スノーボードの平野歩夢選手が12月15日に東京・オークリーストア原宿で『平野歩夢 2025-2026 シグネチャーゴーグル発売記念イベント』に登壇した。
米・カリフォルニア発のアイウェアやアパレルを展開するスポーツ&ライフスタイルブランド『オークリー』が同社と契約している平野選手初となるシグネチャーモデルのゴーグルを制作した。
まずは店外にある、自身デザインモデルの巨大ゴーグルのモニュメントをアンベール&サイン入れすることに。自身もカメラで撮影しつつ「すごいっすね、これ」とニッコリで「嬉しいですね」と言いつつ、周囲を何度か行き来する興奮ぶりを見せていた。
その後囲み会見も開かれ、あらためて感想を尋ねると、平野選手は「いやもう、まさにびっくりしたって感じで。ああいった巨大なゴーグルをまず目にすることが初めてだったので。東京の中心で、自分のシグネチャーモデルのああいった、オブジェみたいなのが存在してて、ちょっとびっくりして、言葉あんま出なかったんです」と、率直な気持ちとともに「すごいありがたいですね。こういうふうに機会を作ってくれて。すごいモチベーションになりました」と、気持ちもアガったそうだ。
今回のモデルについて、平野選手は「オークリーの歴史的というか、1980年代、1990年代ぐらいの昔のゴーグルみたいなのが、自分すごい好みで。そういったとこから最初はイメージしてって。シルバーフレームみたいな色から決まったんです」と、制作手順を明かすことも。
また、今回のモデルは“命”をコンセプトにもしているが、「自分がこれまでスノーボードにかけてきた想いの「命」っていう字をどっかに入れたいなっていう思いがあって、知人の書道家に筆で『命』っていう字を書いてもらって。はっきりと『命』っていうふうには書いてないんですけど、筆のデザインっていうものをバンドに入れさせてもらってたりしてよりイメージが決まってきて」という。さらに、プライベートでも子供が誕生しすでに「1歳ちょっと」になっているという平野選手は「家族ができたんで、新しい子供の誕生の意味も込めて『命』って。そこがモチーフになってるような感じですかね」と、公私ともに自身と連動しているものなのだそうだ。
この「命」の部分について掛ける思いを深堀りする質問が飛ぶと、「スノーボードするにしても、日々生活するにしても、根本的に“命ありき”だなって。自分がこの競技をやってる以上、常に『命の危険』みたいなものと隣り合わせで、それを懸けてスノーボードをしていかなきゃないっていうどっか生きさせてもらってる気持ちみたいな、根本的に強い思いがあるんです。年々やっぱ『命がけ』で生活していかなきゃないなみたいなのは、自分としてもすごい強くて」「本当に新しいことにトライする時とかは、なんかもう『命の危険』を感じて震えたりとか、心臓の動いてる音が自分で分かったりとか。あと怪我っていうのもかなり重ねてきて、普通に階段を上る時でも、歩いてることも、全て1つ1つが、当たり前じゃないことを長期的に痛感してきたことはたくさんあって。この競技生活してる以上、いつどこで命を落とすか分からないぐらいのレベルまで来てるんで」「それにその中で子供が生まれてっていうものが重なって。自分の命への想いみたいなのは、より強まって。これが自分がデザインさせてもらえるきっかけだったんで、なんかすごいこう良いタイミングで、『これだ』って決まったようなことはあったんです」と、滔々と思いを語った。
平野選手がつけているゼッケンナンバーにも質問が飛ぶと、「最初『好きな数字を言ってくれ』っていう、本当ふわっとした感じから、『なんだろうな』と思っていたんです。最初はもう『2番』か『99番』ですごい結構悩んで。まあ『2番』っていうのはオリンピックで最初、ソチの時のリザルトから色々自分の人生観変わって。あの時『銀でよかったな』みたいな感じで。それと『99』は、大会にかける想いみたいな感じなんです。『99』の力を出し切るか、脱力しようかみたいな感じの。まあでも、思ったより駆け引きが強くて(笑)。なんか『出し切る』っていうよりは、めちゃくちゃ相手のこと見て、なんか出すべきなのか、出さないべきなのかの駆け引きが強くて。まだまだ出し切れてないんですけど(笑)」と、コメントしていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ


