アイドルグループ『高嶺のなでしこ』(通称:たかねこ)の城月菜央、涼海すう、橋本桃呼、葉月紗蘭、春野莉々、東山恵里沙、日向端ひな、星谷美来、松本ももな、籾山ひめりが5月14日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで東名阪ツアー『高嶺のなでしこ 東名阪ツアー 2025 – Spring Ride -』千秋楽公演を開催した。
クリエイターユニット『HoneyWorks』がサウンドプロデュースを務める10人組アイドルグループ。ステージでは、ロックからキュートまで多彩なパフォーマンスを繰り広げた。
以下、公式レポート部分。
このツアーは5月6日(火・祝)に愛知・岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホールで幕を開け、城月菜央・涼海すう・橋本桃呼・葉月紗蘭・春野莉々・東山恵里沙・日向端ひな・星谷美来・松本ももな・籾山ひめりのメンバー10人は9日間で愛知・大阪・東京と3都市をめぐってきた。
ニコニコ生放送でも生配信された東京公演は、ステージに春らしく花をかたどった装飾が飾られ、籾山と松本の影ナレから、Overtureが始まり開演を告げる。そしてメンバーは「僕は君になれない」のMVで着用していた、紺色をベースに上半身にセーラー服風のデザインをあしらった衣装で登場。同曲からライブ本編が始まる。
平日にもかかわらずつめかけた1,700人のファンのボルテージは既に高く準備万端で、続く「恋を知った世界」では、もうクライマックスに達したかのような大音量のコールが響く。
精いっぱいのコールをもらったメンバーが「病名恋ワズライ」でちょっぴりあざといダンスで魅了すれば、ファンも応えて「センパイ。」での個々のソロパートで一体になってメンバーの名前を呼んでいく。
「月曜日の憂鬱」でもメンバーはキラキラサウンドにのせた軽やかなダンスで、さらに空気をヒートアップさせていった。
こうして序盤から「もう汗がだーだーなんですけど、皆さん汗かいてないですか?」(涼海)という熱気のままに、昨年のメジャーデビュー1stシングル曲「美しく生きろ」のパワフルなパフォーマンスに突入。そこから「革命の女王」「アドレナリンゲーム」「決戦スピリット」と、疾走感のあるキラーチューンを連続で披露してくる怒涛の構成に、会場の興奮は増すばかり。ステージ上のメンバーに負けじと客席の声量も大きくなり、文字通り会場を揺らさんばかりの振動が響いてくる。
暗転して一旦メンバーがはけると、メンバーカラーの照明とナレーションで、高嶺のなでしこからファンへのメッセージが伝えられる。高嶺のなでしことして結集するまで、別々の人生を歩んでいた10人。
彼女たちが出会って、大きなステージを夢見て歩んでこられたのは、いつもステージを観に来てくれるファンのおかげ。その感謝の思いと3年近くの軌跡を、10人がそれぞれの言葉でファンに伝える。このコーナーのコンセプトを考えたのは橋本で、その発想力を籾山はMCで「天才です」と称賛していた。
だがまだライブは中盤。再びステージに集結したメンバーは、水色の新衣装で、新曲「アイドル衣装」を披露する。
4月から展開中の5曲連続配信リリースの第2弾で、5月28日(水)に配信がスタートする。オンリーワンのアイドルとして見つけてほしいという思いをつづったキュートな楽曲にまたも客席は沸く。
それからも「乙女どもよ。」「女の子は強い」と、さっきまでとは打って変わって正統派のアイドルソングの連続で、ロックからキュートまで表現できる振り幅の広さを見せていく。
新衣装はデザインが3パターンに分かれていて、細かなアクセサリーまで見どころがあってファンを飽きさせない。
続く「メランコリックハニー」「私より好きでいて」は撮影可能タイムになり、メンバーは客席に降りて至近距離でファンサを連発していく。キラキラサウンドにのせた思い思いのポーズにファンの視線は釘付けで、幸福感たっぷりの時間が流れていった。
