東京都 都立墨東病院における【新型コロナウイルス】感染者の発生について

 東京都は、都立墨東病院の1病棟において、新型コロナウイルスの感染が確認された患者が複数発生したと発表した。

 1 発生場所
  都立墨東病院内の1病棟(所在地 墨田区江東橋4-23-15)
 ※当該病棟は、循環器系疾患を中心に受け入れる一般病棟であり、新型コロナウイルス感染(疑い)患者が入院する病棟ではない。

 2 経過等
 (1)経過
 患者A
 ・3月下旬に当該病棟に入院し、4月初旬に当該病棟から退院
 ・同月中旬に呼吸困難の症状があり再入院し、PCR検査の結果、本日「陽性」が判明
 ・現在の症状は重症である。
 患者B
 ・4月初旬に当該病棟に入院
 ・入院中に発熱あり、CTで肺炎像を確認。PCR検査の結果、本日「陽性」が判明
 ・現在の症状は中等症である。

 (2)現在判明している事実
 ・当該病棟内に、4月中旬に発熱した患者Cが、現在、個室で経過を観察。本日、PCR検査を実施。現時点では、その他の患者に感染を疑わせる症状は見られない。
 ・陽性となった患者と本日から14日以内に接触した職員は、全部で42名である(医師4名、看護職員33名、臨床検査技師1名、放射線技師3名、事務1名)。このうち3名の当該病棟に勤務している職員が発熱症状を申し出ている(うち1名は現在解熱)。現時点では、その他の職員には症状は見られない。
 ・職員は、患者の診療や処置を実施する際はサージカルマスクの着用及び手指消毒等の標準予防策を実施していた。
 ・当該病棟を3月下旬に退院した患者Dが、4月初旬に発熱し感染症の専用病棟に再入院。PCR検査で4月9日に「陽性」が判明。また、当該病棟で業務に従事した委託職員Eも4月初旬に発熱があり、PCR検査で同日に「陽性」が判明している。患者D及び委託職員Eについて、所管保健所の指導等も踏まえて他の患者及び職員との接触状況を確認したところ、発症以後の接触はなく、この時点では自宅待機等の対応を行うべき対象者はいなかった。
 ・今回も所管保健所に指導を仰ぎながら調査を行っているが、陽性が判明した患者間での濃厚接触等の接点は見られず、現時点では感染ルートは不明である。

 3 対応状況
 ・陽性が判明した患者A及び患者Bは、感染症の専用病棟に入院し管理を行っている。
 ・当該病棟に入院中の他の患者に説明を行い、継続して健康観察を行う。
 ・当該病棟退院から14日以内の患者には、電話で連絡をし、症状があった場合には病院に連絡するよう伝えている。
 ・所管保健所の指導により、接触のある職員42名についてPCR検査を実施し、陽性患者との接触から14日間の自宅待機を行う。
 ・病棟の手すり、ドアノブ等の高頻度接触面の消毒を毎日行っている。
 ・引き続きサージカルマスクの着用及び手指消毒等の標準予防策を徹底する。

 4 今後の診療体制について
 ・9日から当該病棟への新規入院・院内他の病棟からの転入を制限している。また、この制限は、現在入院中の患者が当該病棟に入院している間、継続する。
 ・外来及び当該病棟以外の病棟への入院については、保健所の指導及び当院感染症専門医の助言等を踏まえて検討したところ、陽性となった患者A及び患者Bが発症以後に、外来及び他の病棟の患者及び職員との接触が確認されていないことから、通常どおり診療を継続する。