舞台『鴨川ホルモー、ワンスモア』（脚本・演出：上田誠）合同取材会が26日、東京・有楽町のニッポン放送内イマジンスタジオで開かれ、俳優・中川大輔、八木莉可子、『男性ブランコ』浦井のりひろと平井まさあき、脚本・演出を務める上田誠氏、原作者の万城目学氏が出席した。
同局と上田氏が所属する劇団『ヨーロッパ企画』がタッグを組んだエンタメ舞台シリーズ第4弾。二浪したのちに京大に入学した主人公・安倍（中川）が怪しい先輩の誘い＆一目惚れした早良（八木）で入った『京大青竜会』なるサークル。そこでは千年昔から脈々と続く謎の競技『ホルモー』をするサークルだった……という物語。
まずは、先日第170回直木賞を受賞した万城目氏へ中川から花束を手渡しお祝いムードでイベントはスタート。中川は「素敵なタイミングで鴨川ホルモーをやらせて頂けて嬉しいです」と、にっこり。
八木は初舞台で「緊張」していると口にしたが、上田氏から楽しんでとの声がかかったと励まされたという話や、平井は万城目氏のファンのようで「最も高いと書いて最高です」といって、キャスト陣から「最高って言え（笑）」とツッコまれることに。そんななか万城目氏は平井演じる松永というキャラクターは「誰だったか忘れてしまって」と告白し、平井は思わず立ち上がってうろたえる様子を見せていた。
どんな舞台になるのかへ、自身も学生時代も京都で過ごし、いまも京都で暮らしているそうで、「大学時代も過ごしたのでシンパシーがあって好きだったんです。大群像劇で大コメディーにしたいなって思っています。鴨川ホルモーの裏で書かれているものとか、（万城目氏の作品）『ホルモー六景』も盛り込んだり、学生時代、土手で二次会の飲み会をしたので、それをキャスト18人でやってみたい」という。
タイトルの“ワンスモア”へは上田氏は「何がワンスモアなんだろうって、原作は入っているので、匂わせていければ」と、現時点ではかっちりは考えていない様子の上田氏。ここでキャスト陣はいまだ台本をもらっていないことが明かされ、中川は、「何も聴いてないです。今聴いたことがすべてです」と、苦笑いを浮かべていた。
上田氏は本作を舞台化しようとした経緯として、万城目氏自身に何かオススメなものはないかと尋ねた際に、万城目氏が本作を挙げたことからそうなったという経緯があったそう。しかし、万城目氏は呆れながら本作の名前を挙げる前に、シェイクスピアの作品を推したものの『鴨川ホルモー』に前のめりになっていた上田氏は聴いている様子ではなく、そこが端折られていると説明し、上田氏は「シェイクスピアって言ってましたね。『夏の夜の夢』みたいな18人での土手の飲み会にしたいと思います」と、当意即妙の返答でお茶を濁していた。
ほかにも、上田氏にキャスティング理由も質問がされ、そのなかで中川は主人公の内面と中川が重なったといい、これを聞いて「僕の素の部分と安倍の素の部分が共通しているというのは自信になります。それを胸にけいこに臨みたいと思います」と、勇気の出る言葉だったよう。ただし、「鬼語というのがあって、それは人が発するものではないという設定なので、喉が持つかなって」と、そこは戦々恐々としているそうだ。ちなみに、『男性ブランコ』の浦井は、年齢が離れている三好兄役を演じる角田貴志と瓜二つなのだそうで、上田氏も思わず膝を叩いたそうだ。
イベント内では本作のラジオの2シーンのスポットCM生収録というほかでは類を見ない試みを開催。その場で上田氏が方針を決めてスタート。1シーン目は18人での新歓コンパとなっており、中川と八木の掛け合いなども万城目氏は「完璧です」と太鼓判。
スポットCM収録風景
2シーン目は鬼語を練習するシーンで上田氏も「喉の危険が危ないです」とたとえて和ませてから始まることに。キャスト4人は熱演を見せたが、なぜか上田氏からはリテイクがかかり、4人は1回目より声を張ってOKをもらっていた。
そして上田氏から「楽しみすぎるキャストのみなさんです。楽しくて痛々しい舞台を作りたいと思います。観終わったら価値観も変わっていると思います」と意気込んでいた。
舞台『鴨川ホルモー、ワンスモア』東京公演は4月12日から同29日までサンシャイン劇場にて、大阪公演は5月3、4日にサンケイホールブリーゼにて上演予定！
■出演キャスト
安倍 役：中川大輔
早良京子 役：八木莉可子
高村 役：鳥越裕貴
楠木ふみ 役：清宮レイ
芦屋満 役：佐藤寛太
三好兄 役：角田貴志
三好弟 役：浦井のりひろ（男性ブランコ）
松永 役：平井まさあき（男性ブランコ）
坂上 役：ヒロシエリ
紀野 役：日下七海
菅原真 役：岩崎う大（かもめんたる）
清原 役：石田剛太
大江 役：片桐美穂
立花美伽 役：槙尾ユウスケ（かもめんたる）
清森平 役：土佐和成
柿本赤人 役：酒井善史
山吹巴 役：日下七海
居酒屋『べろべろばあ』店長 役：中川晴樹
万城目学氏へ花束プレゼント！
思わず立ち上がる