舞台『春のめざめ』囲み会見が開催！
俳優・伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類らが12日、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場で舞台『春のめざめ』（構成・演出：白井晃）公開ゲネプロ及び囲み会見を開いた。
1891年に劇作家フランク・ヴェデキントが手がけた戯曲『春のめざめ』。その内容は、思春期の子供たちの“生”と“性”をテーマに、性への目覚め、生きることへの葛藤、それに対する大人たちの抑圧などを描いておりセンセーショナルな内容から当時上演禁止の処分を受けた問題作となった。そして2017年、ヴェデキントの原作をもとに、白井氏の新たな構成と『Dragon Ash』降谷建志が書き下ろした楽曲、ダンサーの平原慎太郎が思春期にある若者たちの性衝動や煩悶を見事に表現した振り付けで上演し好評を博した舞台が、再び帰ってくることとなった。
伊藤は、本公演が舞台2回目。それだけに、「経験が浅いので声の出し方や体の使い方など一から白井さんに教えて頂きました。緊張はしますが、全力で教えを出し切れるように頑張りたいです」と、意気込みつつ振り返る。
カンパニーの雰囲気としては、「けいこが楽しく、早くけいこ場に行きたいと毎日思っていたくらいで、けいこが終わって食事をしながらでも、キャストのみなさんとずっと『春のめざめ』の話ばかりしていました」という伊藤。
主人公・メルヒオールの役作りへ伊藤は、「白井さんから頂いた『健太郎の中のメルヒオールを出して』という言葉が印象に残っています。けいこ中は外枠だけでメルヒオールを演じてしまうこともあって、難しいなと思っていたところにこの言葉を頂いて、自分の素の部分も出していこうと思いました。メルヒオールの悩みや気持ちは若かったころの自分にも共感できるので、そうした気持ちを伝えられたらと思います」と、でき上がるまでのことを伝えていた。
ヴェントラ役を演じる岡本は、けいこのことを振り返り「けいこ中にたくさん白井さんから教えて頂きました。初演を観た時に挑戦してみたい役だったと言ってしまいましたが、今となってはそんなことを軽々しくは言えないくらい大変な役でした」と、しみじみ。さらに「白井さんからは『ヴェントラとして生きてください』と言って頂いたり、『ヴェントラを選んだのは僕だから（君の演技に）責任を持つよ』と私に寄り添ってくださっている感じが嬉しかったです」と、白井氏への信頼を寄せていた。
モーリッツ役を演じた栗原は、「（初演と）役者が変われば空気も変わりますが、とても楽しいけいこ場でした。けいこ中は白井さんの言葉が心にささるし、欲を言えばもっとけいこをしていたいです(笑)。 とはいえ、タイムリミットがある中で作り上げなければならないので、僕自身は明日からの本番を楽しみたいと思います。作品の中ではメルヒオールとの掛け合いが多いです。伊藤さんのことを信じています。モーリッツは好奇心がおう盛でたくさんしゃべる子です、自分の限界に縛られず、エネルギーを使っていいんだと思いました」と、話していた。
たびたび話題に挙がった白井氏は、今回再演したことへ「今回はメルヒオールとヴェントラの役者が新しくなり、役者の関係性も変わりますので、演出的には少し手を入れて、大枠は変えず人物を掘り下げました。子どもたちの生きることへの対じの仕方、性の悩みというものは今でも変わっていないわけで、これは130年前の作品ですが今の時代でも十分に共感できます。ですので、今後もレパートリーのような形で繰り返して上演していきたいという思いから再演に踏み切りました」と、説明しつつ、演技指導へは、「若いキャストのみなさんはこれからの日本の演劇、芸能を担う立場にいる人たちですので、舞台の面白さや厳しさも知ってもらええれば、との思いからいろいろ厳しいことも言わせてもらいました」と、熱い思いを。
さらに、白井氏は、キャスト陣へ、「類君は作品の理解力が素晴らしく、岡本さんは根性のある子です。健太郎君は演技のセンスが素晴らしいと思いました」と、褒めたり、伊藤の座長ぶりへ岡本が「伊藤さんはすごく熱い方で、みんながついていきたくなるような座長です」と、明かすことがあった。
舞台『春のめざめ』神奈川公演は13日から29日までKAAT神奈川芸術劇場にて、東広島公演は5月6日に東広島芸術文化ホールくらら 大ホールにて、兵庫公演は5月11、12日に兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演！
■出演キャスト
伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類、小川ゲン、中別府葵、古木将也、長友郁真、竹内寿、有川拓也、川添野愛、三田みらの、あめくみちこ、河内大和、那須佐代子、大鷹明良