『令和八年度(公社)全国公立文化施設協会主催「松竹大歌舞伎」尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露』製作発表記者会見が3月17日に都内ホテルで開かれ尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎が登壇した。
昨年5月の歌舞伎座を手始めに主要劇場で始まった尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名。7月7日から7月31日までの期間に全国19会場を巡り巡業の千秋楽を迎える。その演目は『雨の五郎』『藤娘』の舞踊2本立てで始まり、ご当地の方々に襲名のごあいさつを申し上げる『口上』をはさみ、続いて音羽屋ゆかりの世話物の名作『魚屋宗五郎』を楽しめる。出演は八代目尾上菊五郎、片岡愛之助、坂東彦三郎、嵐橘三郎、中村雀右衛門となる。
菊五郎はマイクであいさつを始めようとしたが、入っていなかったことに1年前にも同じように記者会見していた際にも同じことをしていたと苦笑いし、和やかななかでの会見に。
八代目菊五郎を襲名して初めてそう呼ばれた時のことへ、「七代目のことかと思いました。最初に菊五郎と言われて。私もまだ1年経たずでございますので、その身に馴染んでいるか申します、まだまだでございます。1日1日、1興行1興行、菊五郎として名乗らせて頂き、舞台に立たせて頂くことが馴染んでいくことだと、今でも思っている次第でございます」と、現在の心境とともに「みなさまのご声援を励みに菊五郎という名前の重みにも背を押して頂いて、毎日舞台を勤めている次第でございます」と、声を寄せてくれる方たちへ感謝も。
約1年経ち「先人たちが築き上げてきたもののスタートラインに立ったにすぎません。その先人たちが築き上げてきたもの。芸を受け継ぐということは、その精神や魂を受け継いでいくことだというふうに思っております。心血を注いで守ってきた家の芸。そしてその型も含めて型っていうのは技術を受け継ぐだけではなくて、精神や魂を受け継ぐこと。それを八代目として昨年5月に襲名していただいてから、ずっと菊之助では感じられなかったようなその菊五郎という名前に対しての重みや、菊五郎に対する思いというものが1興行1興行ごとに強くなっているというのが変化だというふうに思っております」と襲名後の心境を語った。
巡業は7月7日から始まり7月31日までの期間に27公演を執り行う予定とかなりのたいとスケジュールだが、「1日1日移動して行く巡業でございます。一座の結束や普段なかなか交流ができない方たちとも、バスで移動したりとか、一緒に移動したり電車の移動したりとか、そういう中で一座の結束が生まれていく面白さも巡業の楽しさでございます」と、期待している面もあることや、「この巡業を楽しみにしてくださるお客さまがたくさんいらっしゃると思うので、歌舞伎の華やかさ、日本文化に触れていただく機会を持っていただきたいというふうに思っております」と、期待を寄せた。
その巡業中の楽しみとして、菊五郎は「その土地土地に伺って、その土地の空気ですとか、あと神社に行くのがとても楽しみで、朝早起きして神社を巡ったりとか、お城も見、見たりとか、その土地の文化に触れるのが私はとても好きなので、それも楽しみにしているところでございます」と語った。
またかつての巡業の『魚屋宗五郎』で初役を務め、今回の巡業に再び『魚屋宗五郎』が入っているということで、「父(七代目)の近くで、おなぎという役を何度か勤めさせて頂いて父の雰囲気で江戸世話物の雰囲気というものは感じていたものの、その感じることと、いざ自分がやってみるのとでは大変大きな違いを感じました」と、差を話したり、「妹の無念を晴らすためにお酒を飲んでしまいその武家に対して物申すという町人の意地。それから妹の無念。失敗した人でも、必ずその見捨てないという、江戸のその温かさというものがこの『魚屋宗五郎』に詰まっていると思いますので、その温かさを感じていただける舞台にしたいというふうに思っております」と特徴を話していた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ


