藤ヶ谷太輔「そして僕は途方に暮れる」過酷ロケで「支障(笑)」

藤ヶ谷太輔「そして僕は途方に暮れる」過酷ロケで「支障(笑)」3

 “キスマイ”の愛称で親しまれるアイドルグループ『Kis-My-Ft2』の藤ヶ谷太輔(35)が28日、東京・角川シネマ有楽町で主演映画『そして僕は途方に暮れる』(脚本・監督:三浦大輔/配給:ハピネットファントム・スタジオ)東京国際映画祭 上映後舞台あいさつに、三浦監督とともに登壇した。

 本作は、2018年にシアターコクーンで藤ヶ谷主演で上演された同名オリジナル舞台を映画化したもの。藤ヶ谷演じる主人公のフリーター・菅原裕一(すがわら・ゆういち)がほんの些細なことから、恋人、親友、先輩や後輩、家族……と、あらゆる人間関係を断ち切っていく逃避劇を描いたもの。逃げて、逃げて、逃げ続けたその先で、彼を待ち受けていたものとは――。裕一と5年間同棲している彼女・里美役に前田敦子、親友・伸二役に中尾明慶が舞台版と同じ役柄で出演しており、豊川悦司、原田美枝子、香里奈、毎熊克哉、野村周平が起用されている。

 以下、公式レポート部分。

 ステージに登壇した藤ヶ谷は「撮影でいうと2年前とだいぶ前に撮ったので。やっとみなさんに観ていただくことになって。この映画をどう思われたのか気になります。いかがでしたでしょうか?」と問いかけると、会場からは大きな拍手が。

 さらに、今回、映画祭に初参加ということになり、「選んでいただいて光栄ですし、このチームでつらく苦しい撮影を乗り越えたので、本当にこの作品を選んでいただけたことは、チームとしてうれしいです」と、晴れやかな顔を見せた。

藤ヶ谷太輔「そして僕は途方に暮れる」過酷ロケで「支障(笑)」2

 藤ヶ谷にとって本作は6年ぶりの映画主演作となり、「あんな限界を迎えたことはない」と言わしめるほど、現場ではまさしく心身を削り撮影に挑んだ。「初日から逃げたいなと思いましたし、楽しい思い出は1つもありません」と、冗談めかして切り出した藤ヶ谷は「その瞬間、瞬間での監督のオッケーが違うので、そこに当てていくということと、テイク数ですよね。たとえば最後に振り返るシーンなどは、リハーサルも含めて100回はやったと思います。その時は監督が日本語の辞書にない言葉で振り返ってくださいと言うんですよね」とその苦労をしみじみと振り返った。

 本作では真冬のような寒さとなった北海道ロケなどをはじめ、肉体的にも精神的にも追い込まれるような日々だったという。「でもこの映画を初号試写で観た時は俯瞰(ふかん)で自分を見ることができなかったですけど、実際に自分がどんどん痩せていって。こけて、クマが出る感じも役とリンクするものがありましたし、いろんなものを監督から引き出していただいと思います」と感謝の思いを述べる藤ヶ谷。三浦監督も「大変な思いをさせてしまいましたけど、その成果はお客さまには届いているかなと思っています。後半の方はちょっと常人じゃないというか、藤ヶ谷君の顔つきが(主人公の)菅原くんでしかないような感じなので。そこは評価してもらいたいかなと思います」と自負。

 三浦監督は何度もテイクを重ねるなど、非常にこだわりが強かったそうで、「けっこう大変でしたね」と語る藤ヶ谷。「撮影が終わってからも通常の自分のテンションに戻るのが難しくて。アイドル業に支障がでました(笑)半年くらいは心も表情も(菅原のように)動かず。でも、これは三浦組を経験した人にしか分からない。本当にしっかりと役と向き合えた称号なのかなとポジティブに捉えております。自分のキャパを知ることができたというか。いろいろと気付けて良かったなと思います。ありがとうございます」と笑いながら明かすと、三浦監督は「あらためて謝罪します」と頭を下げ、会場を沸かせるひと幕もあった。そんな菅原役について藤ヶ谷はあらためて「役で言うと、だいぶ期間が空いたというのもありますけど、舞台でも映像でも苦戦したので、舞台をやっていなかったらどうなったのか怖いですね。ベースはあるけど、また新たに創りあげたという感じもありますし、舞台をやっていたから余裕だったというシーンは1つもなかったですね」としみじみ。

 そんな藤ヶ谷の奮闘は、ベテラン陣も感嘆したという。「原田美枝子さん、豊川悦司さんも集まった家族のシーンで。原田さんが言ってくださったんですけど、藤ヶ谷くんはこのキツい撮影を(菅原が逃げ込む先の共演俳優の)全員分やっているんでしょ。わたしたちは(菅原が部屋を逃げ出したら)それでしばらく出番はないけど、あなたは、これを全部やっている。これは本当にすごいこと。何テイクも繰り返すなんて、あなたは本当にすごい人だわと。お父さまにも、お母さまにも言っていただきました」というエピソードを明かした藤ヶ谷は、「自分ってすごいんだなと思いました」と付け加え、会場を沸かせた。

 さらに観客からは「この映画を紹介するいい言葉があれば教えてください」というリクエストも。それには「でも“共感と反感の120分”という言葉はしっくりきていて。でもこういうのってどうやったらはやるんですかね? TikTok で踊ったらはやるんですかね?」と思案している様子。「これを機に、今までやってこなかったことを宣伝でやってみたらどうですか?」という三浦監督の提案に、藤ヶ谷も「これから人生初のインスタライブもやりますし。いろいろと試行錯誤しながらやっていきたい」とこれからの公開に向けての決意を語るひと幕も。

 そして「藤ヶ谷くんの頑張りもそれで評価されていただきたいですし、これだけ頑張ってやりきったものなので、どうにかヒットにつながったらと。僕の中では幅広い層に刺さるエンタメになったかなと思うので、若い方から年齢層が高い方、東京から地方にいる人たちにも届いたらと。先を予感させる終わりなので、できればパート2もできたらうれしいなと思います」と期待感を込めると、会場から拍手が。「ツー!?」と驚きを隠せない様子の藤ヶ谷。その様子に「断る感じですか?」と笑う三浦監督と、「ちょっと考える時間をください」と返した藤ヶ谷。「それくらいに広まったらいいなと思いました」とあらためて本作のヒットを期待している様子の三浦監督だった。

 ※藤ヶ谷太輔過去記事
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 ※記事内画像は(c)2022 映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

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