大学生が作った答えのない「ニッポンのしゅくだいドリル」!ワークショッブに参加した小学生たちが斬新なアイデア!?

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志

 2020年、戦後7回目となる教育改革が行われる。これまでは、知識を詰め込み、「いかに覚えるか」に重点が置かれた「(暗記型の)詰め込み教育」だった。しかし、2020年からは「覚えたことをどのように使うか」という「考える(思考力・判断力・表現力を育むことを重視する)教育」に学習指導要領が改訂される。

 来る2020年の「学習指導要領」改訂にともない、子供に考える力や自由な発想を養わせる(応用力を求める)学習玩具や教材が多く発売されている。

 そんな中、9月1日に発売されたのが、一風変わったドリル『ニッポンのしゅくだいドリル』(大阪人間科学大学)だ。これは、漢字の書き取りや計算のドリルではない「“答えのない” ニッポンのしゅくだいドリル」だ。

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志


 例えば、2-A 災害と介護
 「足腰が弱り、杖がないと歩けないAさんが、海に近い家に1人でくらしています。Aさんはある日、大きな地震と津波におそわれてしまいました。運よく近所のお兄さんに助けてもらうことができましたが、次に同じようなことがあったら無事でいられるかわかりません。また、仮設住宅でくらし、知り合いがいなくなると、ケガや病気をした時に気づいてもらえないかもしれません。このように大きな災害が起きた時に、お年寄りを守ることができるアイデアを出してみましょう」

 といったように、いま社会が向き合わなければならない様々な課題に対して、大人から子供までみんなで考えるきっかけを作るために、大阪人間科学大学の学生が製作したドリル。

 大阪人間科学大学は、大学での学びを形あるものに変え社会に貢献していく取り組みとして、大学生主体で新しい未来をつくる『未来科プロジェクト』を立ち上げた。その第一弾として、様々な社会問題に対して考えるきっかけをつくる、答えのないドリル『ニッポンのしゅくだいドリル』を制作した。

 ドリルの問題は、大学教員や現場で働く人たちへ、それぞれが抱える課題をヒアリングし、現場の生の声や実際にあった事例をもとに作られた。また、全ての問題に対して正解がなく、問題に対して「どこが課題のポイントなのか?」「解決のためにどんなアイデアがあるのか?」自分がその場に立った気持ちで考えを表現してもらい、周りの人と答えと照らし合わせ、議論することで自分なりの正解を見つけてもらうことを目的としている。

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志さん

 8月24日には、大学生がファシリテーターを務める小学生向けの第一回ワークショップを開催。『丸善 京都本店』と『ジュンク堂書店 大阪本店』で、バラアスリートで車椅子バスケットボールプレーヤーとして、2000年シドニーパラリンピックで、日本代表チームのキャプテンを務めた根木慎志氏(54)がゲストで登壇。

 「パラスポーツから考えるボーダレスな未来のアイデア」(第二回が「防災」、第三回が「介護」)をテーマに、ドリルに収録されている問題の中から、「中途障がい者の問題」「目の不自由な人に対する理解不足」「ケガの予防」「なかよく遊ぶことの問題」の4つの問題をチョイス。その中から自分が取り組みやすいものを選んで、解決策を考え、発表する方式で進行。

 4人ひと組の班に分かれた小学生たちは、時にグループに分かれた友だちと話し合ったり、ファシリテーターの大学生たちのサポートを受けながら、問題解決のアイデアを出していった。

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志

 「目の不自由な人に対する理解不足」問題には、「実際に障害がある人の動きなどを体験できるテーマパークをつくる」

 「ケガ予防」問題には、「毎日ログインは、一日一回。ケガ予防をして、ポイントをためて道具をもらうサイト」(いまどきで、日本語、英語、その他の言語と世界を視野にしている)

 「なかよく遊ぶことの問題」では、「困っている人の声が聞こえるイヤホン」や「ごめんなさい」と上手く言えなくて友だちに入れない子どもの問題を解決するために、「ロボットを相手に練習してうまくなったら謝る。失敗しても許してくれる」

 「中途障害」というテーマに対しては、「かけると視野が広くなるメガネ」

 など、子どもたちならではの斬新なアイデアが提案された。

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志さん

 イベントには、パラバスケットボール元日本代表の根木慎志さん(54)がスペシャルゲストとして登壇。パラスポーツの魅力などを、ときに笑いを交えながら語った。

 最後に根木氏は、「みんなが一生懸命課題に取り組んでいる姿が本当に感動的です。それぞれが違う課題に取り組んで、アイデアも違いました。でも、1つだけ共通点があります。みなさんがその課題を、まるで自分の事のように考えた点です。だからこそ、たくさんのアイデアが出た。もし、僕のことだったら、私のことだったらどうしようと一生懸命考えられるということは、相手を思いやる気持ちがあるということです。世の中の人たちが、今日のみなさんのように人を思いやる気持ちを持てば、いろんなことが解決するし、とっても素敵な世の中になると思います」と、感想を語った。

 なお、様々な答えと“答え合せ”をして頂くために、世代を問わずより多くの方々にドリルに参加頂き、一部の回答をネットなどで公開することを予定されています。最後は、社会の課題解決ヒント集として公開する。

 『ニッポンのしゅくだいドリル』
 著 者:大阪人間科学大学
 発売日 : 2019年9月1日(月)

 『ニッポンのしゅくだいドリル』のURL:
 https://www.ohs.ac.jp/miraika/nihonnosyukudai/index.html

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志


パラバスケットボール元日本代表の根木慎志

パラバスケットボール元日本代表の根木慎志


パラバスケットボール元日本代表の根木慎志


パラバスケットボール元日本代表の根木慎志


パラバスケットボール元日本代表の根木慎志


パラバスケットボール元日本代表の根木慎志


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