（撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ）
俳優・水谷豊、寺脇康文が7月24日に東京・丸の内TOEIで『相棒 -劇場版- 絶体絶命！42.195km 東京ビッグシティマラソン』（監督：和泉聖治／配給：東映）上映前舞台あいさつを開いた。
東映が制作しテレビ朝日で2001年から放送され続けている刑事ドラマシリーズ『相棒』。本作はテレビ朝日開局50周年を記念して2008年5月1日に公開された1作目の劇場版で、興行収入44.4億円にのぼった大人気の作品となっている。園も語りは、東京ビッグシティマラソンがテロの標的にされ3万人のランナーと15万人の観客を巻き込んだ未曾有の事態に発展することを阻止すべく警視庁特命係の杉下右京（水谷）と、亀山薫（寺脇）が奮起する。
今回のリバイバル上映は7月27日に65年の間、映画作品を届け続けた丸の内TOEIが閉館することにかけたプロジェクト『さよなら 丸の内TOEI』の一環として開催となる。
劇中衣装で登場した2人。2人で舞台あいさつに立つのは実に17年ぶりだそうだが、水谷は「杉下右京です」と自己紹介すると、客席から「右京さーん！」の黄色い歓声が飛ぶなど、まさにお祭りのような雰囲気でイベントはスタート。
ドラマシリーズの撮影が始まったという1999年に2人でいつか劇場作品にという気持ちが本作で叶ったといい、そのとき本劇場でも舞台あいさつを行い水谷は「17年前にこの場に立ったときに感慨深かったです」としみじみで、寺脇は「ここに来たら『相棒』の視聴率100％ですもんね」と、ファンとやりとりするのを楽しみにしていたそうだ。
当時の撮影の思い出として、寺脇が「隅田川に飛び込むシーンがあったんですけど、あの時すごく寒くてプルプル震えてて、温かいロケバスに戻ったんですけど、そこでも割り箸を割れないくらい震えてて」と、きのうのことのように実感を込めて話す。さらに寺脇が水谷が炎を背負って歩いてくるようなシーンもあると話そうとしたところ、そこは水谷が寺脇の袖を引いてネタバレを防止するコンビネーションを見せることも。
水谷も「始まったころに右京って近寄りがたいどこか嫌な奴でした。それでロケに行くと、ギャラリーのみなさん寺脇の方に行くんです」と当時を回想しつつ、近年は「近寄ってきてくれて」と右京人気を伝えていた。
さらに、ドラマ『相棒』が前後編などで届けられることが多いそうだが、水谷によると前後編を始めた当時は「ものすごい顰蹙を買ったんです。亀山（寺脇）くんとロケに行った先でギャラリーの方から『なぜ引っ張るんだー！』って言われたり」という声を浴びたとも。それも近年では「だんだん前後編を楽しみにしてくれる方が増えて」と、ファンに受け入れられているそうだ。
長期で楽しめる『相棒』だが、水谷は時間の流れを感じているといい、それでも「『相棒』は始まったときに、大人がTVを見なくなった時代と言われていました。そこで、大人をTVに振り向かせたいとなって、社会的であること、そしてエンターテインメントを入れて、社会派エンターテインメントということにしようと。それと、2人で今を行きていこうと言って始まって今に至っています。その時代、時代がいつも画面には映っているはずです」と、古びない魅力があるという。
14年ぶりに初代・相棒の亀山が帰ってきたことも話題となったが、寺脇としても「戻ってくるとは微塵も思ってなかったんです。豊さんからお電話を頂いて、青天の霹靂でしたよ。亀山として帰れる！ありがたい！！って」と、寺脇の驚きが伝わってくる様子を再現していると水谷は「『あなた本当に豊さん？』とか言ってたよね」と、そのときのリアクションを楽しそうに回想することも。
「だから、あと20年はやらせてください！」
さらに、寺脇は「私60歳になりますけど、大丈夫ですか？」と年齢的にも亀山役が気になったそうだが、司会によると寺脇のマネージャーが最近寺脇が若返っていると話していたといい、「体を鍛えなきゃとなってて。だから、あと20年はやらせてください！」と水谷に深々とお辞儀してお願いしていた。
エピソードは尽きず、ドラマ『刑事貴族』で共演していたという水谷と寺脇。ドラマ終了後に寺脇は「7年くらいしたら、また一緒に何かすれば良いんじゃないって別れたんです。それで7年後に『相棒』なんです」と、予言のようになったとしみじみだった。
取材・撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ
立ち去ろうとする寺脇の服を掴む水谷
寺脇が振り返る
2人で二階席まであいさつ
戻る際によろけそうになる