2025年の『M-1グランプリ』王者のお笑いコンビ『たくろう』の赤木裕、きむらバンドが1月9日に大阪・なんばのよしもとアカデミー大阪校(通称:NSC)で特別授業を行った。
吉本興業グループによる教育機関『よしもとアカデミー』内にお笑い養成所『NSC』、エンタメスタッフを育成する『YCA』(よしもとクリエイティブアカデミー)、歌唱・パフォーマンス・演技を学ぶ『YPA』(よしもとパフォーミングアカデミー)の3校合同での『たくろう』による特別授業。
会場には2025年入学の48期生たち90人と、東京校などのオンラインあわせ計約200人が集結。36期生のきむらと37期生の赤木。大阪校からの『M-1グランプリ』王者は『ミルクボーイ』の2019年ぶりということで、“凱旋”で拍手に迎えられるなか登場。
きむらは、「ありがたいことに仕事増えてます!僕らでも、見たことあるようなビッグな仕事が入ってきて」と、『M-1グランプリ』王者のドリームをさっそく味わっているそう。優勝以降、2025年12月27日に赤木が体調不良となったが、1日3つの仕事をして夜の8時に帰って約8時間睡眠をしていたという状況で体調を崩したと話して笑いを誘った。
優勝後の反響として、2人にとって“こんなことが!”という出来事も起きたそうで、赤木は「以前の動画で“私物チェック”でひげ剃りを出したんです。そうしたら、(『M-1グランプリ』優勝後)ひげ剃りのメーカーから一式セットが贈られてきて」と、ビックリしたそう。さらに、きむらの故郷・愛媛県の県庁で盛大な歓待を受けたことや、大晦日の紅白歌合戦で「聖子ちゃん……松田聖子に会えた」そうだが、赤木の故郷・滋賀県は「沈黙を保ってます」と苦笑いすることも。
在校中の話題へ。きむらは「解散とかもいっぱいしてるし、失敗もしてるけど、全然取り返せる」と、学校だからこそ多くの失敗も糧になっているという。赤木は同期の受講生が少なかったと回想しつつ、一人喋りの授業で講師の方からの100点満点で4点ほどと低かったそうだが、それも「関係ないこともあるし、そんなやつでもここまで来れるよと」と、1つの評価がすべてではなかったとしみじみ。
普段から2人が心がけていることとして、きむらは「あんまり無理したくないなって思ってますね。はりきりすぎても、かかりすぎてもよくないと思ってて。自然体になるべく近く臨めたら。『ドラゴンボール』でいうとずっと、スーパーサイヤ人になっている練習みたいな。自分に一番いいモチベーションの持ち方を見つけてもらえれば」と、アドバイスとともに話す。赤木はといえば「なるべく明るくという気持ちでやっています。リアクションとか」というと、ローテンションのように見えていそうな赤木なだけに、きむらは「それは誰にも評価されてない!(笑)意外やったわ」と、コンビでも見えない部分があるようだった。
若手へのアドバイスとして、きむらは「経験値ではおじさんたちが強いけど、若い方はTikTokとかSNSに関しては速さなら勝負できるぞって思うんです」と時代にあわせたものをとアドバイス。赤木は「なるべく一般的な高校生活を送るのが大事かなって。普通の感覚が会ったほう考えやすい。学校のあるあるは、一生使っていけるものだから。お笑いエンタメのことも学びつつ、部活とかもやってみたりとか」と、“普通の感覚”を身につけることを勧めた。
講義後半には生徒たちとの質疑応答を開催。『M-1グランプリ』予選の1、2回戦でしていることは、きむらは「タイムオーバーしないぞって」と1回戦では2分の持ち時間を超えないようにと話す。これに司会から「よくタイムオーバーしてるぞ!」とツッコミが飛び、これにはきむらも苦笑い。赤木はといえば「1回戦はいっぱいボケを入れる、2分なんで。無駄な部分を省きに省いて強い部分を残す。入れすぎても無理が出る」と話したかと思えば、直後に「でも、ボケを入れすぎるのも良い気がするなぁ」と言い出し、場内一同ずっこける。しかし、これには理由があるそうで「僕らテンポ遅いから。5、6回くらい強いボケを入れるかな」と、自身の特性から言い換えただそうだ。
決勝戦でのネタの決め方へも質問が飛び、2人は声をそろえて「単純に1番ウケるってものを出しました」という。赤木は「コンビによっても変わるんです。ウケなくてもやりたいネタをやるっていうコンビもいあるし。僕らはウケるやつでいこうとなって」というと、きむらは寄席で1番ウケるネタの重要性を語り「漫才劇場が1番ありがたい。僕らが知らん人がいる中で毎週2回満員のなかでやれるっていう。最初のころは『UPTOYOU!』っていうお笑いが好きな若い子たちの前でライブでしかやれないやろけど、漫才劇場を目指すといいと思う」と、直に自分たちのネタの反応を見れる場所が重要だと語った。
さらに、大爆笑を生むために必要なことは?という問い掛けに、赤木はさまざまに挙げたがそのなかで、「温かいお客さんが必要」と言い出し、これのは場内も大爆笑となることも。続けて、「作ってるときにこれめっちゃウケるぞと思えるものが思いつけば、ウケることが多いと思う」と、語った。
『たくろう』のネタは赤木が作っているが、きむらは「自分のキャラはこうじゃないけど、肚はくくってるんです。『ビバリーヒルズ』のネタは、そういう人間で生き切るっていうか。乗っかると決めたら乗っかりきれる。それくらいの相方を見つけられたら良いと思う」と“相方”#への信頼を垣間見せ赤木は、「僕はありがたいんです。そういう人間で合わせてくれているという。合わせて貰っているとはまた違っていて」と、しみじみだった。
ほかにも、勢いのいいコンビの生徒に2人が立ち上がって爆笑する様子や、赤木のビジュアルが以前は健康が心配になるほど病的に体型が細かったそうだが「柔らかくなった」という声に赤木は「Uber Eatsが自分のなかで流行ってまして。48キロだったのが65キロになって。ガリガリの方がおもろいかなって思ったんですけど、いまのようになってからもおもろいと言われたので」と、変化を語ることもあった。
終了後にはメディア向けに囲み会見を開催。特別授業をしてみて、きむらは「まさか自分NSCで授業する未来があると思ってませんでしたけど、少しでも未来を掴むアドバイスになっていたら」と感想を。赤木は「鋭い目つきの子たちもいたし、真面目に答えようと思って」と、心がけていたそうだ。
今年の目標としてはきむらは「木村拓哉さんに会う」とし、赤木は「あまり働けないタイプですけど、今年1年は無理してでも働こうと思ってます。人生で1番働かなという時期なので」と、意気込みを。その話にあわせるように、囲み会見が終了した約2分後には2人は身支度を整え会場を後にしており、『M-1グランプリ』以降の大忙しぶりを窺わせていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ







