俳優・山田裕貴主演で古田新太らが共演し9月12日より公開中の映画『ベートーヴェン捏造』(監督:関和亮/配給:松竹)。本作の山田と井ノ原快彦が対決するシーンのメイキングと井ノ原のコメント映像が9月20日に公開となった。
作家・かげはら史帆氏による19世紀ウィーンで巻き起こる音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った歴史ノンフィクション『ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく』(河出文庫)を実写映画化した作品。天才音楽家・ベートーヴェンのイメージは秘書による”でっちあげ”だったという大胆な発想や、そのイメージを“捏造”したのは、彼の忠実なる秘書・シンドラー(山田)だった……という真実を嘘で塗り替えた作品。脚本はバカリズムが担当している。
ドラマ『特捜9』で長年バディとして共演してきた山田の主演映画ということで、二つ返事で出演を快諾したという井ノ原。「絡みのシーンは1つしかなかったけれど、ずっと一緒にいる感覚で、慣れていて、彼もマインドが優しい人なので受け止めてくれてやりやすかった」と現場について振り返っている。
井ノ原が演じたのは、ベートーヴェンの愛弟子であるフェルディナント・リース。解禁となったのは、ベートーヴェンから不名誉なあだ名をつけられたり、卵をぶつけられたりしていたシンドラーが、リースの止まらない“ベートーヴェン先生からの愛されエピソード”に卒倒しそうになるシーンのメイキング映像。井ノ原が「(リースは)天然で愛される人だったんだろうなと想像して、シンドラーに対して自慢してマウントを取るのではなく、ただただ楽しかったエピソードを話すだけ。天然で話す方が心が痛むと、山ちゃん(山田)も言っていた」と役作りについて明かした。
とにかく楽しそうにベートーヴェンとの思い出を披露するリースにはまったく嫌味はない。ベートーヴェンの死後、勝手に“ベートーヴェンの親友”と記した名刺を配りまくり、音楽関係者に怪しまれていたシンドラーとは違い、真にベートーヴェンから愛されたリースに完全敗北するシンドラー。山田と井ノ原の息のあった真逆の演技に、思わず現場スタッフも笑ってしまうシーンとなっている。また、「かなり昔の話を、今の日本の、フランクな感じでやる。でも、細かいところにはこだわりがあって、その中で今っぽい喋りでやるのが面白いので、細かいところも見て頂けると楽しいと思います」と井ノ原が語る通り、セットには一瞬しか映らないものの、市川紗椰演じる愛妻・ハリエットと二人で描かれた肖像画がたくさん飾られいわゆる“リア充”な人生を謳歌しているリースと、人生のすべてをベートーヴェンだけに捧げた孤独なシンドラーとの対比も表現されている。
さらに、本作の舞台であるウィーンで行われるJapannual日本映画祭での公式上映が決定!上映日は10月5日(日)予定。すべてが日本で日本人で撮影された本作が、現地ウィーンの観客にどう受け止められるのか……。
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