大手回転寿司チェーン・くら寿司の社内コンテスト『KURA-No.1 GRAND PRIX 2026』が7月31日に大阪府内で開催。表彰も行われ個人賞や優勝店舗などが表彰された。
外食産業では現在、求職者に対して求人数が約2倍となる「売り手市場」にあるといい、人材確保や定着が大きな課題となっている。そこでくら寿司では「ここで働きたい」と思える職場環境の整備や従業員の定着率向上をはかっており、本社内コンテスト『KURA-No.1 GRAND PRIX』(くらワン グランプリ)は、社内研修の一環となっている。
2022年より実施しており、第5回となる今回。昨年に引き続き、日本・米国・台湾から選抜。今回は日本からは551店舗、アメリカからは94店舗、台湾からは63店舗の計708店舗のなかから、予選をくぐりぬけた全12店舗が会場に集結した。
コンテストでは、12店舗からそれぞれ1人ずつ『にぎり製造部門』『ぐんかん製造部門』『ネタ切り部門』『デザート部門』『総合部門』に出場し、その結果をそれぞれポイント化。ポイント獲得数が多いTOP3の店舗が決勝戦へ進むという方式。マニュアルに沿った商品作成を行いながら、スピード・正確性・見た目の美しさなどがポイント化される。
場内となった会議室には審査員スタッフ、出場選手、サポートスタッフ含め約150人が集まり熱気を放つ。学校の運動会のように選手宣誓が行われたり、昨年の優勝店舗の町田店のトロフィーの返還、さらには各店舗の応援動画メッセージもあったりと、“これからイベントが始まる!”というワクワク感あふれる雰囲気が場内には漂った。
勝負の特徴として、会場に4台用意された調理台に選手が立ち一斉にヨーイドンでスタート……するのではなく、1選手ごとに時間を1分近くずらして行われる。このずらしている理由としては、一斉スタートとなった場合、ほかの選手が完成すると拍手などで完成タイミングが分かってしまい、競技を続けている選手のモチベーションに影響してしまうことや、本コンテストがスピードだけではなく正確性・見た目の美しさも影響することから公平性をより重視したルールで行われる。また、罰則としてはシャリを落としてしまった場合は自分で清掃する必要がありそれもタイムに含まれる。
そんな説明の後に、いよいよ『にぎり製造部門』予選からスタート。
先程の和気あいあいとした雰囲気から一転、一気に場内は静まり緊張感が走る。『にぎり製造部門』予選は、まぐろ3皿、えび1皿、いか2皿、サーモン3皿、たまご1皿の計10皿を仕上げるというもの。選手の中には初の大会出場に手がふるえ、いつもの調子が出ていそうにない選手も見受けられ、これがコンテストだと感じられるような瞬間も。1分20秒から2分ほどの間のどれも早業でお寿司を仕上げていった。
『ぐんかん製造部門』予選ではいくら軍艦を3皿、ねぎとろ軍艦を3皿、いなりを2皿の計8皿を仕上げる。各選手苦心する場所が違っており、いくらの量で何度も試行錯誤をしたりねぎとろの量で同じく試行錯誤する方がいたりと、個性が伺えるものに。
『ネタ切り部門』予選ではアメリカのチームでマイ包丁にて参戦したダニエル・リー氏に話を聞くと「いつもとは違って緊張で手が震えることがあって最初の2、3切れが難しかったです。でもそこを超えてからはいつも通りできたと思います」と充実の表情。アメリカで日本の料理を学び18年というキャリアを持つリー氏だが、来日は初めてなのだとか。本イベントまでの数日、来日しての日本のスタッフとの交流などにより「日本語を少しずつ覚えていて楽しいです」とニッコリ。ちなみに、日本の夏は暑くないか尋ねたところ「Very Hot!」と苦笑いだったが、「また“くらワン グランプリに参加できるならぜひしたいです!」と、選手としての再来日を誓っていた。
抹茶どらやきパフェを作る『デザート部門』予選を経て、これまでの4部門で作ったものを1人で手掛ける『総合部門』予選まで行われ約4時間ほどで予選が終了。その間に、隣接するくら寿司 東貝塚店内で『接客部門』の審査も開催。こちらは客が食べ終わって会計へ進むまでの間の接客オペレーションを見るというものとなった。
また、選手が握り終わった後に作業台を元の状態に整えるスタッフたちも奮闘。こちらは分業となり、冷蔵庫にネタを補充するスタッフ、皿を補充するスタッフ、調理台を清掃するスタッフが代わる代わるに作業しており、カーレースなどのピット作業のような連携を見せており、2分もかからない時間で作業台を元通りにするとともに次の審査に必要な用意も終える早業を見せていた。
決勝へは306.2点を獲得し3位となった城東今福店、314.45点を獲得し2位となった千葉駅前店、325.075点を獲得し1位となった台湾①チームが駒を進め、発表された瞬間にその店舗スタッフは喜びを爆発させていた。
決勝戦はこれまでの部門に出場した選手が再び同じ部門に登場するが、予選よりも量が増えていることが特徴。さらに、『デザート部門』は一風変わっている。その店舗の代表者によるくじ引きが事前に行われ、そこで引いた番号のデザートを作るというルール。引いた3品どれもくら寿司内試作のもので、今後店頭に並ぶ可能性のあるものだが、この勝負の時点では開発部署以外誰もレシピを知らず事前の対策ができない。純粋なレシピの読み解きと、作業の正確さが問われる展開となり、この発表に場内がざわめくものとなっていた。
そんな激戦が1時間ほど行われいよいよ結果発表。
●『接客コンテスト モデル店』
盛岡南店
●個人賞
◯銅賞
広島紙屋町店・松江優子氏
◯銀賞
平井店・継岩瞳氏
◯金賞
仙台中野栄店・小野寺方子氏
●『にぎり製造部門』
千葉駅前店・大橋怜奈氏(70.6ポイント)
●『ぐんかん製造部門』
台湾①チーム・劉景恩氏(59.0ポイント)
●『ネタ切り部門』
本部チーム・モッ モッ ルイン氏(84.0ポイント)
●『デザート部門』
千葉駅前店・長岡多美代氏(64.7ポイント)
●『総合部門』
千葉駅前店・市原梢氏(65.2ポイント)
●3位
千葉駅前店(846.5ポイント)
●2位
台湾①チーム(852.4ポイント)
●1位
城東今福店(894.6ポイント)
終了後、城東今福店の方々に祝福を伝えると滝野幸氏は「4回目でやっと獲れたなって感じがしています」と、これまでのチャレンジが実を結んだとしみじみ話す。會田絵美氏は「すっごい緊張したんですけど、やるれることはやりきれたと思います」と充実感をにじませた。
さらに滝野氏は、「みんな自分が持っている力を発揮できたから1位になれたと思っています」と、仲間たちの奮闘を称える。さらに滝野氏に本大会へ向けてしたことを尋ねると、特別なことをというより「見た目のきれいさだったり、お客さまに向けてと心がけて作っています」と、日々の姿勢のことを話していた。
そんな店員たちの喜ぶ姿を見ていた竹内萌江子店長は「店長としてみなさんが評価されていて嬉しい気持ちでいっぱいです」とニッコリだった。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ





















































