『ザ・ベスト・オブ・山種コレクションⅠ-横山大観、竹内栖鳳から上村松園、速水御舟へ-』プレス内覧会が10月12日に東京・広尾の山種美術館で開かれた。
山種美術館では開館60周年記念特別展の第三弾として、コレクションの核である近代日本画の傑作が一堂に会する本展を10月10日から12月6日までの会期で開催。1800点あまりを所蔵する同館から、創始者の山崎種二が長年の夢であった美術館設立を決意した際、特別に購入を許されたという横山大観《心神》や小林古径《清姫》をはじめ、重要文化財に指定されている竹内栖鳳《班猫》と村上華岳《裸婦図》を筆頭に、上村松園《蛍》、川端龍子《鳴門》、土田麦僊《大原女》、福田平八郎《筍》をはじめ、コレクションのなかでも名品中の名品を厳選して展示する。
山﨑妙子館長から本展へ「ご存じのように現在、世界ではAIなどのテクノロジーが急速に発展し、人々のライフスタイルや価値観も多様化しています。しかし、そのような時代だからこそ、天然の岩絵具や金箔が織りなす日本画の本物の輝き、そして四季の移ろいや自然への畏敬の念を描き出す日本画の精神性は、人々の心に深い安らぎと感動をもたらすものと確信しております。当館は、「美術を通じた社会貢献」という創立者の理念を引き継ぎ、多くの方々が日本画に触れることで心豊かな時間を過ごしていただけますよう努めてまいります」と意気込みを話した。
続けて、明治学院大学教授・山種美術館学芸部顧問の山下裕二氏からは展覧会の解説をしていくことに。とくに竹内栖鳳の《斑猫》へ「モデルになった猫がいて、沼津の八百屋の店先にいた猫を見て、『徽宗皇帝が描いた猫だ』と言って、じっと見ていて、貰い受けて京都まで連れて帰ってポーズをとらせて描いた猫です。ポーズ取らせるために背中にハチミツ塗ったなんて話もあるんです」と、逸話も披露。
さらに、上村松園《蛍》へ「蚊帳を吊ろうとしていたときに『あら、蛍が来たわ』っていう、その一瞬を描いた作品なんです。これが実は喜多川歌麿を意識してるんですね。松園は一時期、歌麿を非常に集中的に勉強していた時期があるんです。それと足の指が随分長いのは曾我蕭白のこの美人図を見てるんじゃないかと私は思っています。もとは九鬼家という松園の京都の生家のすぐ近くにあった家の所蔵だった。だから確実に松園は、この曾我蕭白を見てて、この足の指が異様に長いイメージっていうのが反映してると僕は考えています」と、考えを披露した。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ











