俳優・佐藤健、宮﨑優が8月15日に東京・ユナイテッドシネマアクアシティお台場でNetflixシリーズ『グラスハート』体感上映会に登場した。
作家・若木未生氏の小説『グラスハート』を佐藤自身が映像化を念願し、みずから企画した作品。所属していたバンドを理不尽な理由でクビになった大学生・西条朱音(宮﨑優)。打ちひしがれる朱音だったが、孤高の天才ミュージシャン・藤谷直季(佐藤健)から突然、彼が率いる4人組の新バンド「TENBLANK(テンブランク)」のドラマーとしてスカウトされる。藤谷が生み出す唯一無二の楽曲と、4人の熱く激しい演奏により、瞬く間に世の中を席巻していくTENBLANK。しかし快進撃を続けるバンドの前に、数々の壁が立ちはだかる……という物語。
以下、公式レポート部分。
配信開始から2週間が経ち、SNS上では日本のみならず英語での投稿も多く寄せられ、世界中から絶賛の声が集まっているNetflixシリーズ「グラスハート」。
なかでも特にエモーショナルな第9話と、ライブシーンが見どころの第10話を全身で体感できるスペシャルイベントが開催され、会場にはペンライトやグッズを手にしたファンが続々と来場。上映前から熱気に包まれていた。
第9話の本編終了直後、突然、西条朱音役の宮﨑優がマイクで「先生、緊張しますね」と声をかけると、藤谷直季役の佐藤健が「緊張しちゃうよね、朱音ちゃん」と応じ、宮﨑が「じゃあ行きましょう!」と呼びかけた。その直後、佐藤が本編10話で実際に着用した衣装で客席後方から登場。観客一人ひとりにマイクを向けて感想を聞きながら歩くサプライズ演出に、会場のボルテージは一気に最高潮に達した。
佐藤は「映画館で見るのは違いますか?」と観客に問いかけ、「とにかくいい音響で見てほしいドラマなので、こういった機会を頂けて嬉しいです」と挨拶。宮﨑も「皆さんから日々反響を頂いて、本当に嬉しい気持ちです。サイリウムも振って、皆で楽しく見られたら」と笑顔を見せた。
撮影エピソードを問われた佐藤は「もう無限にあります。逆に何の話が聞きたいですか?」と逆質問し、観客からは「キスシーン!」とまさかのリクエストが。宮﨑が「佐藤さんの無茶振りがあった」と暴露すると、佐藤は「僕たちは約8か月かけて撮影したんですが、あのシーンだけはどうしても寒い時期に撮りたくて、いきなり9話を撮ったんです。寒さって手に出るんですよ」とこだわりを明かした。
さらに、9話で描かれる藤谷と高岡(町田啓太)の車内シーンについても言及。「高岡のスケジュールが大河ドラマで押さえられなくて、シーンを減らさざるを得ないと言われたんですが、僕がごねて(笑)何とか調整してもらいました」と裏話を披露。撮影では、野田洋次郎が作曲したタイトル曲「Glass Heart」を流しながら芝居を行ったが、「ある日突然、野田から“ラスサビを全部変えました”ってメールが届いて(笑)。でも当初のメロディーがあまりにも素晴らしくて、最終的に野田がそのメロディーをシンセで弾いてくれて、あのシーンの劇伴は野田洋次郎が担当してくれたんです」と、音楽面での秘話も明かした。
宮﨑は、志尊淳との共演シーンでのエピソードを披露。「志尊さんがアドリブで『ちょ、待てよっ!』と木村拓哉さんのようなセリフを発してきて驚きました」と振り返ると、佐藤が本編でも話題になっている志尊演じる坂本が宮﨑演じる朱音をバックハグするシーンも例に上げ、「志尊は木村拓哉さんが憑依していた」と応じ、会場は笑いに包まれた。
続く最終話となる第10話は、迫力のライブシーンを中心に構成されている。佐藤は「僕が一番好きなのは、宮﨑が(ドラムを叩きながら)『生きてて色々あるよね!』と叫ぶシーン。本当はドラム台の上に立ってほしかったくらい(笑)」とちゃかしながらもコメントし、一方宮﨑は「10話はみんなで見ることに意味がある。それをこんな大きなスクリーンで見られるのが嬉しいし、とんでもなくカッコいいシーンを楽しんでください」と呼びかけた。そのままふたりは観客席へと移動し、ファンと肩を並べながら第10話を鑑賞するという贅沢な演出が実現。
拍手や手拍子、発声はもちろん、スタンディングもOKとあって、1曲目が始まるやいなや観客は一斉に立ち上がり、手拍子を送り、サビを大合唱。本物のライブ会場さながらの熱狂が場内を包み込んだ。照明演出も相まって、身を乗り出す人、中には涙を流す人の姿も見られ、藤谷のMCでは一転して場内が静まり返り、すすり泣く声が響いた。役名を叫び、呼応する声も飛び交い、まるで音楽フェスのような盛り上がりとなった。
上映後、再びステージに立った佐藤は「素晴らしい経験でした。何度も試写会をやらせてもらっていますが、こんな試写会は初めてです。感無量です。」と感激の面持ちでコメント。宮﨑も「10話は本当に凄まじい威力があって、うるうるしながら色々思い出しました。さみしい気持ちと嬉しい気持ちが入り混じる、不思議な感覚でした」と振り返った。
観客からのリクエストを受け、話題の、藤谷のライバル・真崎桐哉を演じる菅田将暉との胸アツのライブシーンのエピソードについて佐藤は「菅田将暉なんてスケジュールが一番取れない。だから1月からの約8か月の撮影期間のうち、菅田とのシーンは3月にすべて撮り終えた」と、かなりのタイトスケジュールだったことを明かし、日本を代表する超豪華俳優陣たちが共演する本作だからこその秘話も伺い知れた。
宮﨑は「エキストラの皆さんとたくさんお話をしました」と振り返ると、会場からは「撮影行ったよー!」という声が。実際にエキストラとして参加していた観客もおり、佐藤は「空き時間をいかに楽しんでもらえるかと思って、たくさんトークしました」と語り、長時間にわたる撮影に参加したエキストラへの気遣いものぞかせた。
配信スタート後、宮﨑のもとにはファンから様々な考察が届いていたそうで、改めて多くの方に作品が愛されていることへの喜びと共に、「私自身もみなさんと一緒に最初から見直したい気持ちになりました!」と、いちファンとしての作品への思いを熱く語った。そして佐藤は、「こんな最高なイベント、恒例行事にしたいくらい楽しかったです! 皆さんが盛り上げてくれればくれるほど、こういう機会も増えるし、また会いたい。ぜひ皆さんで『グラスハート』を盛り上げてください」と締め括り、惜しまれつつも鳴り止まぬ拍手と歓声に見送られながら、「グラスハート」の世界を全身で体感した特別な夜は幕を閉じた。