永作博美にとって家族とは「なかま」!井浦新 河瀬直美監督に「常に追い込まれた感じ」もフォロー能力を絶賛

永作博美にとって家族とは「なかま」!井浦新 河瀬直美監督に「常に追い込まれた感じ」もフォロー能力を絶賛3

 女優・永作博美、俳優・井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、佐藤令旺くんが6日、都内ホテルで映画『朝が来る』(配給:キノフィルムズ/木下グループ)完成報告会見を河瀨直美監督とともに開いた。

 直木賞・本屋大賞受賞作家・辻村深月氏のヒューマンミステリーを映画化。実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てることができなかった14歳の少女を繋ぐ「特別養子縁組」によって、新たに芽生える家族の美しい絆と胸を揺さぶる葛藤を描く。

 実の子を持つことが叶わなかった夫婦の栗原佐都子役に永作、その夫・清和役に井浦が演じることとなる。演じるうえで永作は、「最初に都子さんの役を見たときにしっかりした方で、これを演じるときに人間性みたいなものをどこで出そうかなと思って。辻村さんがしっかりはっきり書いてくださっているぶん、品行方正さが伝わってきたんです。どう表現しようかと思いながら進めていったんですけど、彼女はがんばり屋さんでなんだかんだでうまくやってきましたけど、初めての人生の岐路がいっぱいやってきて、それと対峙してどう決断していくのか、どう心が揺れていくのかということを、純粋に表現していく必要があるなって」と、さまざまに考え、「ちっちゃなことを度外視しないように作っていった感じがします」という。

 井浦も河瀬組はシーンを順番に撮影していくことをふまえ「1日1日を経験していくことが自然と心の動きにも変化していくんです。目の前で起きていくことを、丁寧に夫婦として素直に心を動かしていくということを大切にしながら演じていました」と、撮影への臨み方を語っていた。

 河瀨監督はキャストを追い込むこともあるそうだが、井浦は「常に追い込まれた感じです」と笑い、「清和の無精子症が判明してズタボロになるシーンがあることを超えるたびに、僕が撮影終わって呆然になっていると横にチョンと座ってくれるんですよ。大変なシーンを撮るからこそ、その後のケアを必ずしてくださるんです。監督でありながら、シャーマンのような方だなと思います。それが演出なんだなと思います。だから、安心しながら全身捧げていた感じです」と、監督に身を任せていたそうだ。

 トークではそれぞれキャスト自身にとっての家族とは何かについても質問が。永作は「なかま」とフリップにしたためつつ、「家族の中にいると気づかされることが多くて、いつも教わってるなって。もちろんひどいことを言ったり、怒ったり笑ったりするけれど、やっぱり“なかま”だと思っています」と、しみじみ。

 そんななか河瀨監督は自身の出自について、「私実は養女で、養子縁組をしてもらった子供なんです。特別養子縁組は普通養子縁組と違って、戸籍の中で実子としてその子が迎え入れられるんです。斡旋をされているNPO法人の多くは、真実を告知するということをキッチリされていて。そこで救われる命があるんだ、素晴らしいなと思って」と告白し、それだけに家族とはと問われた際に『河瀨組』とし、「私は父と母に育てられず、家族とはなにかと問うてきて、何かしら自分の中にはずっと問があったんです」と、作品づくりの原動力を窺わせるような話もしていた。

 映画『朝が来る』は23日より全国ロードショー予定!なお、この日、世界25ヶ国での公開も決定したことが明かされた。

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