声優・吉野裕行が8月28日に東京・台場のZepp DiverCityでライブイベント『Kiramune Presents Hiroyuki Yoshino 10th Anniversary LIVE オモイデトリガー Re:』を開催した。
2023年8月28日にZepp DiverCityで開催を予定していた吉野による『10th Anniversary LIVE オモイデトリガー』。同公演が吉野が新型コロナウイルスに罹患してしまったため延期となった。その延期となった公演に再び挑むため公演名に『Re:』を入れライブに臨むこととなった。
以下、公式レポート部分。
照明が暗転し、THE BAND A℃のメンバー(円山天使/g、山崎英明/b、吹野クワガタ/key、森信行/ds)がステージ上に現れると、まずは4人だけで熱いサウンドをオーディエンスにぶつけていく。やがて、会場の熱気を一気に高めたところでフロアを静寂が包んだ。その静けさを切り裂くように聞こえてきたのが吉野の力強い歌声だ。ステージの中央を見ると、シルエットだけが浮かびあがる逆光の中、表情を見せないまま、オープニング曲の『Giant Killing』を届けていく。挨拶代わりの熱いパフォーマンスを見せたあとは『はじまりのうた』へ。
改めてライブの幕開けを伝えるようなこの曲に、ファンもコール&レスポンスで応えていく。続いて歌ったのは『マイペース』。ここではエッジの効いた『Giant Killing』とは真逆ともいえる優しい歌声を聞かせ、会場を爽やかな風のような空気で満たしていった。
ここでひと息つくように最初の MC へ。まずは、本来であれば2年前の同じ日に開催する予定だった今回のライブが急遽延期になってしまったことを詫びる。深々と頭を下げる姿にいつもとは異なる緊張した空気が流れるも、ファンからの温かい拍手を受け、やがて普段の様子を取り戻していく。脱線だらけのトークを展開し、最後には「今、『早く次に行け』という指示が入りました」と会場を笑わせる一幕も。ところが、そんな穏やかな雰囲気も次の曲で一転。『CATWALK』のイントロが流れると、一際大きな歓声が上がる。艶やかにステップを刻む吉野の姿もまた魅力的だ。また、『Discord』ではジャケットを脱ぎ捨て、ギアを上げるようにシャウトを聞かせていく。一方、『74R』では激しさだけではないクールさものぞかせ、バンドとともにグルーヴ感を生み出していった。
そして再びイントロから爆発的な盛り上がりを見せたのが『シャララ』だ。拡声器をマイク代わりに歌い上げるおなじみのスタイル。全身で訴えかけるように歌詞と歌声をぶつけていくその姿に、きっと多くのファンが魂をも揺さぶられたに違いない。
MCでは「僕が言いたいことは全部、音楽に込めている」と語った吉野。そして「その音楽を最高の形にしてくれているのが THE BAND A℃のメンバーです」と続ける。また、「僕にできることは、歌を通して皆さんの明日からが最高のものになるようにと願うこと」とメッセージを届けると、ここからライブの後半戦へ。MCで語った言葉を体現するように、まずは『innocence』を。続く『さよなら』では自らアコギを手にし、優しいメロディと歌声を披露。また、ボルテージを少しずつ上げるように感情を吐露しながら歌ったのは『今夜ギターの弦をぜんぶ替えて』。やるせない心の痛みを表現し、それでも明日に向かって力強く生きていこうと呼びかける楽曲たち。その思いは、続く『アドレセンス』でさらに昇華していく。
THE BAND A℃によるインスト曲『Addiction』を挟むと、衣装をチェンジした吉野が再びステージへ。ここからは一曲ごとにクライマックスのような展開を見せていく。『Anthem』では自身で音頭を取り、観客と一緒にサビのコーラスでこの日一番の一体感を生み出した。『情熱アンソロジー』でも序盤からクラップで会場を一つにしていくと、タイトルに違わぬ熱量で情熱的な歌声をファンにぶつけていく。さらに間髪を入れず『\わっしょい/』へ。タオルを振り回しながらステージ上を走り回り、サビでは「わっしょい!!」の大合唱。会場が大きく揺れるほどの盛り上がりを見せると、さらに畳み掛けるように『Charge』を。のちに吉野が語ったように、これ以上ないと言える「完璧なセトリ」だ。そしてラストは『Days』。歌詞に込められた、あきらめない夢への想いとこれからの日々を照らすような言葉の数々は吉野からの力強いエールにも感じられる。そんな気持ちを爆発させるように、最後は大きなジャンプで本編を締め括った。
アンコールは、会場からの「もう一回! 最初から!」のコールに応える形で、恒例となった全曲メドレーを。さらにWアンコールでは「まだバンドのみんなとやっていない曲がある」と『Energy』を披露。のっけからステージを飛び出し、スタンディング席の後方や2階席を走り回りながら歌い上げていく。寂しさの余韻は一切残さず、最後までお祭りのような盛り上がりを見せた今回のライブ。アニバーサリーにふさわしい、ファンへの熱い想いが詰まった最高の一夜だった。
ライター:倉田モトキ
カメラマン:草刈雅之