後藤剛範 主演作“超小声”挨拶に温かな笑い声の和気あいあい

後藤剛範 主演作“超小声”挨拶に温かな笑い声の和気あいあい2

 俳優・後藤剛範(39)、深水元基(42)、遠藤久美子(44)、峯岸みなみ(29)、田村芽実(23)が21日、東京・シネマート新宿で映画『大事なことほど小声でささやく』(監督:横尾初喜/配給:SDP)初日舞台あいさつを横尾監督(43)とともに開いた。

 作家・森沢明夫氏の同名作が原作。「スナックひばり」を営むマッチョなオカマで“ゴンママ”の愛称で親しまれる権田鉄雄が主人公。陽気なゴンママとバーテンダーのカオリの元に集うのは悩みをかかえたジム仲間たちが集まるなか、悩みに寄り添うカクテルを用意してもてなし……という優しさに包まれたハート・ウォーミング作品。

 後藤は客席を見回し「いっぱいの人に集まっていただいて、胸がいっぱいです」と、笑みを浮かべるなか、「下積みも長くて、舞台を続けていて脇役をやっていくんだろうなと思っていたところでの主役だったので嬉しくて。監督の器の大きさに感謝しています」と、万感の思いを伝える。

 オファーがあった際に後藤はゴンママへ「シンパシーを感じることが多くて」と、自身が演じたいと強く感じたという。そこで役作りだが、「体を鍛えないといけないと思って。普段から筋トレはしていましたが監督から要求されたハードルが高かったんです」といい、横尾監督からは2メートルを超えるように見せてほしいという無茶振りも振られたと笑いながら話していた。

 続けて、『スナックひばり』に相談に来るセンセー役を演じた深水も「いつもは殺るか殺られるかという感じの役が多くて、今回のように家族と向かいうというのは初めての役でした。やったことがなかったので、自分の家庭環境にも似ている部分があって、プライベートと重ねる部分もあって。それが、演技に出ているかわからないですけど、心を削る作業が多くて、ちょっと大変でした」と、リアリティーを感じながらの撮影だったという。

 遠藤は深水演じるセンセーの妻・四海由佳役を演じた。「現場に入られたときの深水さんの柔らかさがあって。人を蹴り飛ばす雰囲気がなくて。妻として難しい役でしたけど、そっといさせて頂いたのは、深水さんが作っていただいた空気の中に入れていただいた感じです」と、深水に感謝していた。

 一方、峯岸はミステリアスな女性・ミレイ役で出演。オファーの際に「謎の多い美人役をと言われてまさか自分が美人役というので、時代が追いついたと思って」と、ニッコリで、「『AKB48』のなかでビジュアル担当でもなく頑張ってきたので、紅一点のシーンも多くて、楽しませて頂きました」と、撮影の感想を伝えていた。

 そしてゴンママとともに『スナックひばり』を支えるバーテンのカオリ役を演じた田村。本作で映画初出演だそうで、「こうした本格的な映画に出演するのが初めてで、すごく緊張して。撮影当初はガチガチだったんです。でも、初めて原作を読んだときと同じ空気感がずーっと現場に流れていて、みなさんお空気がとても温かく流れていて、私も楽しく撮影できました」と、温かな雰囲気に包まれてのものだったそう。

 そんな田村へバーテンにちなんで、好きなおつまみの質問が飛んだが、「個人的にはイカ系が好きで、裂きイカとか好きで」と、通好みの渋いチョイスを挙げれば遠藤も「乾いたカワハギですね」とのこと。峯岸は「パスタを揚げて、塩がかかっているやつです」とおしゃれなものを挙げていたが、後藤は「タンパク質が必要なので、豆類を」と、ゴンママがまだまだ抜けていない様子。そんな出演者たちを眺めながら横尾監督は「次も撮りたいです」と、意欲を語ることもあった。

 そして、後藤から「このお話は僕ら俳優も含めて、前へ進もうとするもので、そこで生じる孤独感にどう向き合うかというつもりで、僕らは作っていました。出会った人みなさんにも、そっと寄り添える作品だと思って頂けると嬉しいです」と言いつつ、最後の最後は作品タイトルにかけて超小声でアピールし、場内は温かな笑い声に包まれていた。

 映画『大事なことほど小声でささやく』はシネマート新宿、ユーロスペースほかにて全国順次公開中!

後藤剛範 主演作“超小声”挨拶に温かな笑い声の和気あいあい3

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