タレント・壇蜜が4月27日に東京・日比谷のTOHOシネマズシャンテで映画『旅立ちのラストダンス』(監督:アンセルム・チャン/配給:ツイン)公開記念特別トークショー付先行上映会に登場した。
香港映画界の“喜劇王”との異名を持つマイケル・ホイとスタンダップ・コメディアンで俳優のダヨ・ウォンが32年ぶりに共演し、2024年に公開され香港映画歴代最高興行収入記録を樹立した作品。劇中でウォンは残された者を癒し慰める葬儀プランナー・トウサン役を、ホイは、死者の魂を弔うマン道士役を演じた。そんな2人を追い、「家族」「伝統」「死生観」という普遍的なテーマを香港の伝統葬祭儀式『破地獄』(はじごく)を通して描きだしている。
「ごきげんよう」と上品なあいさつから切り出した壇蜜。作品へ「祈りの形って世界で違うなって。でも、祈りってどこの世界にもある概念なんだなって。故人様を送る儀式をする世界観はしっかり心にあるんだ」と感じたという。
壇蜜といえば“エンバーマー”と呼ばれる遺体衛生保全士の資格を持っていることでも知られている。その資格をとろうと思ったのは芸能活動を始めるタイミングで、「恩師が急に亡くなってしまったことで、生きる、死ぬの考え方が少しかわって、人はいつだって死ぬんだって。命だって一個しかないし、いずれ私たちもあの世に行くんだなって。それを意識したときにエンバーミングという仕事に興味を持ち始めました。学生時代に読んでたマンガにエンバーマーっていう仕事が紹介されていて、解剖シーンを見たときに、“もしかして私、この仕事できるかもしれない”って客観的に考えていたんです。でも、それをやりたいって言ったら、親も心配するだあろうし、身内も『それでいいの?』と言ってきたら私としては対抗できないな……ってちょっと迷いもあって、10代のときは蓋を閉じていたんです。けど、あるときに急に開いて」と、きっかけを話した。
資格は持っているものの就職はできなかったという壇蜜。それでも葬儀社での研修の際のエピソードとして「『お父さんは眉毛がすごく伸びていたからあえて整えないでほしい』とか、『親御さんの場合は自分の写真をいれてほしい』とか、『お孫さんの手紙を手に握るか近いところに置いてくれないか』とか……。お祭り好きの方が亡くなられたときは、組合の法被とふんどし姿で、お棺の中が“祭り!”という感じでしたけど、奥様がすっごい喜ばれていたんです。ご家族の御意志があればそれに沿うようにしますが、故人様とご家族様の葬儀の仲介なので、これならどっちもハッピーかなっていうふうなところを探っていました」と、当時を振り返った。
そんな壇蜜だけに、本作にも専門的な視点から切り込むことがあり、遺体を焼いた際に「お骨についた、お肉をとるのが社員さんたちの仕事ですけど、初めての方は1回目のときは大丈夫なんですけど、休憩だよと言ってお弁当に入っているお肉のにおいをかいだときに『ああっ』てなることがあって、それがあるあるだなって。1回目は大丈夫ですけど、2回目はああってなるので、私はこの時間差はアナフィラキシーショックだと思ってます。作品内でも、その時間差があって、良い時間差を撮ったなって思います」と、感じ入ったそうだ。
ほかにも、壇蜜は劇中に出てくるイチジクとナシのスープが気になって仕方なかったそうで、自宅で試写を観た際に何度も覗き込んで見ていたそうだが見えなかったとしょんぼりしながら、「見えた方がいたらご一報ください!クックパッドには少なくとも乗ってませんでした。私にもやもやの打開策をください!」と、らしさ全開の呼びかけをして場内を和ませていた。
また、壇蜜の夫・清野とおる氏が描く漫画『壇蜜』の話題も振られ、「良く(自身のことを)見てるなって思いました。少し以前、飼っていたネコでとベッタベタなところとが彼には興味が深かったんでしょうね。でも、最近困っている事があるんです。ファンの方から『マンガ面白かったです』と言われて“ありがとう”と返したときに、『サインください』と言われて。私(漫画は)描いてないですというのが私の中にすごくあって。それで、清野さんに聞いてみたら『実話で出てる人なんだし、サインして良いんじゃない。古畑任三郎のマンガがあったとして、古畑さんがサインするのは変じゃないでしょう』と言われて。ドラゴンボールなら悟空とクリリンからサインをもらったらやったー!ですけど、本来なら鳥山明先生がやるべきことではと思って」と、もやもやしていたそうだが、「いまは持ってきて頂ければ、タイミングがあえばやります。そこで着地しました」と、諦めたそうだ。
映画『旅立ちのラストダンス』は5月8日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ



