銀河劇場でOp.公演が6月27日から、Reprise公演が6月28日から初演(Op.1)が上演となった。

 『憂国のモリアーティ』は漫画雑誌『ジャンプSQ.』(集英社)で2016年8月から構成/竹内良輔氏、漫画/三好輝氏により連載されている作品。コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』を原案に、ホームズの宿敵であるモリアーティ教授視点で再構築された物語。上流階級の人間達に支配され差別が蔓延し腐敗している19世紀末の『大英帝国』を舞台に、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとするモリアーティと、宿敵ホームズの戦いを中心に描く。2019年5月にシリーズの初演がされ、以降人気シリーズとなる。原作連載10周年を迎える2026年は、シリーズの原点である「始まりの物語」、Op.1を 『緋色の研究 Reprise』 として、モリミュシリーズ初の2チーム体制で物語の原点を描き出している。

 開幕にあたりW主演の鈴木勝吾、平野良をはじめ、 Op.チーム、 Repriseチームからキャスト8名のオフィシャルコメントと、舞台写真、ゲネプロレポートが公開となった。

 ■オフィシャルコメント
 ◯ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ:鈴木勝吾
 俳優、スタッフが自分の責任を必死に、それこそ様々なことを乗り越えて、抱えながらも信頼のもとに毎日稽古場に集い、創っていた印象があります。その「信頼の意味」をきちんと再確認した稽古場であったなと、白も黒も清濁併せて表現に昇華する心持ちです。約一ヶ月にわたるロングラン公演となる本作は、公演期間内でOp.チームとRepriseチーム、どちらも楽しんでいただくことができます。劇場でお客様の生きた目に何色の景色が映るのか、何がそこに在るのか。そして我々は何を届けることができるのか。覚悟と共に、毎日公演をしていきたいと思います。お客様におかれましても、集っていただいた劇場です。必死に届け続けたいと思います。

 ◯シャーロック・ホームズ:平野良
 いつも、ミュージカル『憂国のモリアーティ』を応援していただきありがとうございます。7年目にして、原点に戻る今作。しかしながら人生と同じく螺旋階段のようで、似たような景色ではありますが、全くの別世界になったと思います。そんな本作で、懐かしさと新しさを紡いでいきたいです。東京公演のみでいつもより期間が長く、2チーム制に新曲にと、新たな試みが詰まった今作。何といっても見どころのひとつである2チーム制においては、感情の通り方や、果ては物語の通っていく道順まで、異なって見える面白さがあります。私自身も二人のジョンをはじめ、レストレード、ホープと、毎公演新鮮にその場を生きなければと思っています。たくさんの方に愛されるよう、稽古場ではチームみんなで向き合ってまいりました。いつもと変わらずいい『モリミュ』を、そして新たないい『モリミュ』を、お届けいたします。

 ◯アルバート・ジェームズ・モリアーティ(Op.チーム):久保田秀敏
 広く険しい大海原を進んできたこの船は、未だ航海の真っ只中。辿り着く先が平穏で平等な世界の景色であることを願い、千穐楽まで帆を高々と掲げ進みます。そんな今作は、初演の再演というわけではなく、新たにリプロダクトされた新作です。2チーム制という点も見どころの一つ。ぜひ二つの物語をお楽しみください。最後に、銀河劇場という素晴らしい方舟にご乗船いただき、ありがとうございます。眼前に広がる素晴らしいショーの数々をご体感ください。それでは素敵な旅を。

 ◯アルバート・ジェームズ・モリアーティ(Repriseチーム):泰江和明
 再演という形で創り上げる今回の稽古は、今まで『モリミュ』をやって来た方々の想い、そして新しく入った僕たちの想いを、舞台上でぶつけ合う日々だったと思うので、それがどうなるのか今は楽しみでいっぱいです。これまでの強い想いが重なった、重厚感のあるOp.チーム。これまでの作品にリスペクトを持ちつつも、今、僕たちが入った意味を考えて役に向き合って来た、新しい化学反応を見せられるRepriseチーム。お客様にはぜひ新『モリミュ』を楽しんでいただけたら幸いです。いよいよ開幕!僕にできることは、一つ一つの公演に向き合って大切に届けること。新しくなった『モリミュ』、そして、アルバートを楽しんでいただけたら幸いです。劇場でお会いしましょう。

