ラッパーでシンガー・ちゃんみなが6月2日に東京・新宿ピカデリーで映画『か「」く「」し「」ご「」と「』(監督:中川駿/配給:松竹)公開後イベントにサプライズ出演。W主演の俳優・奥平大兼、出口夏希、中川監督と初対面を果たした。
作家・住野よる氏の同名小説で“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”男女5人の青春ラブストーリー。引っ込み思案で自分に自信の持てない主人公・京役を奥平。底抜けに明るい性格でヒロインよりもヒーローになりたいと願う・三木直子(通称ミッキー)役を出口。体育会系でいつも明るく笑顔な人気者・高崎博文(通称ヅカ)役を佐野晶哉。予測不能な言動でいつもマイペースな黒田文(通称パラ)役に菊池日菜子。内気で控えめな性格で、ある日突然学校に来なくなる宮里望愛(通称エル)役に早瀬憩が演じる。
まずは奥平、出口、中川監督が登壇。奥平は本舞台あいさつでキャスト稼働はこれが最後と話し、寂しがる様子を見せたり、話題になっているという原作にもないラストシーンの解説などをして盛り上がる様子も。
イベント中盤にちゃんみながサプライズ登壇が告げられ、場内にはどよめきが。ほかの登壇者も取り入れている作品のカラーのブルーを取り入れた装いで現れると「誰も(自身が登壇することを)知らなかったみたいでスパイみたいに入ってきて」と、お茶目全開のあいさつ。さらには、「普段はライブばっかりなので、こんなに静かな舞台があることに驚いています。声は出さない系?」と観客たちをあおると、コール&レスポンスが始まりちゃんみなは満足げな笑みを浮かべる様子も。
本作主題歌で書き下ろし楽曲『I hate this love song』を担当。同楽曲はちゃんみな自身の初恋が書かれた甘酸っぱくてほろ苦い一曲に仕上がっている。その楽曲づくりとして、「10年くらい前に作ってた曲なんです。サビ以外を替えて、今回用に作り直したんです。私の初恋を描いた作品なのでそういう映像も頂いて、あの曲ならと思って、バーっと書き直しました」という。
その初恋の話も深堀りされ、ちゃんみなは、「あらためて初恋のことを思い出したんですよ。その当時のノートを見たんですけど、初恋の人との初デートが映画館だったんです。その時は付き合うとかというところではなかったんですけど、映画館の席で座っているときに、手を繋いできて」と披露して、黄色い声があがることも。
そんなちゃんみなだが、「悔しかったんです!あの終わり方!最後まで“かくしごと”するの!?って」と作品のエンディングに納得がいかない部分があったのだとか。そのため、「歌でその後みたいなことをフォローさせて頂きました」という歌詞になっているそうだ。
ちゃんみなにとって初の映画主題歌となるそうだが、自身としては「ちゃんみなってアーティストはとくに“ラブストーリーを任せるのは怖いだろ”と、言うのでお話がなかなか来なかったんです。でも、プロデューサーさんが親交がある方で、最初とくに主題歌を考えてないみたいな感じだったんです」というところから、決まったそう。さらに、いつ主題歌のオファーがあったのかへ、「今年の2月くらいにお話を頂いて、それで2月末納品と言われて」と、脅威の納品タイミングに場内は再びどよめきが起こっていた。
さらに、「この映画を観た後に“告っちゃえ”って思うんです!カップルとか、友達以上になりたいなと思う人とか、最近は口はきいてないけど愛し合ってるぞ!っていう御夫婦とか」とおすすめしたところで、クスリと笑い声があがり、ちゃんみなは「何笑ってるんですか(笑)!私は本気ですよ!」とライブでならしたツッコミを交えつつ、「そういう方のきっかけになればと思います。あなたたちの幸せを応援してます!」と、力強いエール。これに場内もどこか甘酸っぱい空気になり、出口がぱたぱたと顔をあおいで熱くなっていた。
そしてあらためてちゃんみなから「“告っちゃえよ”というのと、普段からプロデュース業をさせて頂いていて、大人になっていくに従って、何かを手に入れていくことが大人になることではなく、何かを捨てていくことが大人になっていくことではないかと思っているんです。結婚と出産をしまして生きていれば良いことがあるのかなって思っていて。一度行動に移して失敗みたいな結果になっても、いい形で戻ってくるということがあるんです。“生きていればいいことあるぞ”というので、とにかく生きていてほしいと思います。この映画を通じてもそういう勇気が出ればいいと思います」と、気持ちを伝えていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