μ’s「さよなら」ではなく「またね」!続いている“みんなで叶える物語”

μ's「さよなら」ではなく「またね」!続いている“みんなで叶える物語”3

 『TVアニメ放送10周年記念 LoveLive! Special Talk Session』Day2夜公演が24日、東京ガーデンシアターで開かれスクールアイドルグループ『μ’s』の高坂穂乃果役の新田恵海、南ことり役の内田彩、園田海未役の三森すずこ、星空凛役の飯田里穂、西木野真姫役のPileが登場。トークに歌唱にと、集まったファンたちと久々の時間を一緒に楽しんだ。

 3月30、31日に開催される人気コンテンツ『ラブライブ!』シリーズ初のオーケストラコンサート『TVアニメ放送10周年記念 LoveLive! Orchestra Concert』。同イベントに先立って『ラブライブ!』シリーズの第1作『ラブライブ!』に登場する9人組スクールアイドルグループ『μ’s』(ミューズ)のキャスト陣が、『ラブライブ!』の歩みをトークするというコンセプトのイベントとなっている。『μ’s』キャストは2020年1月に開催された『LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス』や『ラブライブ!』シリーズキャストとの合同イベントなどへの出演はしているが、『μ’s』単独でのイベントは2016年4月1日に東京ドームで開催した『ラブライブ!μ’s Final LoveLive!~μ’sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪~』Day2以降、約8年ぶりのものとなっている。

 開演直前には1stシングル『僕らは今のなかで』がかかり、観客たちも楽曲にあわせて声を出し熱気にあふれる。そんななか開演時間となり、アタック映像後にドロップされた1曲目はTVアニメ第2期OPで2015年の『第66回NHK紅白歌合戦』でも披露した『それは僕たちの奇跡』。暗転したステージにイントロが流れるなか1人、また1人とスポットライトが当たり歌唱パフォーマンスを繰り広げ、スタートを切った。

 歌い終えて新田は「回を追うごとにみなさまの熱気が増しております!」と、その勢いを感じているようで、今後「なかなか言える機会がないかもしれないから」と穂乃果の「ファイトだよ!」を声いっぱいに張る。さらに、新田はアニメ『ラブライブ!』の劇中にも出てくる“聖地”神田明神に本公演の成功を願ってお参りしたことも明かしていた。

 事前に寄せられたおたよりを読む『音ノ木坂学院 投書箱コーナー』では、『μ’s』の楽曲を聴いて励まされ、青春時代を思い出したという方からのメッセージが続出。それらを聴いた後に飯田は「タイムスリップしてあのころのようにっていう、みんなの人生の中に1曲が入っているよね」と、感慨深げだったり、内田は「私たちも8年前のライブが終わった後、違う現場で会うことが会ったりしたことがあったんです。でも、この場に、現場に『μ’s』としてそろうと、青春を取り戻したような気持ちになって、一緒なんだなって」と『μ’s』として集まることへの特別な気持ちを話して、4人を見回しほほ笑みをかわしていた。

 続けてのコーナーは、『μ’s』の伝統にしてキャストは緊張の瞬間といいDay1では本人たちによると「グダグダとなってしまった」という『演技のお時間リターンズ』。与えられたシチュエーションに対して、メンバーならどう反応するかというものをキャストがアドリブで披露するというもの。作家・公野櫻子氏からの公式の台本も用意されるなかでのもの。

 Day1とは打って変わって5人ともバッチリとやりきることに。とくに、“もしYouTuberになったら、どんな動画を作るか”というお題を与えられた際に、三森は、お散歩動画といった体で始まったが高尾山の登頂する登山チャンネルとなり、そのオチには、TVアニメ第2期2話で園田海未が発したセリフ「山頂アタックです!」のセリフまで入れ込んだ完成度を見せる。飯田も同じお題に星空凛はラーメンが大好物ということで、ラーメンを紹介するYouTuberとなるという設定や、訪れたラーメン店の店名を“輝夜の城で踊りたい”にしており『μ’s』の楽曲名をそのまま入れ込む流れるような展開と、オチも凛なら言うかも……というような雰囲気満点のセリフを繰り出していた。

 トークパートラストのコーナーは『μ’sイメージアンケート』。お題に対して、ファンが事前にアンケートに答えており、その集計結果を5人が予想するという展開。『異世界転生した場合まっさきに状況を受け入れそうなメンバーは?』と『μ’sメンバーでシンデレラを演じるときに誰が王子様役をやる?』というもの。“王子様役”では5人が声をそろえて絢瀬絵里を挙げたが、結果はその通りのイメージ通りとなっていた。

 後半はライブコーナーへ。『僕らのLIVE 君とのLIFE』からとなり、歌詞の“♪望みは大きくね”の部分では、内田が東條希のパネルに駆け寄って、紹介するように手を添える遊び心を見せたり、新田&Pileが肩を組んで歌唱することも。直後のMCで新田は、「Day1公演のときに、まさか『μ’s』がこんなに歌うなんてと思われたかもしれません」と話し、その観客の驚きが熱気に変わったと感じたとも。

 次の曲は話し合って楽曲を決めたという、これまでの2公演と違う『TVアニメ放送10周年記念メドレー』へ。その1曲目の楽曲は『START:DASH!!』となり、TVアニメ第1期3話版の映像とともに、新田・内田・三森が観客たちに背中を向けた状態から1人ずつ振り返るシンクロ演出から、3人がメイン歌唱に。ここは観客たちもペンライトを3人のイメージカラーに変えて応援する光景が。

