俳優・佐藤二朗が3月13日に東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで開催された『第49回 日本アカデミー賞』授賞式で最優秀助演男優賞を受賞した。
佐藤は山田裕貴主演の映画『爆弾』に出演。警察を翻弄する不気味な連続爆破事件の被疑者・スズキタゴサク役を怪演した。
優秀助演男優賞を受賞した5人とのトークでは作品のことを尋ねられ、「びっくりするぐらい、小太りでメタボで中日ドラゴンズファン。それに(東京)野方の警察署という設定ですが、僕が最初に住んだ町が野方、運命的なものを感じました」と振り返る。
これに同作で優秀主演男優賞を受賞した山田が、「二朗さんがタゴサクというキャラクターを演じられて、そこに存在している感じがものすごかったです。お芝居に感じない領域というか、タゴサクが生きているんじゃないかと。謎めいた被疑者ですけど憶測をを理解していないと、二朗さんの心の奥底を見つめいたと思っていましたし、人間としても俳優としても恐ろしい存在だな感じました」と絶賛。これに佐藤もニンマリしながら、「褒められるの大好きなので、明後日くらいまで褒めてくれていいよ」というと、山田は「全然喋りますよ!」と乗り気になり、佐藤は逆にその前のめりに苦笑いだった。
そして佐藤が最優秀助演男優賞を受賞したことが発表。隣に座っていた山田が何度も何度も佐藤の肩を叩き喜ぶ姿が。一方、感極まった佐藤は何度も顔を手でぬぐう様子を見せながらステージに立ち、プレゼンターの大沢たかおと握手を交わした。以下、スピーチ全文。
これ……これは泣くなあ。もちろん『爆弾』チームのみんなにもう本当に感謝。お一人お一人に感謝。この場与えてくれて感謝。
なんだけど、ちょっと個人的なこと言うと、正直僕ここ最近日本映画をあんまり見てなくて。その理由はとっても恥ずかしいものなんです。あの……僕が嫉妬を感じるからです。僕が悔しいと思うから。
でも、去年初めてこの『日本アカデミー賞』に出席して、そしたら綾野剛が、安藤サクラが、石原さとみが、満島ひかりが、山田孝之がみんな日本映画応援してるなって思ったんですね。そのとき、役所広司さんは、去年新人賞をおとりになったみなさまに、「大丈夫、みんなあなたたちの味方です」って言ったんです……僕はもうその場にいるのも恥ずかしくなって、なんつーケツの小さい男なんだって僕は思って。
それから今日まで、1年、本当に毎日のようにたくさんの日本映画を見ました。偉大な先輩の昭和の日本映画や、最近の日本映画、今の日本映画、たくさん見ました。なんて戦う価値がある場所なんだろって心から思いました。素晴らしい日本映画が山ほどあった。だから僕、今ここに立ててですね……今夜は、とてもいい気分です。『爆弾』チームのみんな、『爆弾』チームではないけれど、ここにいらっしゃるすべてのみなさま。日本映画に携わるすべての皆様。日本映画を愛して日本映画を見てくれる全てのみなさま。まあ愛してるってほどではないけれど、たまに日本映画見るぜってすべてのみなさま。みんな、愛してるぜ!いい夜だ!!ありがとう!!!
以上
このスピーチを瞳を潤ませながら聴いていた山田。佐藤が席に戻ると山田は再び、何度も佐藤の肩を叩いていたが、何度も叩くうちに落涙し、2人で肩を組んで、ともに涙をぬぐう。場内のカメラも次の賞の発表の転換中、ずっと2人を映し続けていた。
文:水華舞
※記事内写真は(c)日本アカデミー賞協会



