草なぎ剛「ミッドナイトスワン」公開3周年舞台挨拶!「新しい地図を広げて」

草なぎ剛「ミッドナイトスワン」公開3周年舞台挨拶!「新しい地図を広げて」2

 『新しい地図』で俳優・草なぎ剛が25日、東京・TOHOシネマズ日比谷で主演映画『ミッドナイトスワン』(監督:内田英治/配給:キノフィルムズ)公開3周年記念舞台あいさつに登壇した。

 本作は、草なぎ演じる新宿の街で生きるトランスジェンダーの凪沙(なぎさ)と、親から愛を注がれることなくネグレクトされ生きてきた中学2年生の少女・一果(いちか)の間に芽生える“切なくも美しい現代の愛の形”を描く“疑似母子”のオリジナルラブストーリー作品となっている。本作は、21年に開催された『第44回日本アカデミー賞』で最優秀作品賞、さらに草なぎが最優秀主演男優賞した。

 以下、公式レポート部分。

 ちょうど3年前の2020年9月25日に公開された本作は今日から公開4年目を迎える。現在も毎週水曜日にTOHOシネマズ日比谷にて上映が続き、TOHOシネマズ初の邦画ロングラン上映となっている状況について草彅は「“#草彅剛代表作”で拡散してと、公開当時、思いついたままに言ったこと。見切り発車のようなものだったけれど、言ってみるものです。言霊というのがあるんだなと実感しています」と満面の笑みで観客に感謝。この日も新しい「#(ハッシュタグ)」の作成を求められると「#まだまだ追いスワン」を提案し、「まだまだ観ていない方もいるかもしれないので、これからもよろしくお願いいたします」と呼びかけた。

 会場には5回以上、10回以上鑑賞済みという観客も多かったが、「今日が初めての方は?」との草なぎの問いかけに反応したファンの姿も。「僕のファンって感じなのに、初めてなのね」とニヤニヤした草なぎは「まだまだってことです!」と話し、「僕は2回くらい観たかな」と告白。何度も鑑賞したファンに感謝を伝えつつ、「愛すべき作品です。僕もそれなりに頑張ったけれど(笑)、僕の力よりも他の影響力が大きい作品です」とニッコリ。当時、演技未経験ながら一果役を務めた服部樹咲について「一果ちゃんからもらったフレンチブルドッグの人形は、今もリビングに飾っていて、見るたびに思い出しています。大きくなったんじゃないかなぁ…」としみじみする場面もあったが、自身が演じたトランスジェンダーの凪沙役については「さっき、うっかり“さなぎ”って言っちゃった(笑)」と照れながら明かし、会場の笑いを誘っていた。

 「新しい地図を広げてまもなくの頃の作品。僕にとって思い出のある作品で、今日ここに立って僕だけがおいしい思いをして申し訳ない気持ちもあるけれど、みんなの代表としてうれしさを噛み締めたいと思います!」と胸を張ると、会場は大きな拍手と「おめでとう!」の声に包まれた。

 9月27(水)から12月27日(水)までの毎週水曜日に、TOHOシネマズ日比谷にて本作を鑑賞した方全員にオリジナルポストカードがプレゼントされることが発表されると、「明後日から?今日からじゃないの?普通は今日からでしょ!」と笑いながらツッコミを入れた草なぎは「#まだまだ追いスワンができますよ」とアピール。

 さらに、第1弾~第3弾の計3種類のポストカードの配布となり、各月ごとに絵柄が異なることについては、「もう毎月来るしかないね。僕も来るよ!」と宣言し、「とても素晴らしいこと」とよろこびを噛み締めていた。また、新たに鑑賞した際には「“#まだまだ追いスワン”とポストカード(の画像)を添えてSNSなどにアップしていただけるといいんじゃないかな。みんなが宣伝部なので、よろしくお願いいたします!」とリピート鑑賞を呼びかけた。

 『ミッドナイトスワン』の発表が一通り終わったところで、トークテーマは来年5月に公開される映画『碁盤斬り』へ。主演を草なぎが務め、自身初の時代劇となる白石和彌監督がタッグを組んだ、古典落語をベースにした映画となっている。イベントでは、追加キャストが一気に解禁され、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼ら、錚々たる顔ぶれが集結したことが明らかに。

 このコーナーでは当初、一人一人順番に役柄や撮影の思い出話を語る予定だったが、スクリーンに映し出されたキャスト陣の写真にテンションが上がった草なぎは、自由にトークをスタート。17年前に小泉からもらったTシャツをいまだに持っていたという草なぎは、「僕の舞台を観にきてくれた時にもらったTシャツ。キョンキョンからもらったと記憶していて。間違っていたら失礼だとは思ったけれど、それでもいいやと思って現場に持って行って確認したら、やっぱりキョンキョンがくれたやつで。Tシャツにサインをもらったから、今度見せてあげるね」とファンに約束。

 和柄でツバメが描かれており、自身の役、柳田格之進のイメージにも合っていたとうれしそうに報告していた。「引っ越すたびに、キョンキョンからもらったTシャツかもと思い、なぜか持ち続けていて。誰かにあげなくてよかった」と安堵の草なぎが「今回の撮影で一番感動した出来事です(笑)」と話すと、会場は笑い声と拍手に包まれた。

