花總まり「エリザベート」初日へ向け「1回1回を誠実に」

花總まり「エリザベート」初日へ向け「1回1回を誠実に」13

 ミュージカル『エリザベート』(演出/訳詞:小池修一郎)が9日、東京・帝国劇場で開幕する。

 自由を愛し、類なき美貌を誇ったハプスブルク帝国最後の皇后エリザベートと、彼女を愛した黄泉の帝王“トート=死”。トートはエリザベートが少女の頃から彼女の愛を求め続け、彼女もいつしかトートの愛を意識するようになる。しかし、その禁じられた愛を受け入れることは、自らの死を意味した。滅亡の帳がおりる帝国と共にエリザベートに“運命の日“が訪れる――。

 1996年に宝塚歌劇団により日本初演、2000年の東宝版初演。本来ならば2020年4月に東宝版20周年記念として公演が予定されていたが新型コロナウイルス感染症の影響を受け全公演中止となり、2年ぶりに初日を迎えることとなる。

 エリザベート役は花總まり、愛希れいかのWキャスト。トート役には、山崎育三郎(東京公演のみ)、古川雄大、井上芳雄(福岡公演のみ)の3俳優そろい踏みとなる。初日へ向け5人からコメントが寄せられた。

 ●エリザベート役・花總まり(はなふさ まり)
 初日を迎えるにあたり、いつもながらですが、もっと時間が欲しいと思ってしまいます。
 もうすぐ幕が開きます、心を込めて今できることを精いっぱいやりつくそうと思っております。花總まりが演じる“エリザベート”がどんなエリザベートであったかは、ご覧になったお客さまが決めることだと思いますので、わたしはただ一生懸命に演じるだけです。来年1月31日までのすべての公演を、心を込め、1回1回を誠実に、大切にしていきたいと思っております。ミュージカル「エリザベート」の世界をどうぞお楽しみくださいませ。劇場でお待ちしております。

 ●エリザベート役・愛希れいか(まなき れいか)
 劇場に入り、いよいよはじまるんだなと実感してきて、今は緊張感でいっぱいです。とにかく最後まで諦めず闘い、もがいて……エリザベートの人生を生き抜きたいと思います。私としては、もう一度挑戦できる喜びや緊張、様々な思いがありましたが、何よりも2020年の公演を楽しみに待っていて下さったお客さまの事を考えるととても胸が痛かったので、今回はより一層気合いが入りました。今、カンパニー全体が“この作品を必ずお届けしたい”という熱い想いであふれています。私が今できる全てを懸けて挑んで参りますので、どうぞ宜しくお願い致します。劇場でお待ちしております。

 ●トート役・山崎育三郎(やまざき いくさぶろう)
 2020年4月の公演中止から2年半が経ち、幕が上がるこの日をずっと待ち望んでいました。
 今は、エリザベートカンパニーで帝国劇場の舞台に立てる喜びを噛み締めています。これまでルキーニとして出演してきて今回初めてトートを演じますが、稽古を重ねる中で、同じ作品でも角度が変わるだけで、こんなにも作品への捉え方、感じ方が変わるものだと驚きの連続でした。トート役に対しての解釈も、ある意味正解がなく、自分自身と向き合う時間でもありました。稽古の中で、小池先生から「孤独と陰」というテーマをいただき、自分の中にある影が反映されているトートのような気がします。そして作曲家リーヴァイさんがおっしゃっている挑戦的で攻撃的なトートも強く意識して挑みたいと思います。ついに帝国劇場で「エリザベート」の幕が上がります。どんな困難や逆境にも耐え必死で自分の人生を生き抜くエリザベート。今、この時代にこの作品が届けられることに大きな意味を感じながら、一つ一つ大切に挑みます。
 帝国劇場が2025年をめどに一時休館するということも発表されましたが、今、この奇跡の瞬間を全力で楽しみたいと思います。

 ●トート役(Wキャスト)・古川雄大(ふるかわ ゆうた)
 すごく緊張感が高まっています。トート役は2度目となりますが、時間を重ね経験を積んでもなお、この作品、この役の重さを感じています。稽古期間は、改めてトートと向き合って、難しさを痛感した時間でした。今回は、前回のトートから自然と進化したところ、自分の成長が活きるところや、自分がこの三年間であたためてきたアイデアを取り入れたりしたところが多数あり、観て「変わったな」と感じていただける部分が多いと思います。この作品におけるトートについてはいろいろな解釈がありますが、自分なりの“新しいトート像”を創り上げ仕上げたつもりなので、その変化をご覧いただけたら嬉しいです。

 ミュージカル『エリザベート』東京公演は10月9日から11月27日まで帝国劇場にて、愛知公演は12月5日から同21日まで御園座にて、大阪公演は12月29日から2023年1月3日まで梅田芸術劇場メインホールにて、福岡公演は2023年1月11日(水)から同31日まで博多座にて上演予定!

 ■CAST
 ○エリザベート(オーストリア皇后)-Wキャスト- 花總まり/愛希れいか
 ○トート(黄泉の帝王)-トリプルキャスト- 山崎育三郎(東京公演のみ)/古川雄大/井上芳雄(福岡公演のみ)
 ○フランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝)-Wキャスト- 田代万里生/佐藤隆紀
 ○ルドルフ(オーストリア皇太子)-Wキャスト- 甲斐翔真☆/立石俊樹☆
 ○ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ 未来優希
 ○ゾフィー(オーストリア皇太后)-トリプルキャスト- 剣 幸/涼風真世/香寿たつき
 ○ルイジ・ルキーニ(皇后暗殺者)-Wキャスト- 黒羽麻璃央/上山竜治

 ※☆は2022年からの新キャスト

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