趣里 主演映画「ほかげ」と「ブギウギ」は「一本の筋があるのは一緒」

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 俳優・趣里が25日、東京・渋谷のユーロスペースで主演映画『ほかげ』(監督・脚本・撮影・編集:塚本晋也/配給:新日本映画社)公開記念舞台あいさつを子役・塚尾桜雅、俳優・河野宏紀、森山未來、塚本監督とともに開いた。

 戦争を民衆の目線で描き、戦争に近づく現代の世相に問う塚本監督最新作。趣里は、戦争に翻弄され、孤独と喪失を纏いながらも、期せずして出会った戦争孤児との関係にほのかな光を見出す役を演じきっている。

 趣里は撮影を振り返り、「濃密な時間でしたし、こうしてみなさんとお会いできるのが嬉しいなって。森山さんとは会ってなかったので、こうしてお会いできて嬉しいです」と、笑みが浮かぶとともに、こうして舞台あいさつに登壇できたことで「映画が完成したと感じています」と、ほほ笑んだ。

 また、本作は第80回ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ部門に出品。同映画祭では日本人初のNETPAC賞(最優秀アジア映賞)を受賞。また、先月開催された第61回ウィーン国際映画祭では Standard Readers’ Jury Awardに輝いたほか、第 48 回トロント国際映画祭 センターピース部門出品、第36回東京国際映画祭ガラ・セレクションでの上映等、世界中の心を打ち続けている。ベネツィアでの舞台あいさつに登壇したという塚本監督へ趣里は、「ベネツィア行きたかったです(笑)」と悔しがっていたが、塚本監督は、現在趣里が朝の連続テレビ小説『ブギウギ』を花田鈴子役で主演していることもあり「いまはお忙しいですから」と、エールを送るようなコメントも寄せる。

 『ブギウギ』と似ている時代を演じているということで、本作とは「一見すごく対照的に見えるのですが、戦争というものが残したものに苦しめられて、それでも生きていくんだ、生きていかなきゃという一本の筋があるのは一緒だなと感じていました。NHKの方でも闇市があるし、スタッフの人たちからも『時代が同じだね』と言われて。いろんな時代の人物が自分の中にいます」と、しみじみだった。

 そして塚本監督から「なんとか自分たちがそういう場に近づかないように体感してもらえるような映画を作りました。祈りの気持ちが伝わるようにと思っています。そういう祈りを俳優さんたちが全身で表現しているのが見どころだと思います」とメッセージを寄せると、趣里から「スタッフさん1人1人がものすごい力をくださいました。それは私にとってすごくエネルギーになりました。憧れの塚本映画に出演できて嬉しく思っています。この監督の祈りメッセージが1人でも多くの方に届くように」と、言葉を添えてイベントを終えていた。

 映画『ほかげ』は全国順次公開中!

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塚本監督は劇場スタッフから認識されず影が薄かったと笑い飛ばしながら話す

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