「男闘呼組」日比谷野音で「THE LAST LIVE -ENCORE-」!ストーリーが完結

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 成田昭次、高橋和也、岡本健一、前田耕陽によるバンド『男闘呼組』が26日、東京・日比谷公園野外大音楽堂で『祝・日比谷野音 100周年 男闘呼組 2023 THE LAST LIVE -ENCORE-』を開催。最後のライブを開き、35年の歴史に幕を下ろした。

 以下、公式レポート部分。

 30年前の1993年に中止となったツアーで巡る予定だった会場を組み込んだ『男闘呼組 2023 THE LAST LIVE』を経て、『男闘呼組 LAST FOREVER』と題した日本武道館4デイズを見事やり切った翌日に『祝・日比谷野音 100 周年 男闘呼組 2023 THE LAST LIVE -ENCORE-』として用意したのが、この野音での正真正銘LAST LIVEだった。

 (日本武道館ライブの模様:男闘呼組「LAST FOREVER」日本武道館で4日間開催で4万8000人動員

 この日はオープニングアクトとして、男闘呼組メンバーを中心に結成されたRockon Social Clubと何度も共演している妹分、Little Black Dressが「太陽にピース」「チクショー飛行」の2曲で華を添えた。

 開演時間が迫るなか、自然と沸き起こったオーディエンスのクラップがいつの間にか大きな波となって会場を覆い尽くす。最高の舞台が整ったところへ男闘呼組のメンバー4人が姿を現した。その瞬間、熱気が弾ける。1曲目は「ジャニーズ A GO GO」。特効の火花が上がり、ド派手に男闘呼組最後のステージが始まった。

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 男闘呼組というロックバンドの魅力をあげたらキリがないが、なかでも一番は、やはりフロントの3人(高橋和也、岡本健一、成田昭次)がリードボーカルを取れるということだろう。曲によってはそこに前田耕陽も加わり、全員で歌唱し、全員で演奏するというスタイルは稀有にして、ロックバンドの原型がそこにある。

 「35年ぶりの野音!1988年8月7日に男闘呼組はこの野音の舞台に立ちました。帰ってきたゼー!風が気持ちいい。どう、昭ちゃん?」(高橋)
 「うん、そうだね。今日はみんなの顔がよく見える。素晴らしい景色をありがとうございます」(成田)

 MCに続いて披露したのは、「自分勝手」「BACK IN THE CITY」。斜に構えて世の中を睨みつけるような視線で書かれた歌詞が今聴くと真っ直ぐ響くのは、それこそが彼らの曲が時代を超えて生き続ける理由だ。

 「今日は『男闘呼組 THE LAST LIVE -ENCORE-』なので、本当に自由にやらせていただこうと思います」(前田)

 ここからは、男闘呼組の4人が主演した映画『ロックよ、静かに流れよ』に関連するナンバー「ロックよ、静かに流れよ」「ルート 17」「ROLLIN’ IN THE DARK」「LONELY…」を披露した。

 「PARTY」のイントロを途中で止めて岡本がこんな提案をした。「ねえ、PARTY するんだったらさ、その前に乾杯しない?」。ステージにはシャンパンのボトルが。「35年間男闘呼組のことを忘れずにいてくれてありがとう!」と前田が挨拶するとグラスに注いだシャンパンで乾杯した。

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 「ここからは1曲1曲大切に噛みしめてやれたらいいなと思います」(岡本)

 「PARTY」に続いて披露した「YO-YO」では、「YOYO 帰って来い!」という高橋のコールに、「帰って来い!」と今日一番の声でレスポンスするオーディエンスの姿が印象的だった。すっかり陽が落ちて照明がきれいに映えるようになったステージは、いよいよ中盤を過ぎて後半に突入する。

 ミドルテンポのエモーショナルなバンドアンサンブルでオーディエンスをグイグイと引き込んだ「みはり」、アップテンポなロックナンバー「目で見ちゃだめさ」、ハードでキャッチーな男闘呼組らしさの詰まった「Burn it」と、パフォーマンスの熱はクライマックスへ向け高まり続ける。

 次に披露したのは「Midnight Train」。これは、27年ぶりに4人が練習スタジオで音を合わせる際に、プレイしたい曲のリストに入っていた1曲なのだとMCで明かした。本編ラストは「終わらない魂」。

 「35年間、本当にありがとうございました。この4人に会えて、みんなに会えて、幸せでした。いつまでも今この瞬間を胸に刻んで忘れないで生きていこうと思います。皆さんも今日の日のことをずっと忘れないでください」(高橋)

 「昨年から活動を再開して、とにかくライヴ、生の自分たちの姿を届けたい、皆さんの想いをダイレクトに感じたいとライヴをやり続けて、今日この野音に集結しました。男闘呼組は終わってしまうけど、みんなが元気なあいだに解散できることが本当にありがたいと思います」(岡本)

 「35年ぶりにこの野音でライヴができて、当時の若い頃の自分たちも一緒に演奏しているような感じで、こんなに愛おしいファンの皆さんも駆けつけてくれて、素晴らしい夜になりました。男闘呼組のスピリッツは永遠に続くので、皆さんとの絆もずっと繋がっているんで。またみんなで音楽をやっていきます、必ずパラダイスに行きましょう」(成田)

 「男闘呼組でいられて最高に幸せでした。このメンバーで一緒に仕事できたことが僕の人生の最大の誇りです。皆さんも僕らを応援したことを誇りに思ってこれからも生きてください」(前田)

 男闘呼組のメンバー、会場が一体となって“ラララ”の歌声を響かせた。

 しかし、このままライヴは終わるはずがない。なぜならまだ、あの曲もこの曲もやっていないからだ。

 ということでアンコールは、「TIMEZONE」「秋」「DAYBREAK」の3連発。この3曲は会場のオーディエンス、配信で見ている人たち、すべての男闘呼組ファンのための演奏だった。

 Wアンコールで「パズル」をパフォーマンスした後、すべての曲を終えてもなお、会場からの拍手は止まない。メンバーが三度ステージに登場して予定にない1曲を披露した。「FOREVER」。全員の目に光るものがあった。男闘呼組のストーリーは完結した。そしてここからまた始まるストーリーがあるのを我々は知っている。でも今はただ一緒に、こう叫びたい――“We are 男闘呼組!”

 ※記事内写真は(c)AKI SANTIN

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