有村架純 柳楽優弥と三浦春馬さんの撮影現場での性格の違い語る……黒崎博監督と3人で春馬さんへの思いで「自分たちの仕事・役目は想像力を届けることだ」

有村架純 柳楽優弥と三浦春馬さんの撮影現場での性格の違い語る……黒崎博監督と3人で春馬さんへの思いで「自分たちの仕事・役目は想像力を届けることだ」6

 俳優・柳楽優弥(31)、有村架純(28)が6日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで『映画 太陽の子』(監督:黒崎博/配給:イオンエンターテイメント)公開初日舞台あいさつを黒崎監督とともに開いた。

 太平洋戦争末期に存在した「F研究」と呼ばれる日本の原爆開発の事実が入った作品で、軍の密命を受けて研究した京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽)らの青春を通して描いている。修の幼馴染・世津役を有村、修の弟・裕之役を三浦春馬さんが演じている。

 ノータイのダブルのジャケット姿の「2年前に撮影を行ってお届けできて嬉しく思います」と、感慨深げで有村も「2年前に撮影していて、公開するまであっという間だなと思って」と言いつつ、今日8月6日が広島に原子爆弾が投下されてから76年を迎えた日であることを踏まえ「今日この日が、広島に原爆が落とされた日で、そんな日にこの映画を公開できることがとても意味のある日になったなと思います」と、胸の内を語った。

 撮影中のエピソードへ柳楽は「たくさん思い出があるんです。(春馬さん、有村と)3人で食事にいったり、距離感が役柄に似ている感じがいして。すごく印象に残って、たくさん話しましたね」と、有村と2人うなずくことに。

 春馬さんとのシーンでも印象的だったシーンがあるといいそれが2人で川沿いを走るシーンだったという。柳楽は「春馬くんの体力がすごくタフで、僕がなかなか追いつけなかったというのがキャラクターとリンクして、僕は好きなシーンです」と、振り返ったり、俳優・田中裕子演じる母親・石村フミが春馬さん演じる裕之を送り出し、その姿を修が見守るシーンへは、「裕子さんもそうですが春馬くんの雰囲気も素晴らしいなと思って観ていました」と、しみじみと話した。

 一方、有村は現場自体は「みなさんとても温かい方たちばかりで、穏やかな雰囲気のなかで撮影が進んでいた印象があって」と、雰囲気を語るとともに、柳楽については「現場で一緒に過ごしていて思ったのが、周りを巻き込む力がすごく強いなと思って。自ら能動的に動いてというより、そこにいるだけdえ、周りが引っ張られていく、柳楽さんの中心に吸い込まれていく感じで」と評し、柳楽もこれには笑顔。

 続けて、春馬さんについて有村は「春馬さんは、現場にあるいろんな個性の空気を調合して、また新しいものを作ってくれる雰囲気を感じました。たぶん春馬さんは、どんなところに行っても、みんなが気持ちよく、場が流れていくというか。そういう空気を作れる役者さんだなということを一緒にお芝居していてて感じました」と、振り返り、「柳楽さん、春馬さん2人とも、とっても素敵な役者さんだなと思いました」と、まとめていた。

 ほかにも、有村は海の撮影の際にロケ地に「すごく大きな蜂の巣があって、カメラで映る場所ではなかったんですけど」と、淡々と話していたが、柳楽からすると「砂の中から蜂が出てきて飛んでくるような感じで」と、危険を感じたそうで、結果、スタッフが懸命に巣を駆除したという思い出もあったのだとか。

 そんな始まりだった海のシーンの撮影だが、有村は「ここは戦時中ということを忘れて3人が子供に返ったような気持ちで過ごす時間という重要なシーンなんです。ですが、(柳楽、春馬さんともに)すでに空気感が出ていて、アドリブもやり取りの中で結構あって、それはとても印象に残っていますね」と、演技の話しをしていた。

 最後に、有村から、「この作品においてはたくさんの伝えたいメッセージがあって、戦時下の話ではありますけれど、当時を生きた若者たちが、未来を作るために懸命に生き抜いていくという青春のお話でもあって、未来というのは正直先行きが不透明で、なかなか考えるのもちょっと疲労してしまうというかな状況だと思いますけど、そこで考えることをあきらめるのは 私としては心苦しいと思うんです。春馬さんもよくおっしゃっていた、『自分たちの仕事・役目は想像力を届けることだ』ということを、あらためて自分も、みなさんにも、一緒に考えていけたら1番嬉しいなと思います」と語る。

 柳楽は、「この映画があるということは、僕も大事だなと感じます。きょうは広島で行われた平和記念式典で、小学生のスピーチがとても印象に残ったんです。『本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと』と、おっしゃっていて、すごく印象的でした。それは対個人に対しても、対歴史に対しても。忘れていくということが1番怖いなときょう感じました。こうして映画を通して、みなさんに伝えられているのはあらためて、平和への第一歩なのかなと思いました」と、感じたことを伝える。

 そして黒崎監督からは、「全然語りきれませんが、この難しいテーマをはらんだ作品ですが、敵と味方の話ではなくて、それを超えたところで、人間みんなを問題とした映画として見てもらいたい映画にしたいと思って日米合作ということもそうです。こうしてここに立っていて正直に申しますと……足りないじゃないかって思います。なんで春馬くんがここに居ないんだろうって……それは、悔しすぎるという思いもあるんですね、正直。このことを僕たちはコメントするのがとても難しくて、でも、きょうはそれをお伝えしたいなと思って、すごく悔しい気持ちもあるんですけど、ただ、観て頂いたみなさんに感じて頂けたら嬉しいのは、本当にこのスクリーンの中に、一緒に走りきったその姿は、完全に残っていて、今でもこうして話していて、リアルタイムにお互いを感じながら話をすることができるというのは、すごいことだな、すごく幸せだなと思いました。とにかく、柳楽くんも、有村さんも、春馬くんも、ほかのキャストも、みんなで言いたかったのはどんな難しい状況でも、生きて生きて生き抜くしかないという馬鹿みたいなストレートなメッセージだけは、少しでもみなさまに残ると嬉しいと思っています。きょうはありがとうございました」と、思いの丈をスピーチしていた。

 『映画 太陽の子』は全国公開中。

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