スピーチに立つ新垣（撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ）
“ガッキー”の愛称で親しまれる俳優・新垣結衣が5月22日に東京国際フォーラム ホールCで開催された映画賞『第33回 日本映画批評家大賞』授賞式に助演女優賞を受賞したことから登壇した。
『日本映画批評家大賞』は1991年に水野晴郎氏が発起人となり、淀川長治氏、小森和子氏といった当時第一線で活躍した映画批評家たちによって設立された映画人が映画人に贈る賞となっている。33回目の今回は「進化し続ける力」をテーマにして展開している。
新垣は2023年11月に公開された映画『正欲』に出演。『正欲』では、家庭環境、性的指向、容姿などさまざまな想いを抱える人々が交差していくドラマが展開。新垣演じる桐生夏月は周りに打ち明けていないとある欲があり、その欲を共有している唯一の人物である佐々木佳道（磯村勇斗）と再会を果たしたことからその物語が始まっていく……。
受賞理由のなかに「新垣結衣が見せる表情の数々はこちらに様々な問いを投げかけてくる、見事すぎるものだった」「新垣結衣演じる夏月の淡々としながら切実な語り口、寂しさと諦めと強さを秘めた視線が突き刺さり、「普通はこうだろう」「常識的に考えて」という自分の考えが、時には暴力となるということを考えさせられるのだ」と評価を受けた。
ステージには、黒のシックなロングドレス姿で登場した新垣。共演で本日助演男優賞を受賞した磯村がプレゼンターとして現れ、花束を受け取るとニッコリと笑みを見せた。
そしてスピーチへ。「どうも新垣結衣です。映画賞で助演女優賞を頂くことは人生で初めてです。なんだかとても嬉しいです」と心境を話しつつ、「素晴らしいスタッフのみなさんと、素晴らしいキャストのみなさんと、本当に人生の糧になるような素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。またこうしたご縁に恵まれるように、自分なりに頑張っていきたいと思います」と、意気込んだ。
選考委員からは、「デビュー以来数多くの作品に出ていてたくさん拝見していますが、その作品の中で演じられている新垣さんを観たときに、こんな表情をされるんだと、ものすごく新しい発見があったんです。それはたくさん作品に出ていれば出ているほどそれが難しいということはわかるといと思うんです。おそらくご自身の何かを超えるものがあったのではと思います。はかりしれない演技力で、この作品以外でもどんなお芝居をしてくれるのか楽しみになりました」と、期待を寄せる。
司会の松尾貴史からも「周りから普通という表現に、違和感を覚える表情がリアルに刺さってきました。普通って嫌な言葉なんだって感じました」と伝えると、新垣は「とにかく想像するしかない役で、自分が見えているものが全てではないという思いでした」と、そのときの心情を語っていた。
ほか授賞式には俳優・東出昌大、筒井真理子、木野花、小林薫らが登壇した。
取材・撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ
