伊藤健太郎 主演映画「冬薔薇」舞台挨拶に立ち「この景色を見れていること非常に嬉しく思っています」 阪本順治監督の「待っている方たちの前にお連れする」に天を仰ぐ

伊藤健太郎 主演映画「冬薔薇」舞台挨拶に立ち「この景色を見れていること非常に嬉しく思っています」 阪本順治監督の「待っている方たちの前にお連れする」に天を仰ぐ10

 俳優・伊藤健太郎(24)が17日、東京・新宿ピカデリーで主演映画『冬薔薇(ふゆそうび)』(脚本・監督:阪本順治/配給:キノフィルムズ)完成披露上映会に俳優・小林薫(70)、余貴美子(66)、阪本監督(63)とともに登壇した。

 ある港町が舞台。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男・渡口淳(伊藤)が主人公。そんなさなか、淳の仲間が何者かに襲われ事件が起き、そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らない人物だった……という阪本監督オリジナル脚本で、人間の業を切なく儚く紡ぐ。

 白いシャツにタイを合わせ、ダブルの黒ジャケットをあわせた衣装で登場した伊藤。「きょうここにこうやって立てていること、この景色を見れていること非常に嬉しく思っています」と、万感の思いを伝えると、阪本監督も、「一言だけ」と言った後にしばらく間を置き、「感慨深いところもありまして、きょうありがとうございます」と、感じ入る姿が。

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 司会から「緊張されてますか?」との声がかかった伊藤は「味わったことのない感覚というか……この景色を見たかったなと思いながら過ごしてきて……」と、言葉に詰まり上を向いて涙をこらえる様子もあり、観客からは大きな拍手が送られた。

 阪本監督に起用してもらったときのことへ「自分がこうしてまたスクリーンに戻ってこれるんだと思ったときに、すごく嬉しかったですし、あのタイミングで手を挙げてくださった阪本監督には感謝しかないなという思いでした」と話す。阪本監督が話を受ける前に約2時間ほど膝を詰めて話をしたそうで、自身のことはもちろん阪本監督が自分のことを話してくれたことで伊藤は「こんなに初めての方に、こんなにも喋れるんだろうなって」という気持ちになったそうで阪本監督も「仲間として撮ろう」と気持ちが動いたそうだ。

 そうして始まった撮影で伊藤は「正直なことを言うとめちゃめちゃ怖かったです。1年間お休みさせて頂いていたので。でも、阪本組に入ったらすごく温かく迎えてくださって、余計な不安要素というのは初日で取り除くことができたなと思います」と、スタッフたちにも助けられたという。

 ちなみに阪本監督へ伊藤の魅力は?という質問も飛んだが「ご本人前に言いますか?」と気恥ずかしそうにしつつ「観てもらえれば分かりますよ。実際に撮影が始まって演技の仕方を観つつですけど、一言でいうとスクリーンの似合う男。スクリーンのアップに耐えられる……もちろん、小林さんも余さんもそうですよ」と話して場内が沸き返ることも。

 一方、小林、余をはじめとしたキャスト陣へ「素敵な大大大先輩とお芝居をさせて頂いたことは財産でしかないと思いました。僕が生まれる前から活躍している先輩たちの姿が、めちゃめちゃ格好良かったです。演技に震えましたし、自分も、50年後、60年後ああいう姿でいられるようにと感じながらでした」と、厚い感謝をする伊藤。

 そんな伊藤の撮影現場での居住まいへ、母親役を演じた余は「初めてお会いしましたけど、親子関係を作るときにすぐ親子になれました。健太郎さんがすぐなじんでくれるおかげです」と、懐に飛び込んでいった様子を窺わせ、父親役を演じた小林は、「撮影中にプロデューサーのはからいで、石橋蓮司さん、伊武雅刀と僕と、5人で飲むことになって。そのときに、伊藤くん『この席きつくない?』と。石橋さんが80歳、伊武さんが70を超えてるし、年寄りの話に飽きちゃうんじゃないかと思うんですけど」というと、伊藤は「めちゃめちゃ楽しかったですよ!いろんな人と話しさせていただく中で、もらえる刺激だったりとか蓮司さんからは日本酒の飲み方を教えていただいて」と、声を弾ませていた。

 また、伊藤は現場でスタッフのお手伝いもしていたといい、阪本監督は「自分の出番が終わった後にヘルメットを運んだりしていて」と証言していたが、伊藤としては、「この現場に限ってということでもないですし、俺やってるぜという話ではないんですけど、状況としては小道具チームがバタバタしていたので『俺持っていきますよ』と、持っていっただけです」と、説明。これに阪本監督は「だからといってヘルメットのシーンに注目しないでくださいね」と、付け加えて笑いを誘っていた。

 そして阪本監督から「伊藤健太郎くん主演であり、群集劇でありさまざまな世代の人たちが動く映画です。伊藤くんは、演技できる喜びを語っていますが、追い込まれているところもあり、僕も追い込んでいるところもあります。冒頭で感慨深いといったのは、映画を受けてから動きだしたときに、きょう健太郎くんを待っている方たちの前に、お連れするというのが仕事だったので」というと、聞いていた、伊藤は目を真っ赤にして天を仰ぐ様子も。

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阪本監督の言葉に目を赤くして天を仰ぐ伊藤

 伊藤からは、「いま僕は復帰という形で、携わらせていただきました。いろいろな意見、賛否があることは覚悟しています。けれど、公開するにあたって、怖い部分ももちろんあるんですけど、あのとき自分があのタイミングでできる最大の力を出し切ったつもりです。自信を持ってみなさまにお届けできると思います。観て頂いた方々みなさんに刺さるシーン、刺さるキャラクターが1つはあると思います」と、アピールするとともに「この場を借りていまここに立っている方々、作品に携わってくださった方々、家族、友達すべての方々、なにより来てくださっている方々に、この場を借りて感謝を。本当にありがとうございました」と、しばらく深々と頭をさげ、観客は拍手を送っていた。

 映画『冬薔薇(ふゆそうび)』は6月3日新宿ピカデリーで全国ロードショー!

 ※伊藤健太郎過去記事
 ・伊藤健太郎 緊張の面持ちから笑顔に ガルアワ2022S/Sにシークレットゲスト登場でランウェイ闊歩
 ・伊藤健太郎主演の映画『冬薔薇』公開日発表で特報映像も解禁!「今はもう、失うものは何もない」
 ・伊藤健太郎 2022年6月公開予定で阪本順治監督メガホンの映画「冬薔薇」主演発表!「スクリーンで芝居ができること、カメラの前に立てることに感謝しかありません」

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深々と頭をさげる伊藤

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涙をぬぐう

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去り際にも深くお辞儀する伊藤

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