 ◯ルイス・ジェームズ・モリアーティ(Op.チーム) :山本一慶
 7年前の作品を再びやるという感覚より、新たな作品への取り組みとして、とても新鮮に感じています。お客様にも新たな楽しみをお届けできるよう、頑張ります。見どころになるのは、タイトル通りシャーロックの事件!その裏にウィリアムがいる構図が、僕は昔から大好きです。改めて、またこの作品の一員になれたことを、心から感謝しています。皆様にも7年の時を経て、この始まりの物語を新たな気持ちで楽しんでいただけたらと思います。

 ◯ルイス・ジェームズ・モリアーティ(Repriseチーム) :百名ヒロキ
 今回の公演は、初演から作品を愛してくださっている方はもちろん、今回初めて『モリミュ』をご覧になる方にも、楽しんでいただける作品になっています。Repriseだからこそ描ける人物たちの関係性やそれぞれの信念も、より深く感じられるはずです。楽曲やドラマの熱量もさらに磨き上げられていますので、ぜひ細かな感情の動きまで楽しんでいただけたら嬉しいです。僕自身としては、いよいよ皆様にお届けできることへの期待で胸がいっぱいです。早く劇場でこの熱量を感じていただきたい!という気持ちが強くなっています。本番でもルイスとして、新たな発見がたくさんあると思うので、毎日刺激を受けながら『モリミュ』の世界を生き抜いていきます。最後に、いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。カンパニー一同、心を込めてこの作品をお届けします。劇場でしか味わえないミュージカルの魅力と、『憂国のモリアーティ』の世界を存分に楽しんでいただけたら嬉しいです。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 ◯ジョン・H・ワトソン(Op.チーム) :鎌苅健太
 大切な懐かしさと新しい場所への挑戦との気持ちが入り混じり、とても心踊った稽古でした!幕開けが楽しみです。今回は見どころだらけ!めちゃくちゃパワーアップしています。2チーム制ということで、お互い外から見ることが出来る時間もたくさんあったので、それぞれのチームの個性や絆が見られて、とても良かったです!アンサンブルチームの活躍も必見です!初演から7年。『モリミュ』がまた新しいステージに向かいます。大期待してどうぞ浴びてください。僕も劇場で皆様と一緒に『モリミュ』の世界が創れる幸せを噛み締めます。

 ◯ジョン・H・ワトソン(Repriseチーム) :橋本真一
 『モリミュ』を『モリミュ』たらしめてきたOp.チーム。『モリミュ』が『モリミュ』で在れるよう、もがきながら新たな風を吹かせたRepriseチーム。二色のモリミュを届けることに、高揚感と少しの程よい緊張感を感じています。見どころとなるのは、ウィリアムとシャーロックという、非現実的とも言えるほどの圧倒的天才ふたりの存在を、この世に顕現させていること。僕はそこに役者の凄さや演劇の可能性を感じています。Op.チーム、前回からのRepriseチーム、そして今回からの新キャスト。それぞれの良さを持って混ざり合っている今作は、『モリミュ』の歴史の中でも突出して、新鮮さや新しい発見を感じる作品になると思います。『モリミュ』が積み上げてきた歴史の上で、新しい『モリミュ』の魅力を感じてもらえるよう、僕も精一杯努めます。

“モリミュ”『憂国のモリアーティ』緋色の研究Op.チームとRepriseチーム開幕!公式レポート1

Op.チーム

 ■以下、Op.チームゲネプロレポート。
 2019年に上演された初演「ミュージカル『憂国のモリアーティ』緋色の研究」を、2チーム制で再構築する『緋色の研究Reprise』。6月27日(土)には、まず初演キャストが多数集結したOp.チームが初日を迎えた。舞台は幕が開けるや、モリアーティ陣営とシャーロックが、それぞれに貴族の悪逆を暴くさまが交錯。観客は冒頭だけで早くも“再構築”を目の当たりにしながら、メインテーマ『憂国のモリアーティ』で、階級制度がはびこる19世紀の大英帝国へと誘われていく。

