俳優・山口馬木也が3月15日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で『War Bride 2 奈緒と4人の戦争花嫁』舞台あいさつに登壇した。
終戦後、愛する人とともにアメリカへ渡った日本人女性たち――“戦争花嫁”と呼ばれた4人の女性の人生を、俳優・奈緒が現地に赴き直接聞き取る形で追ったドキュメンタリー。2023年の前作『War Bride 91 歳の戦争花嫁』に続く第2弾で、川嶋龍太郎監督がメガホンをとった。山口は舞台『WAR BRIDE』で桂子・ハーンの父親役を演じ、本作のナレーションも担当していることからゲストとなった。
この日舞台あいさつは2度行われ山口は2度目に登場した。以下、公式レポート部分。
川嶋監督は山口をナレーターに抜擢した理由について「ナレーションというのは基本的に天からの声だと思っています。桂子さんのお父さんを演じた方にやってもらうことで、一番説得力が出るんじゃないかと思ってお願いしました」と語った。山口もこれに応え、「舞台で父親役を演じた直後だったので、自分の娘を見ているような思いもありながらのナレーションでした」と振り返った。
山口は舞台の稽古期間中に桂子さんと実際にオンラインで言葉を交わす機会があったという。「上品ですごく強い方。でも、それ以上にチャーミングな方で、本当に神々しいなと思いました」。その際、山口が真っ先に聞いたのは、父親のことだったという。「娘を米兵と結婚させるということは、今後会えなくなるかもしれない。私にも娘がいますが、それは絶対に嫌だと思って。あの時代によく許したなと」。桂子さんによると、父親はアメリカの文化に強い関心を持つモダンな人物だったが、二つ返事で OK を出した真意は、娘の桂子さん自身にもわからなかったという。山口は「娘にもわからなかった、父親の葛藤があったのかもしれない。舞台ではそこを膨らませていただいた」と語った。
また、この作品に向き合うことで「愛する人を大切に思うこと、思いやり、平和ということに思いを馳せる時間がすごく多くなった。この映画は、そういったものに水をやって花を咲かせるような作品だと思っています」と山口は語った。
川嶋監督は、25年間ドラマのプロデューサーとして歩んできた中でこの作品を制作した経緯を「叔母が戦争花嫁だということを知って、10時間を超えるインタビューを重ねるうちに、1930年から今この瞬間まで地続きに生きてきた女性の“朝ドラ”だと思った。もしかしてこっちが自分の生業だったんじゃないかと感じています」と率直に語った。
山口は観客に向かって「皆さん、川嶋監督がこれまでどんな作品を手掛けてきたかご存知ですか?」と問いかけ、「『半沢直樹』や『下町ロケット』を手掛けたプロデューサーでもあるんです。あの作品群に共通して流れる熱量、人間の何かに訴えかける源泉みたいなものを、この映画の監督としての川嶋さんの中に見た気がした」と語ると、会場からは驚きの声が上がった。
さらに山口は川嶋監督に向かって「キュリー夫人やヘレン・ケラーの伝記と並ぶような、子どもたちが読める桂子さんの本も作ってほしい。僕としては、この作品が未来に繋がって欲しいという思いがある」と目を輝かせ、この物語が次世代に続くことを願った。
最後に川嶋監督は「戦争体験を直接聞けるのは、そんなに長くない。皆さんの身近にも1945年、50年当時を生きた方がいるかもしれない。ぜひその話を、何かの形で残していってほしい」と観客へ呼びかけ、会場は温かな拍手に包まれた。
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