二宮和也「君とだったら“死んでも”」映画タングで明かした金言

アイドルグループ『嵐』の二宮和也（39）が11日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで主演映画『ＴＡＮＧタング』（監督：三木孝浩／配給：ワーナー・ブラザース映画）初日舞台あいさつを俳優・満島ひかり（36）、市川実日子（44）、小手伸也（48）、奈緒（27）、お笑いコンビ『かまいたち』の山内健司（41）と濱家隆一（38）、景井ひな（23）、武田鉄矢（73）、三木監督とともに開いた。

イギリスのハートウォーミング小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が原作。二宮やゲーム三昧で妻に捨てられた、ダメ男・春日井健（かすがい・けん）役を演じる。わけあって無職で人生に迷子中。ある日、健の家の庭に突然現れたのは、記憶を無くした不良品ロボット。どこからきて、何のためにやってきたか分からないそのロボットは自分の事を“タング“と名乗った。この迷子同士の運命の出会いが、まさかの驚きにみちたポンコツコンビの壮大な冒険の幕開けだった……という物語。

上映後に登壇したキャスト陣。市川がいきなり『かまいたち』のボードをかかげるファンがなぜかツボに入り爆笑して、それを二宮がツッコむという“ハプニング”もさばきつつ、「観て頂いてありがとうございました。僕らの想いが伝わっていたら嬉しいなと思います」と、あいさつを。上映後ということで、ネタバレをして笑いを誘ったりする和気あいあいな雰囲気のなかでスタートを切った。

オファーが来たときのことへ、「その時は『嵐』の活動をしていた最中だったのできませんお伝えしたんですが、そうしたら『活動が休止になってからでもかまいません』と言われて、待って頂けるということだけでありがとうございますと感謝していました」と、スタッフらの対応に胸を打たれたといい、三木監督も「いくらでもお待ちしますという形で待っていました」と、制作陣の覚悟の具合を感じさせることに。

ダメ男という役柄を演じると聞いたときには、「そこらへんのゾーンで生きているキャラクターを演じることが多いので。板前の見習いみたいなのを20年くらいやっていたので、そこは慣れています」と、ひょうひょうと語ったり、タングとの芝居の話題となり、「（CGを制作した会社の）白組の人たちと、歩く速度を決めながらさとうきび畑を歩くシーンにしたかったので」と印象的だった部分を話すことも。

感動したシーンは？という質問に二宮は「ラストシーンですかね。撮影の中盤あたりで我々が泣くことができなくてケイ亡くなっちゃって今日は泣けないということでシーンが終わったんです。現場としては、泣かなくてもいいから、最後まで走りきりたいという思いがあるんですけど、三木さんは『そのシーンは明日撮りましょう』と言って頂いて。その、できあがったシーンを観て、2日かかってもという自然なものになっていて、現場の対応を含めて感動できましたね」と、感情が乗るのを待ってくれたことに大きく感謝していた。

また、劇中の「タング、健のために」というセリフにちなんで支えてもらったというエピソードや、心の支えになった言葉は？という質問が寄せられることに。「そうですね、やっぱり仕事をしてくださる人たちかなと思います」と、切り出すと教わったという金言についてスピーチを始めることに。

「僕は若い頃に先輩が『二宮くんも一緒に“死んでくれる人”を探しなさい』とずっと教わっていきてきたんです。『自分がどんどん、成長していって、仮に大きな存在になったときに、君を使って生きながらえようとする人はたくさん増えてくるだろうから、そういう人ではなくて、君とだったらこの作品でどうなっても、死んだってかまわない人を見つけなさい』と教えられてきたんです。僕は共演者の人たちだったり制作陣の方たちとの運というのは誇るべきものは自分は持っていると思っています。今回もそうですし、かなうのであれば次回もそうであってほしいなと思っています」というと、武田が思わず拍手をし、それに続くように場内には拍手があふれる。

ここで司会が、「差し支えなければ、そのことを教えて頂いたのはどなたですか？」と問うと二宮は「いかりや長介さんです」と明かしキャスト・観客ともうなるような声があがる。「僕が胸にいれている言葉がようやく分かってきたんじゃないか、最近と思っていて。次の出会いもよかったらいいなと思っています」と、しみじみ話していた。

映画『ＴＡＮＧタング』は公開中！

※イベント別記事
・二宮和也映画タング原作者「パーフェクト」！武田鉄矢へ最敬礼