 今回の物語は全四楽章。第一楽章、ジェームズ・モリアーティ三兄弟が住居を構えたダラムでは、人々がダブリン男爵による不当な搾取に喘いでいた。この悪徳貴族に裁きを下すウィリアムを、鈴木勝吾は伸びやかかつ凛とした歌声で表現。不平等な世界を正そうと心に誓う天才は、どこか憂いと人間味が滲み出る。そんなウィリアムと心を同じくするアルバートは、ダブリンとのやり取りを一目見るだけで、生まれながらに貴族であるのが分かる気品と、腹の読めなさを内包する人物。アルバートはソロ曲のトップバッターも飾っており、久保田秀敏がウィリアムへの深い想いを歌に乗せ紡ぐ。本章終盤、『三兄弟の秘密』で美しい兄弟愛が語られるのに対して、非道であり続けたダブリンの貫禄は、熟達した吉田英成だから出せるものだろう。

 諸悪の元凶を滅ぼすべく、ロンドンを犯罪都市に仕立て上げると宣言するウィリアムは、第二楽章で残虐な“人狩り”を繰り返すエンダース伯爵をターゲットに。計画のために乗船したノアティック号で、シャーロックと運命の出会いを果たすこととなる。謎に飢える日々を送っていたシャーロックとしても、自分と同レベルの天才に出会い、胸が高鳴るばかり。初演から鈴木と共に『モリミュ』の屋台骨を担ってきた平野良は、シャーロックの変化を巧みに表現してくれる。またふたりがここで繰り広げる“推理合戦”は、初演の名曲に新たなエッセンスを加え“再構築”したものに。運命の相手に抱く、ふたりの素直な胸の内にも注目だ。

 エンダースがモリアーティ陣営に追い詰められていく第三楽章は、初演より焦燥感がアップ。エンダースの滲み出る邪悪さを、小南光司が怪演で魅せた。またモリアーティ陣営では、ルイスとフレッドが、計画から逸脱してまで人助けを行うか否かで衝突。ここで山本一慶演じるルイスの、兄ウィリアムに抱く狂おしいほど熱い想いがあらわとなる。ルイスとウィリアムの心が重なるデュエットは、名シーンのひとつと言えるだろう。またこの場面では、年下ふたりを仲裁し、戦闘でも先陣を切る、佐々木崇扮するモランの頼もしさも光る。

 第四楽章で満を持して登場するのは、シャーロックの相棒となるジョンだ。221Bのルームメイト候補として現れたジョンは、演じる鎌苅健太の手腕によって、瞬く間にシャーロックと打ち解けてしまう。生の芝居を随所に挟み込み、観客を和ませるジョンには、もはや安心感と懐かしさがあった。そんなふたりの大家を務めるのが、七木奏音演じる紅一点のハドソン。酒場でシャーロックについてジョンに語りながら、「酔ってなんてないんだから」とチャーミングな新曲を披露する。アンサンブルと呼吸を合わせた一コマは、劇場の笑いを誘い、心をほぐしてくれた。

 最後にシャーロックがジョンと挑むのは、ウィリアムが裏で糸を引く貴族殺しだ。協力役はもちろん、髙木俊演じるレストレード警部。いつものごとくシャーロックに絆され丸め込まれるだけでなく、少しキザに泥臭くブルースを熱唱するという、過去シリーズを踏襲した新曲で観客の心を掴む。そんなホームズ陣営を混乱に落とし入れるのは、変装の名人で体術にも長けたフレッド。『モリミュ』初参加の宮島優心は普段の華を隠し、黒子に徹しながら、フレッドの人柄を映し出すかのようなまっすぐな歌声を響かせる。

 ウィリアムが裏で糸を引くなか、シャーロック、ジョン、愛する者を貴族に殺された男・ホープのやり取りが激化、クライマックスに向かっていく。シャーロックとジョンの関係がもう一段階深まる傍らで、伊藤裕一によるホープの慟哭が胸を打った。

