歌手・米津玄師が10月10日に公開予定の実写映画『秒速5センチメートル』の主題歌を担当していることが8月21日に発表。あわせて主題歌は書き下ろし楽曲『1991』(ナインティ―ンナインティワン)となったことも明かされ、新アーティスト写真も解禁となった。
米津は1991年生まれ。10代の頃、新海誠氏の『秒速5センチメートル』と新海氏自身が書き下ろした同作品の小説に深い感銘を受けた。主人公・遠野貴樹と、ヒロイン・篠原明里が出会ったのが1991年。ふたりが小学校で心を通わせ過ごしたまばゆい日常、大人になってからも色あせない「あの頃」が、主題歌のタイトルに刻まれており、米津自身、原作の世界観をリスペクトしながら、主人公に自らを重ね楽曲を制作した。
『秒速5センチメートル』は、『君の名は。』(2016年)、『天気の子』(2019年)、『すずめの戸締まり』(2022年)など、記録的な大ヒット作を生み出してきた新海誠氏が、脚本・監督をつとめ、2007年に公開された劇場アニメーション作品。センチメンタリズムが凝縮された新海ワールドの原点との呼び声も高く、公開から18年たった今もなお愛され続けており、今回、実写映画として奥山由之監督がメガホンをとっている。
奥山由之監督も1991年生まれとなり、米津と同年齢。米津の「感電」「KICK BACK」ミュージックビデオやアーティスト写真を手掛け、深い信頼関係を築いてきた2人が、主題歌と監督として新たなタッグを組む。
今回の発表にあわせて米津と奥山監督からコメントが寄せられた。以下全文。
◯米津玄師 コメント
映画を試写で初めて見させてもらった時、冒頭から終わりまで全てのカットに奥山さんの熱意と執念が滲むその出来栄えに「すごいものを見た」という興奮をおぼえました。子供のころ原作と出会い、数年まえMV監督としての奥山さんと出会い、やがて映画監督にもなった彼がこのような素晴らしい映画を撮り、そこにわたしの居場所があったのが嬉しくてなりません。映画の為に書き下ろした曲であるのはもちろんですが、先述の経緯による影響もあってか同時にわたしの半生を振り返るような曲にもなってしまい、映画のキーワードでもあるところの1991というタイトルにさせてもらいました。どうかよろしくお願いします。
◯奥山由之監督 コメント
互いに「1991」年に生まれ、同じ時代にものづくりを始めて、だからこそ(きっと)似た悩みをくぐり抜けながら、時に一緒に創作をしてきた米津さんと、ついに『秒速5センチメートル』を共に描けたことが嬉しくてなりません。
主人公である貴樹の半生に、映像や音楽を通して僕ら自身を重ねて描くことの意味が「1991」という曲の筆跡に詰まっているように感じて、初めて聴いたとき、その歌詞と音色に心が震えました。一歩一歩の歩みを大切に踏みしめるような旋律を、ぜひスクリーンで体感していただけましたら幸いです。
■劇場用実写映画『秒速5センチメートル』予告2/ 主題歌 米津玄師「1991」
https://youtu.be/HcXduBwK5B4