 メドレー2曲目はミドルテンポのポップな曲調の『これからのSomeday』、3曲目はハロウィンを意識したような楽曲『Dancing stars on me!』で新田&飯田が“にゃんにゃん”な振付や腕を組みながら歌う。4曲目『どんなときもずっと』でメドレーを終え新田は、「思い出がたくさんあって、歌いながら思い出しました。アニメの思い出もライブの思い出もたくさんあるよね」としみじみ。キャストのなかには、感極まるあまり『どんなときもずっと』では歌唱を飛ばしてしまうというほど、気持ちがグッと入ったそうだ。

 そして本編ラストの楽曲『No brand gir』へ新田から「これが『μ’s』だっていうのを受け取って帰ってほしいです。きょう一番元気な声でお願いします!」と呼びかけてから歌唱となり、観客たちもより応援に声を張って会場一体となってのパフォーマンスとなっていた。

 アンコールは楽曲『ミはμ’sicのミ』。観客たちに振付を丁寧にレクチャーしてからスタート。歌詞の“♪積み重ねた”では三森&飯田が隣り合って手を重ねあっていく様子や、Bメロの“♪手を取りあって進もうと走り続けた”では新田&内田が手繋ぎ、三森&飯田が手を取り合って走ったりする光景が広がった。

 全パフォーマンスを終えて1人1人のスピーチへ。

 Pileは「『ラブライブ!』が『μ’s』がもっと好きになっちゃいましたか?みんなと一緒に、私もたくさん楽しみました!こうやって、またみんなと一緒にすごく楽しく過ごせたら」。

 「これが最後だと思うと、とっても名残惜しい」と切り出した内田。企画段階からここまで長い時間がかかってたどり着いたと振り返りつつ、「こういう歌を歌いたいとか、たくさんたくさんありすぎて」と開演前は思っていたそうだが、「でも、みんなとお会いしているだけで」心が満たされるものがあったそう。さらに『ミはμ’sicのミ』歌詞の最後「♪μ’sicforever 忘れないで 君と僕の足跡」に「ウルウルと来ています」と、瞳を潤ませ「『ラブライブ!』という作品は私たちの中でも、みんなのなかでも続いていくんです。歌ったり笑ったりする時間があればいいなと思っています。また会おうね!」と、メッセージを寄せた。

 飯田もスピーチを始める前から、「楽しい日だったからそんなことはしない」と、涙がこぼれないように上を向いて気持ちを整えると、まずは『μ’s』の本格的な活動時代から支えてくれ今回の公演も支えてくれたスタッフに感謝するとともに「こうやって私達がまたステージをできたのも、みんなが忘れないで応援し続けてくれたからと思っています。なかなか短期間で会える形になってないかも知れません。けれど、忘れずに居てくれたら、また会える機会が作れるかもしれませんよね。10周年をやったってことは、節目で楽しい時間が過ごせるかもしれないので『ラブライブ!』と『μ’s』を忘れないでいてもらえれば」と、涙せずに言い切っていた。

 三森は「久しぶりにみなさんの前で『μ’s』として歌うことができて、“どんな感じかな?”ってドキドキしていたんです。でも、曲が始まってみたら、きのうのことのように、8年前のステージを思い出したし、みんなの笑顔は変わらないなって感じました。いつもキラキラした笑顔を向けてくれてありがとうございます」と、観客たちにお礼し、「みんながいろいろな状況で、この10年を過ごしてきたと思います。けれど『μ’s』を忘れずに見てくれていて、私も今後も頑張ろうと思える力の源になっています。そしてこれからもよろしくお願いします」。

 新田は4人のスピーチと『ミはμ’sicのミ』の歌詞が心に響いたといい、「全部がここにあるなって。思い出とか、すべてあるのが今なんだって」と、しみじみ。また『ラブライブ!』シリーズでは『μ’s』は“長女”として見られがちだが、「先輩じゃなくいられる時間って、私にとっては特別なんです。後輩たちの前ではちゃんとしなきゃって思うし、みんなが温かいんです。一緒に頑張ってきた仲間たちなんだって」と、『μ’s』単独イベントだからこその心境を吐露。

 さらに新田は「『μ’s』の物語は奇跡が重なって、すごいことがたくさんありました。でも、それって終わってなかったんだと思いました。昔から応援してくれていたみなさん。私たちのFinalライブが終わってから好きになってくれたみなさん。そして、これから出会ってくださるみなさんと、まだまだ、『みんなで叶える物語』なんだって」と、プロジェクト『ラブライブ!』のテーマはいまだ続いているという心境とともに「どうしましょう。また新たな夢が生まれそうです」とほほ笑む。そして、新田は「またこの言葉を、みんなと笑顔で会える日まで」というとキャスト&観客たちとともに穂乃果の「ファイトだよ!」とポーズとともに叫び、「名残惜しいけど、μ’sicforeverという言葉を大切にしてくれたら会えると信じて」との言葉とともに、スピーチを終えた。

 そして観客たちに「さよなら」や「バイバイ」ではなく「またね」と、5人で手をいっぱいに振るなかで、イベントを終えていた。

 ■セットリスト
 OP:それは僕たちの奇跡(TVアニメサイズ)
 【トークパート】
 M1:僕らのLIVE 君とのLIFE
 M2:TVアニメ放送10周年記念メドレー
 ① START:DASH!!(TVアニメサイズ)
 ② これからのSomeday(TVアニメサイズ)
 ③ Dancing stars on me!(TVアニメサイズ)
 ④ どんなときもずっと(TVアニメサイズ)
 ――MC――
 M3:No brand girls

 EN:ミはμ’sicのミ

 ※記事内写真は(C) 2013 プロジェクトラブライブ!

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