俳優・小栗旬、窪塚洋介が6月28日に大阪ステーションシティシネマで映画『フロントライン』(監督:関根光才/配給:ワーナー・ブラザース映画)大阪舞台あいさつを増本淳プロデューサーとともに開いた。
2020年に入ってから世界的流行(パンデミック)を引き起こした新型コロナウイルス。その新型コロナウイルスを事実に基づく物語としてオリジナル脚本で映画化した作品。物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客乗員は世界56ヶ国の3711人。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。本作ではその最前線に「命」を救うことを最優先駆けつけた医師や看護師たちを描いている。
6月13日より上映がスタート。オープニングは観客動員数25万人、興行収入は3億4699万円を記録しているが、公開2週目を迎えても好調をキープ。動員ランキング2週連続3位にランクイン!観客動員数74万人、興行収入は10億円を突破!(2025年6月27日時点)最終興行収入20億円も視野に入る、大ヒットを記録していることも明かされた。
以下、公式レポート部分。
DMATの指揮官・結城英晴を演じた小栗は、公開後の反響について聞かれると、「『この作品に勇気をもらった』という声をいろんなところでいただいています。“結城”だからかな?(笑)」と、自身の役名にかけた冗談を交え、場を和ませた。船内DMATの実働部隊トップ・仙道行義を演じた窪塚は、「この映画のすごいところは、観ている間に自分も登場人物の一人だと気付ける、新しい映画体験ができるところです。自分自身もこんな風に映画を観たことはなかった。」と振り返り、改めて共演者やスタッフ、そして観客に感謝を伝えた。プロデューサーの増本は、「2020年にこの取材を始めたときには、こんな風に皆さんの前に立つことは想像していませんでした。このようにたくさんの人に観てもらえたこと、そして作品のメッセージが届いていることに感謝しています。」と語った。
先週21日(土)に続き、2度目の大阪登壇となった窪塚。一方、小栗にとっては2019年以来、約6年ぶりの大阪での舞台挨拶となる。プライベートでも親交のある2人はゴルフ仲間でもあるとのことで、大阪での思い出について聞かれると、窪塚が、「(ゴルフ場で)正座させられたこと。」と即答。ゴルフ初心者の窪塚が小栗に「俺らが勝ったら正座ね」と冗談交じりに言われ、結果しっかり正座させられたというエピソードに、会場からは笑いが起こった。
ここで、上映後の舞台挨拶ということもあり、SNSで質問を募集したQ&Aコーナーがスタート!
最初の「キャストの演技で思わず心が震えたところは?」という質問に小栗は、舞台挨拶の前日に改めて作品を観たことを明かし、「池松壮亮演じるDMAT隊員・真田がコーヒーを一気飲みするシーン」を挙げた。さらに、直前に真田と対峙する医師・宮田を演じた滝藤賢一の演技も絶賛。実は台本には「コーヒーを渡す」としか書かれていなかったが、その後のやりとりは池松と滝藤のアドリブだったという。この話は小栗も窪塚も初耳だったようで、窪塚は、「キャストだけじゃなくて、エキストラの方々を含め、みんなが本当に良かった。」とみんなで作り上げた作品だと語った。さらに小栗が、「仙道先生、かっこいいな~」と窪塚の演技に触れると、窪塚が、「でしょ!」と笑顔で応じる場面もあった。
続いて、「次に共演するなら、お互いどんな役を演じてみたいか?」との質問に窪塚が、「旬は忙しいので、そんな時間はないと思います!(笑)」とジョークを飛ばすと、会場からは笑いが。小栗からの、「これはありきたりな話ではなく、DMATの話って他でもできると思ったんですよね。また“結城”をやりたいです!」との答えには、増本プロデューサーも、「本当ですか!?」と驚き、会場からは拍手が沸き起こった。また、窪塚が、「(小栗演じる)結城のモデルになった阿南先生と、(自身が演じた)仙道のモデルになった近藤先生は、今も能登地震の現場で活動されている。今この瞬間にも、劇中で描かれたことと同じ思いで医療に従事しているDMATの方々がいることを日々感じている。」と話し、現実の医療現場に想いを馳せる場面もあった。
最後の質問は、「人の命を救うことの尊さと大切さを改めて感じました。将来医療従事者に携わる人間として、現在専門学校に通っています。相手や自分を大切にする上で、大事にしていることや心がけていることがあれば教えていただきたいです。」というもの。小栗が、「この作品では“人道的であるか”ということが大きなテーマになっているので、人としてどうあるべきかを自分も改めて考えながら、生きられる人になりたいと思いました。」と回答し、さらに、「相手へのリスペクトがあれば、関係性も自然と良くなってくると思います。」と話すと、すかさず窪塚から、「それがあればメッセージの返信もすぐ来ると思います!(笑)」と小栗に対してツッコミが。小栗が、「最近はめちゃくちゃ早く返してます!(笑)」と返すと、会場は和やかな笑いに包まれた。
ここでQ&Aは終了となり、小栗は、「『この作品を観て勇気をもらった』『改めて医療従事者の方々への感謝が沸いた』といった声をいただいていますが、改めて映画を観返して、自分自身も仕事に誇りを持ちたいと思える作品になりました。」と改めてメッセージ送った。さらに、一番好きなシーンについて聞かれると、「全ての下船作業を終えた池松壮亮演じる真田が、家族のいる家に帰った後のシーン」と答え、それを聞いていた窪塚と増本も大きく頷き、窪塚も、「また観たくなっちゃいました」と呟く場面もあった。
さらに、増本プロデューサーが、「屋上のシーンの小栗旬がカッコよすぎるから、監督に撮り直してほしいと初めて言ってしまった。」と、これまでにないリクエストをしたことを告白し、それに小栗が照れる場面も。窪塚は、池松が、「この映画の話をいただいた時に、DMATが船に乗るか乗らないかを考えた気持ちと一緒だったと思う。」と話していたことを明かし、「僕はこの役をやるために俳優になった。」と、その言葉に強く胸を打たれたという。続けて窪塚は、「コロナ禍で失った時間や、大切な人、出来事があると思いますが、この映画を観ることで『前に進もう』『頑張ろう』という気持ちに変えてくれると思います。」と力を込めて観客にメッセージを送った。最後に小栗が、「今回この『フロントライン』で窪塚洋介と仕事ができて、本当に嬉しかった。」と締めくくると、窪塚も「俺もだよ!」と笑顔で応え、会場は大きな拍手と温かな空気に包まれながらイベントは幕を閉じた。
※記事内写真は(c) 2025「フロントライン」製作委員会