 その後も、キャスト陣との思い出話が止まらない草なぎ。國村とは以前共演したドラマを通じて関係性ができていたため、今回は(役として)思い切り戦うことができたとし、市村についても「渋いところで登場して……」と話したところで、「あ!」と何かに気づいた草なぎ。

 「言わなきゃいけなかったことをメモしてきたんです。言わないと怒られちゃう!」とポケットからメモを取り出し、映画のあらすじや自身が演じる格之進のキャラクター紹介を読み上げる。「でも、自分の言葉で言った方がいいよね」とニヤリとした草彅は自由なトークを続行。「格之進は今の時代だと考えられないような堅物な人。ひとつ決めると曲げられないけれど、その曲げられない魂がグッときます」と解説し、「流されればいいじゃないって思うけれど、流されない(格之進の)気持ちが(何か)訴えかけてくる。そんな格之進を取り巻く人たちは、みんなこだわりが強いんです」と格之進と解禁された追加キャストが演じるキャラクターたちとの関係性を説明。

 斎藤演じる格之進と因縁ある武士の柴田兵庫は「とにかく憎たらしい役。工くんも役に入り込んでいて、本当に憎たらしかった(笑)」と「憎たらしい」を連呼しながらも、(それぞれが演じるキャラクターの)こだわりが強くてぶつかり合うところが映画の見どころとアピール。続けて「白石監督だから、静かな囲碁の世界じゃ終わらないんです!」とも強調していた。

 格之進の一人娘・お絹役の清原からのメッセージが読み上げられると、「すごく繊細なお芝居をする方です。おこがましいけれど、撮影中にポロッと『すごくいいお芝居だね』って言ってしまって。女優さんだから巧いのは当たり前だし、(自身について)お前何様だよって感じだけど思わず言っちゃったの。そのシーンはきっとカットになっていないはずだから、楽しみにしていてください」と清原の芝居を絶賛。「格之進にとって光のような存在でした。彼女がいるから格之進も癒やされたのだと思います」と役柄の気持ちについても語っていた。

 弥吉役の中川については「背が高くてとにかくかっこいい。お互いに武士の心を持ったキャラクターで、交わした約束を破らない、そんな格之進と弥吉の関係も見てほしいです」と笑顔。背の高い中川との共演シーンでは背伸びをしていたと笑い飛ばし、背伸びの様子を再現。お茶目な草なぎの動きに会場は大爆笑していた。

 奥野については「(香取)慎吾ちゃんと白石監督の『凪待ち』にも出ていて。(役で)唯一僕の味方になり、慕ってくれる役。現場ではずっと一緒にいました。彼の目を見ていると江戸時代にタイムスリップしたような気持ちになります。お芝居に吸引力があります。格之進との関係性もめちゃくちゃよくて、最後まで付き添ってくれる重要な役どころです!」と目を細めた。

 音尾については「めちゃくちゃいいカメラを持っていて。カメラマンになれるくらい(撮影が)巧いし、僕も欲しくなっちゃった!」とお茶目にコメント。

 市村については「お父さんのような気持ちがあって。懐に飛び込んでいける、遠慮しないで(芝居が)できたと思います。重要なところで出てきて、方向性を導いてくれる役。正親さんと剛くんとの関係に重なる部分があります」とうれしそうに話した草なぎが「僕、剛くんです」とペコリとお辞儀して自己紹介すると、会場のあちこちから笑い声が漏れ聞こえていた。

 囲碁に触れたのは今回が初めてという草なぎが「囲碁の撮影はめちゃめちゃ大変。僕自身は囲碁が分からないのに分かっているフリをしなければならないから(笑)」と打ち明けると会場は大爆笑。続けて「映像の世界で白石監督が撮るのは、静寂な世界だけではなくて。静寂の中で暴れているみたいな感じ。時代劇が初めての白石監督とその化学反応でこの世界観が撮れています」と興味をそそるコメントを口にした。

 締めのあいさつで草なぎは「映画もそれ以外も、毎日コツコツやるしかないと思っています。振り返ったときにそれが大きなものになるのかなと。すべては繋がっていると思うし、(今日のイベントのように)たまにいいことがあるかもしれないから、自分の中でコツコツと人生のいい貯金ができればいいなと思っています。『ミッドナイトスワン』とともに、一歩一歩、ちょっとずつちょっとずつ歩んで来られたのは、みなさんの応援があってこそ。本当にありがとうございました」と満面の笑みで感謝し、和やかムードに包まれたイベントを締めくくった。

 ※『ミッドナイトスワン』過去記事

 ・草なぎ剛「ミッドナイトスワン」で最優秀主演男優賞をレッドカーペットで佐藤浩市、菅田将暉、小栗旬、二宮和也が拍手で祝福!その後のインタではお茶目さ全開も【スピーチ部分ノーカット】

 ・「ミッドナイトスワン」日本アカデミー賞で作品賞受賞で草なぎ剛再び登壇で「少しでも進むと、何かいいことあるんだなと思って」【監督・キャストコメント有】

 ・草なぎ剛「ミッドナイトスワン」で最優秀主演男優賞受賞!「慎吾ちゃんとかゴロさんとか、本当に近い人たちが支えてくれて、きょうここの舞台に立てた」と感謝のスピーチ

 ※記事内写真は(c)2020 Midnight Swan Film Partners

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