神宮寺勇太 額に汗光らせ『葵上』『弱法師』熱演!岸優太からの「大丈夫!神宮寺ならできる!!」は「心強かった」や演出家からは「底なしのポテンシャルを持っている」

神宮寺勇太 額に汗光らせ『葵上』『弱法師』熱演!岸優太からの「大丈夫!神宮寺ならできる!!」は「心強かった」や演出家からは「底なしのポテンシャルを持っている」4

 “キンプリ”の愛称で親しまれているアイドルグループ『King & Prince』神宮寺勇太(23)が8日、東京・グローブ座で舞台「『葵上』『弱法師』 -「近代能楽集」より-」(演出:宮田慶子)公開ゲネプロを開催した。

 全8編の短編戯曲からなる作家・三島由紀夫氏の代表作『近代能楽集』から2作を連続上演。『葵上』は、『源氏物語』を原典に、能楽、そして近代劇へと移り変わりながらも時代を超えても変わることのない、嫉妬や欲望、情念など、心の内に秘められた闇を生々しくも幻想的に描いており三島自身が「一番気に入っている」と語る作品。一方、『弱法師』は終末観に腰を据えた青年が、いかに大人の世界に復讐するかを軸に、滑稽にも見える両親とのやり取りと、主人公がこの世の終わりを語る長台詞、現実的なもの全てに対する敗北を表す最後の台詞が印象的な作品となっている。神宮寺は、『葵上』では美貌の青年・若林光役を、『弱法師』では戦火で視力を失った二十歳の青年・俊徳役を演じることとなる。

 ゲネプロでは、『葵上』ではさまざまな想いにとらわれ苦悩する様子を、『弱法師』では憎々しげに大人に復讐を果たしていく姿や、額に汗を光らせながらこの世の終わりのことを熱を入れて話すなど、熱演で魅せた。

 ゲネプロ後には神宮寺、中山、演出の宮田氏とともに取材会を開催。神宮寺は初日を直前に控え「楽しみにしています。僕自身のこういう姿というのを観て頂くというのはなかなかない機会ですので、ぜひ足先から頭の上まで堪能して頂ければと思っています」と、準備万端といった様子で、「僕も舞台上の自分をあまり見ていないので、どんな動きをしているのか想像できないですね」とも。

 そんな神宮寺だがけいこでは、難解な部分がある作品だけに「本当にみなさんにご迷惑をかけてしまって、いろんな方に支えて頂きました。1人だと立ち向かえないくらい大きな壁でした。完成ではないですけどみなさまに支えてもらいながら」と、とにかく共演者・スタッフら周囲に感謝することも。

 難しい作品だけに苦労や落ち込むことはあるのかとの質問には、「落ち込みはないですね。言って頂けたほうが僕はすごく助かりますし、嘘でごまかしてもらっても、僕が 困っちゃうので。落ち込むというよりいかにそれを取り入れられるかというバージョンをアップできるようにと思っています」と、攻めの姿勢を見せていた。

 続けて、宮田氏の演出をつけてもらう際に心に残った言葉はあるかとの質問が跳ぶと、神宮寺は「役をまとうとかよく言われますけど、そうじゃなくて、『役を食べちゃえ』という言葉を頂いてそれが僕の中では新しくて。自分の中に落とし込んで言葉を発するんだって」と感じ入ったのだとか。

 逆に宮田氏は神宮寺へ「とにかく吸収が良くて日々いろんなツッコミを意味を入れてみると、それがことごとく返ってきて、底なしのポテンシャルを持っていると思って。いろんなことを投げて、投げて、投げてみました。この難しい作品に対して知的に論理的に返しつつ、演じるときは動物的な勘を使ってくれるんです。ですから本当に毎日楽しいんです。日々アップデートされていて、掘れば掘るほど、いろんなものが出てきます」と、演出のつけがいもあるそう。

 中山も神宮寺へ、「驚くほど素直な方なんですよ。私も刺激になりましたし、俳優として先輩ですが舞台経験が多いとはいえないので、心のなかでごめんねという感じでやっていました」と、気持ちとともに、「実はそんなにお話ししてないんです。落ち込んで考えすぎたりしないというほどの毎日でフット和むような会話とか、食べ物何が好きなのと言う会話もしてなくて、役の中でどうくるかな、こう来たかという感じで見ています」と、演技を通してコミュニケーションをとっていたようだった。

 神宮寺は逆に中山へ「たくさん助けられました。お芝居の経験がそんなに多くはないので、引っ張って頂きながらで本当に助かりました。初めて座長としてやらせてもらいながら、支えてもらいながらです」と、感謝するとともに、「僕好きな食べ物はカレーです!」と、ここに来てアピールし中山は「それは実は知ってました」と返して場を和ませていた。

 ほかにもセリフについて神宮寺は「本当に覚えられる自信がなかったです。最初の頃は覚えられるのか分からず夜も眠れなかったんです。これを自分に覚えられるのか……というので。でも、けいこをたくさんしてくださったので、セリフを落とし込む作業ができてありがたかったです」と、膨大なセリフ量に苦戦したのだとか。ちなみに、そのセリフを覚える方法としては、「読む声に出して読む!これに尽きます!」と、シンプルな方法を明かしていた。

 キンプリのメンバーからアドバイスはあった?との質問には、「どうやってセリフ覚える?とはあまりメンバーに聞かないんですけど、メンバーからは、『リズムで覚えちゃいな!』とか、岸(優太)くんは細かい部分とかはなく『大丈夫!神宮寺ならできる!!』と言ってくれました。本当にその言葉は心強かったですね。そういう言葉を胸にいまここに立っています」と、大いに参考になったよう。なお、メンバーたちは「絶対観に来ると思います」とも話していた。

 そして神宮寺から、「僕も初めて台本を読んだときに難しい作品だなと思いました。けれど、読めば読むほど、演じさせて頂くほど、三島さんの作品に興味を惹かれていったんです。もし観に来られる方がいたら、三島さんの世界観をこの機会に知ってもらえたらと思いますし。残念ながら来れない方も、小説を読んで、もしかしたら神宮寺くんの演じる光と俊徳はこういうふうなのかなということを妄想して頂ければ」と、メッセージを寄せていた。

 舞台『葵上』『弱法師』東京公演は8日から同28日まで東京グローブ座にて、大阪公演は12月1日から同5日まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演予定!

 ■あらすじ
 ●『葵上』
 深夜の病院の一室。
 若林光は入院する妻・葵の元を訪ねる。看護婦から、真夜中になると見舞いにやってくるブルジョア風の女のことを聞かされる。 光が病室にいると、かつて光と恋仲であった六条康子が現れた。毎晩、葵を苦しめていたのは康子の生霊であった。
 康子の生霊は、再び光の愛を取り戻そうと昔の思い出を語り出す。次第に、光は葵のことを忘れそうになるが、葵のうめき声で我に返り、康子を拒絶する。康子の生霊は消えていったが……。

 ●『弱法師』
 晩夏の午後。家庭裁判所の一室。2組の夫婦が、俊徳の親権を争っている。
 高安夫妻は俊徳の生みの親である。俊徳が戦火で両親とはぐれ、火で目を焼かれて失明し、物乞いをしていたところを川島夫妻に拾われた。それぞれに権利を主張するも、俊徳はそれを嘲笑し、育ての親は奴隷、生みの親は救いがたい馬鹿だと言い放つ。平行線をたどる話し合いに業を煮やして、調停委員である桜間級子が俊徳と2人だけで話をすることになり……。

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撮影:阿部章仁