歌舞伎俳優・中村勘九郎、中村七之助、中村橋之助、中村福之助、中村虎之介、中村鶴松、中村梅花、市川猿弥が5月31日に福岡・博多で『六月博多座大歌舞伎』の「船乗り込み」行事を行った。
「船乗り込み」は現在、大阪と博多のみで行われている行事。博多座では開場した1999年6月に初めて行われ、祭り好きな博多の人々に親しまれ、博多の初夏の風物詩にもなった。2020年から2022年はコロナ禍のため3年間の中止を余儀なくされたが、2023年から晴れて復活。今回で24回目の開催となった。
博多川の沿道には土曜日ということもあり約3.5万人の大勢の歌舞伎ファンが詰めかけるなか、5月の爽やかな風と晴天に恵まれての晴れやかな「船乗り込み」となった。
6月4日の公演初日を控え、提灯や色とりどりの幟を立てた10艘の船に、俳優たちが涼しげな浴衣姿で乗船。紙吹雪が舞う中で船が川を下ると、沿道からは大向うの掛け声や声援が送られ、俳優たちも笑顔で手を振って応える姿が。
川端ぜんざい広場での口上や、鏡天満宮への参拝を行ったのち、式典のため博多座へ移動した一行。高島宗一郎福岡市長のあいさつ、続いて出演者全員が公演への意気込みを込めて来場客へのあいさつ。8人の公演に対するそれぞれの熱い胸の内が語られる度に会場からは拍手が送られていた。
最後は“博多手一本”という博多ならではの手締めが行われ、公演の成功を祈願。大きな一体感に包まれた会場は、笑顔で溢れるものとなった。
以下、勘九郎、七之助からのコメント。
●中村勘九郎
私自身は16年ぶりに博多座の船乗り込みに参加させていただきましたが…「楽しかった」!!今回の船乗り込みは土曜日ということもあり、本当に沢山のご声援をいただき、皆様が期待してくださっていることが伝わって参りました。その期待を裏切らぬよう、出演者・スタッフ・演奏者、みんなで力を合わせて、昼夜共にいい舞台をお届けしたいと思っていますので、ぜひ博多座へお越しください。ご家族ご友人はもちろん、見知らぬ方にも(笑)、ご宣伝のほどよろしくお願いいたします!ありがとうございました。
●中村七之助
本日は本当にありがとうございます。沿道の皆様から、「お帰りなさい」や「観に行きますよ」という言葉と共に「ご結婚おめでとうございます」という声をたくさんかけていただきました。こんなにも大勢の方に結婚を祝っていただけると思っておらず…すごくよい時に船乗り込みをさせていただいたなと思っています。このお礼は舞台でお返ししたいと思います!ぜひ博多座へ足をお運びくださいませ。
■六月博多座大歌舞伎 HP
https://www.hakataza.co.jp/lineup/63