だがこれで終わらず「私より好きでいて」のエンディングでステージ上センターの松本が指でハートを描けば、さらにたたみかけて「みんなはももなのこと好き?」「好きって言って! みんながだ~いすき」とかわいいアピールでファンを煽る。そして「Cute for life」を全員でパフォーマンス。SNS映えしそうなキャッチーなダンスで客席をメロメロに酔わせ、松本の「私とKissしてくれますか?」のセリフには、いっそう大きな歓声が上がった。
その後もかわいさにフォーカスした「小悪魔だってかまわない!」「推しの魔法」「可愛くてごめん」とライブが進むにつれ、ファンもコールやクラップで掛け合いを楽しむ甘美なひとときが続く。
そして、本編ラストとなる、グループ初期からのライブ定番曲「ファンサ」でクラップとコールのボリュームは最大級に達し、ステージと客席はこの熱い時間をかみしめた。
熱気さめやらぬ中でアンコールが巻き起こり、アクティブなTシャツ姿で再集結した10人は「初恋のひと。」を披露。たちまちにさきほどまでの熱さがよみがえり、終盤に至ってもファンの声量は全く衰えなかった。
これほど熱い声援をくれたファンに、星谷は「ツアー中、みんな(ファン)のことを無意識に考えちゃうことが増えました」とあらためて感謝の気持ちを伝える。「たかねこちゃんのファンのことはみんな大好きなんですが、寝る前に『何してるかな?』とか『オシャレしてきてくれるかな?』とか考えちゃうくらい大好きになりました」と、さらに心の距離が近づいたことを明かした。
そして、来たる8月7日(木)に3周年を記念した「3rd ファンミーティング」を開催することが告知される。場所は3年前の10月に1stファンミーティングを開催した思い出の地・豊洲PITに決まった。さらにファッション雑誌「LARME」とのタイアップ企画も発表。また、高嶺のなでしこBeReal.公式アカウントもこのライブ当日に開設することが伝えられた。
3周年の夏、そして9月7日(日)に千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールで開催する3周年ワンマンライブに向けて加速していく高嶺のなでしこ。籾山の「最後にもっともっと大きな声で盛り上がりたいんですが、声出せますかー!?」という煽りから、全員での「I’M YOUR IDOL」のパフォーマンスで2時間のライブを締めくくる。透明感あるサウンドにのせて、10人の一体感を表現した歌とダンスで、アイドルとしてのプライドと夢を追えることの感謝をファンに伝えた。
ラストに籾山が「これからもたかねこちゃんとの旅を一緒に続けてくれたらうれしいなって思います。そしてもっと大きくなって、幕張で皆さんに会えるように頑張っていきたいです」と、グループ史上最大規模となる3周年ライブでの再会を誓って、9日間で駆け抜けたツアーは幕を下ろした。
シンプルなステージで、時に格好よく、時にかわいいパフォーマンスでファンを魅了し続けた10人。5曲連続配信リリースに、「LARME」とのタイアップ企画の始動、6月には広州・上海でのワンマンライブも控えている。今年の夏もいっそう熱くすべく、彼女たちの挑戦は続いていく。
Overture
M1 僕は君になれない
M2 恋を知った世界
M3 病名恋ワズライ
M4 センパイ。
M5 月曜日の憂鬱
M6 美しく生きろ
M7 革命の女王
M8 アドレナリンゲーム
M9 決戦スピリット
M10 アイドル衣装
M11 乙女どもよ。
M12 女の子は強い
M13 メランコリックハニー
M14 私より好きでいて
M15 Cute for life
M16 小悪魔だってかまわない!
M17 推しの魔法
M18 可愛くてごめん
M19 ファンサ
(ENCORE)
EN1 初恋のひと。
EN2 I’M YOUR IDOL
Photo by 林晋介・星野耕作
Text by 大宮高史