俳優・中村倫也、吉岡里帆、向井理が2021年 劇団☆新感線41周年興行 秋公演 いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』（演出：いのうえひでのり）製作発表会見に脚本を手掛ける中島かずき氏、演出のいのうえ氏とともに出席した。
2020年春の『偽義経冥界歌』から約1年半ぶりとなる、王道“いのうえ歌舞伎”作品。いのうえ氏演出、中島氏書き下ろしによる「狐の子」を名乗る陰陽師・晴明と、陰陽師に化けた九尾の狐との手練手管の頭脳戦を繰り広げる伝奇時代劇となる。小説、漫画、映画、ゲームと数多くの作品が生み出されてきた安倍晴明を主人公に、“いのうえ歌舞伎”らしさのスパイス、新感線らしいアクション、歌、ダンス、笑いを盛り込んでいる。中村は、安倍晴明役で主演し、吉岡は吉岡は狐の精霊・桃狐霊（タオフーリン）役、向井は九尾の妖狐との戦いに破れ身体を乗っ取られる陰陽師・賀茂利風（かもの・としかぜ）役で出演となる。
まずは本作のキャスティングについて中島氏からあてがきだっと明かしつつ、吉岡を狐霊として起用した理由として「どうしても思いつくことがあって（笑）。これをやるかやらないかでいのうえにも相談して、キツネの霊でもういいやと。こっちの方が観たいものを書こうということで、こういう形で進みました」と、吉岡が長年、日清食品のカップうどん『どん兵衛』にてどんぎつねのキャラクターを演じ続けていることをふまえたような発言がありつつ、「これはこれで別の狐の霊になっていると思います」と、説明。
吉岡もこれに乗っかり、「私、キツネの役を某CMでやらせていただいていて、キツネ歴が長いんです」と笑いつつ、「いままでやってきたことが役に立つと思ったんですけどいざ台本を読んでみると、私の知っているキツネと違うなと（苦笑）」というキャラクターになっているのだとか。それでも「最高のメンバーの中に入らせて頂いて、緊張もすごくて、初日はなんでも緊張するものですけど、唯一初めてなのが1人だけということで足手まといになりたくないとみなさんにしがみつきながら、頑張りたいと思います」と、意気込んだ。
一方、向井は2017年の「ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season風 Produced by TBS」以来の劇団☆新感線舞台への出演ということで「また新感線からオファーが来ましたということで2度目ということで、1度目で嫌われてなかったんだなと安心しました」と、胸をなでおろしたそうだが、「ただ何も決まってないかで受けて、台本を頂いて読むと、想像以上に大変そうで、ちょっと後悔し始めてます」と、骨が折れるような役回りなのだとか。
そのことを裏付けるように本イベントの前日16日に台本読みが行われた際に「膨大な量のセリフに溺れそうになって、そのまえにかずきさんから『向井くんが全部やってね』と言われて。なかなか大変そうで（苦笑）」と、相当な負担があるよう。それでも「役者が苦労している作品こそ観ている人が楽しんでもらえると思うので、観て頂いた方に、こんな時代だからこそ楽しんで頂ければと思います」と、意気込んだ。
そんな向井について、吉岡は“トラウマ”があるようで「初連ドラデビューの作品（『きみが心に棲みついた』）で（向井の演じる役から）ものすごくいじめられる役で、本編ではいじめ抜かれたんです。どうしてもあの怖い表情が浮かんで。この作品では、因縁のある関係になってくるので、それを生かして反撃できるように頑張ります」と、気合をみなぎらせると、向井は当時のことへ「アドリブとか入れてないので！台本どおりやったんです」と、慌てさせる一幕もあった。
ほかにも作品の衣装について吉岡は、自身の役どころ「しっぽどうなるのかなって。狐歴長いのでどれだけ、もふもふしたいいしっぽを持てるかと思って」というと中島氏も「もふもふはキーワードですよね」と、うなずく。記者からはキツネを演じるうえでポイントになるのは？との問いかけもあり「人間じゃないんだよというアピールです。私は人間じゃないんだよという気持ちでいつもやってます。それと、絶対に人間の耳を見せない」と、コツも披露。
向井はといえば、烏帽子が気になるようで、「去年の大河ドラマも、烏帽子をつけての大立ち回りがまあ大変で。山本耕史さんの作品では、刀を飛ばしましたけど、烏帽子も飛ぶんじゃないかって」と、心配なのだとか。これに中島氏が「アイスラッガーみたいに投げるのどうだろう？」と冗談を飛ばすと、中村、向井ともにツボに入ったのか大爆笑だった。
さらに、いのうえ氏が、向井について「向井くんが小林幸子的な出方をする」とぽろっと漏らしたことから向井にもそのことを初めて聞いたときの感想について質問が飛び、「紅白みたいな感じだと思ったんですけど、歌うわけではないですよ」と話していた。
いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩（きつねせいめいきゅうびがり）』東京公演は9月17日から10月17日までTBS赤坂ACTシアターにて、大阪公演は10月27日から11月11日までオリックス劇場にて上演予定！
■キャスト
中村倫也、吉岡里帆、浅利陽介、竜星涼、早乙女友貴、千葉哲也、高田聖子、粟根まこと、向井理
※製作会見別記事
・中村倫也 “理っち”向井理から「あのときの小生意気なガキ」扱いに大ウケで「あんま変わってねぇっす」！魔術使えたら「式神を大量生産して自分の王国」作った後は？
※向井理、吉岡里帆過去関連記事
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※記事内写真は「撮影：田中亜紀」
