歌手・MISIAが3月15日に神奈川・横浜アリーナで全国アリーナツアー『MISIA 星空のライヴ XIII GRAND HORIZON』横浜アリーナ公演を開催した。
以下、公式レポート部分。
今年1月に岩手・盛岡タカヤアリーナからスタートしたMISIAの全国アリーナツアー「STARTS presents MISIA 星空のライヴ XⅢ GRAND HORIZON」もいよいよ後半戦。3月14日(土)と15日(日)の2日間、神奈川・横浜アリーナで前半戦の締めくくりともいうべき圧巻のライヴパフォーマンスを見せた。
14名からなるストリングスの豊かな響きが星空のように瞬いてステージを照らすと、ドラム、パーカッション、ギター、ベース、キーボード、2名のコーラスにホーン隊が3名、総勢24名のバンドが高らかに音を奏で始める。ステージの真ん中からリフトアップでMISIAが登場すると会場が一段と大きな歓声で埋め尽くされた。1曲目は「明日晴れるといいな」。曲間では盟友のトランペッター、黒田卓也のソロが挨拶代わりに炸裂する。
2001年から生音によるアンサンブルにこだわり抜いてきた“星空のライヴ”シリーズは回数を重ねるごとに進化してきた。当初は屋外での開催がメインだったが、それにこだわらずアリーナで、しかもツアーとしてブラッシュアップしてきたこのシリーズで今回最も目新しかったのは、音楽そのものだ。MISIA の歌が中心にありながら、各曲の細部にまでこのツアーでしか味わえないアレンジが施されている。黒田の存在というのも、これまでMISIAと築き上げてきたサウンドに最も必要不可欠な存在だったからだろう。
より濃密で高次元の音楽体験を可能にするために、最大にして最高の編成で臨むのはもちろん、各楽曲をメドレー形式で5~8曲つないだ大きなブロックとして、それをいくつか用意するというこれまでなかった方法でセットリストが組まれているのも驚きだ。(メドレー形式と言っても1曲1曲が短いものではない。)
そこに、HIP HOPダンサーやバレエダンサーのパフォーマンス、さらには世界的ファッションデザイナー・二宮啓が手がける「noir kei ninomiya」のパリで発表されたコレクションの中から二宮氏自らがセレクトしたショーピースや、国内外から高い評価を受けるデザイナー・宮下貴裕(NUMBER (N)INE By Takahiro Miyashita)がこのツアーのために制作した衣装が加わり、総合芸術としてのライヴ空間が出来上がっている。
いつにも増してMISIAのヴォーカルの凄みを感じられるのは、そうしたセットリストの妙、つまりはDJがプレイするように楽曲がつながっているがゆえに、各曲のつなぎでのフェイクを入れたヴォーカルやオーディエンスとのコール&レスポンスといったライヴならではの自由度があり、だからこそ経験やセンスが必要であること、そして何より、15分から20分にもなるひとつのブロックを歌いっぱなしでパフォーマンスする自力がなければ成り立たない。バンドの演奏技術の高さも去ることながら、ほとんどアスリート的なレベルで歌い続けるMISIAのパフォーマンスそのものが、どんな演出にも増して説得力のあるものだし、オーディエンスが一番観たいものだ。繰り返しになるが、今回の「星空のライヴ」の見どころは音楽であり、MISIAだ。当たり前のことを言っているようだが、アリーナクラスのライヴにおいて、演出に頼らない剥き出しとも言えるその自信に溢れたステージは本当に尊いものだ。
そして、このツアーでは初披露される新曲の割合が高いというのも特筆すべき点である。今回の横浜アリーナ公演で初めてパフォーマンスされた「ラストダンスあなたと」は、4月10日(金)より全国公開される、劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の主題歌に決定している楽曲だ。映画の予告編映像で一部楽曲解禁されてからというものすでに大きな話題となっていたが、今回の映画のストーリーの舞台ともなるこの横浜の地で初披露をするという粋なサプライズに、この日一番の歓声が上がった。
軽やかな曲調のなかにもしっかりとスパイスを効かせたMISIAの新しいポップスという味わいの楽曲に、オーディエンスも自然と体を揺らし、キャッチーなメロディーを口ずさむ姿も見て取れた。
他にも、セットリストの肝とも言うべき真ん中の部分では、2月15日(日)にリリースされた最新デジタルシングル「夜を渡る鳥」を披露。リリースと同日からWOWOW・Leminoで放映されている連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』の主題歌として、加藤登紀子作曲、及川眠子作詞、鷲巣詩郎編曲という強力な布陣によって完成された楽曲だ。後半に向けて出力をグッと上げたMISIAのヴォーカルと壮大なストリングスが合わさり、まさに圧倒された。
そして、このツアーのために書き下ろした「太陽のパレード」は、すでにツアーを象徴する楽曲としてオーディエンスの明日を後押ししている。この曲の前にMISIAはこんなメッセージを伝えた。
「全国の会場をまわるなかでみんなからもらった光、笑顔、そんなものがたくさん積み重なって大きな太陽のようなツアーになればいいなと思いながら歌っています。みんなでこれからも光の行進を続けて行きましょう!」
「光の行進」という言葉は、MISIA がこのツアーの初日から言い続けているものだ。「光の行進」という言葉と、数曲をつないだブロックを歌い続けるMISIAの姿が重なった。優しさや思いやりといったポジティブな感情がひとつながりになることを願って、MISIAは9月までツアーを続けていく。
Text:谷岡正浩
カメラマンクレジット:岸田哲平/Santin Aki