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Repriseチーム

 ■以下、Repriseチーム ゲネプロレポート。
 三兄弟の秘密が明かされる「ダブリン篇」、ノアティック号船内で完全犯罪が展開する「エンダース篇」、そしてウィリアムがシャーロックの適性を“オーディション”審査する「ホープ篇」と、大きく3つの事件が綴られる本作。全3楽章で構成されていた初演から、今作では幕間を挟む「エンダース篇」を分け全4楽章とし、曲数も35曲にアップ。メインキャストのソロは13曲が披露される。なかには歌詞やメロディに、過去シリーズの『モリミュ』エッセンスが散りばめられているものも。ぜひ細部にまで耳を澄ましてほしい。

 Op.チームに続いて、6月28日(日)にはRepriseチームが初日の舞台に立った。今作よりカンパニーに加わったアルバート役・泰江和明は、20代にして伯爵家当主の年齢感はそのままに、弟たちや仲間への慈愛が、さりげない所作から垣間見える。そんな兄たちに対し、百名ヒロキ演じる末弟ルイスは、私情を抑え影に徹し続ける人物。だからこそ、兄への想いが溢れ出すウィリアムとのデュエットでは、普段とのギャップに惹き付けられる。Repriseチームの三兄弟は声のトーンが近く、長尺にして初演の名曲『三兄弟の秘密』ではその美しいハーモニーが堪能できる。

 モリアーティ陣営ならではの見どころに挙げられるアクションシーンは、モランの存在が欠かせない。前作からカンパニーに加わった佐々木崇は、Repriseチームでも187cmの長身で流麗に舞い、低音でも仲間を支える。また軽快な身のこなしで暗躍するフレッド役には、新顔となる新谷聖司が担当。人の痛みを感じ取れる心の揺らぎに、モリアーティ陣営における最年少らしさが重なる。

 対するホームズ陣営では、シャーロックが名推理を展開すれば、ジョンはそれに心から感動し、嬉しそうな声色に。そんな眩しいほどの純粋さは、橋本真一が演じるジョンならではのきらめきだろう。大家としてふたりを見守る紅一点のハドソンは、Op.チーム同様、七木奏音が演じる。初演の名場面でもあった、シャーロックのルームメイトオーディションでは、全身全霊で客席の笑いを掻っ攫っていた。さらにシャーロックの味方として動くレストレード役は伊藤裕一。Op.チームのホープ役から一転、シャーロックの能力を買っているのが分かる警部像で、ひとりブルースを歌う姿には、苦労人な自分に酔いしれてもいるような、熱血漢な一面を覗かせた。

 一方、今回大きなギャップで驚かされたのが、3つ目の事件で登場するホープ役・髙木俊だ。『モリミュ』シリーズで愛されてきた髙木は、いぶし銀で憎めない警部から一変、恋人を失った御者の悲しみで、観客の涙を誘う。

 貴族であることを盾に、労働者階級に非道を働くエンダース伯爵を演じるのは内藤光佑。顔立ちは綺麗だが、一度キレたら手が付けられない彼が追い詰められていく様は、鬼気迫るものがある。

 労働者階級の人々をはじめ、メインキャストに引けを取らないアンサンブル陣の熱演と歌声は、今作でも健在。そして『モリミュ』を『モリミュ』たらしめる、Pianoの境田桃子、Violinの林周雅の演奏にも耳を澄ませたい。

 Repriseチームの大黒柱となるのは、やはりW主演のふたり。初演から共に歩み続けてきた鈴木と平野は今回、Op.チーム、Repriseチームの全公演に出演する。己が罪を背負うこともいとわず、悪の道を突き進むウィリアムの高潔で少し危うい人物像が、鈴木の凛とした歌声によって見えてくる。そんな天才に並び立つ天才・シャーロックは、まくし立てるようなスピーディなセリフ回しも圧巻で、これは平野以外に務まらないだろう。両陣営のキャストが変わることで、ふたりの芝居や掛け合いに起こる“ナマ”の変化をお楽しみに。

 “再構築”された『モリミュ』の音楽は、7月19日(日)まで東京・銀河劇場で上演中。原作連載10周年記念公演にふさわしい、Op.チームとRepriseチームの豪華競演を、ぜひ劇場で体験してほしい。

 ※記事内写真は(c)三好 輝/集英社 (c)ミュージカル『憂国のモリアーティ』プロジェクト

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