複合アートイベント『Project Circles -ミクたちとの共振-』プレスデーが4月30日に横浜・みなとみらいエリアで開催された。
本イベントは4月30日から5月4日までの5日間にわたり、横浜・新高島駅周辺の6会場「KT Zepp Yokohama、YOKOHAMA COAST garage+、Art Center NEW、コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA、ヤマハミュージック 横浜みなとみらい(Music Canvas エリア)、横浜シンフォステージ」を使用した回遊型イベント。初音ミクらバーチャルシンガーたちを起点に、「音楽」「イラスト」「映像」「パフォーマンス」の創作の衝動が拡がり、交差し、ジャンルを超えて共振し合う「ボカロ文化(UGCカルチャー)」の大きなうねりを体感できるフェスティバルとなる。参加クリエイターには、ネットカルチャー・UGCの一端を担う、音楽作家・映像作家・演奏家・動画作家・DJ/リミキサー・イラストレーター・パフォーマーたち総勢100名以上が携わっておりパフォーマンスを披露する。
以下、公式レポート部分。
本イベントは、初音ミクをはじめとするバーチャルシンガー文化を起点に、「音楽」「イラスト」「映像」「パフォーマンス」といった多様な創作領域を横断するサーキットイベントとして展開される。
会期は2026/4/30(木)~2026/5/4(月・祝)、ゴールデンウィーク期間に重なる。
参加クリエイターは、初音ミクのオリジナルイラストレーターであるKEIをはじめ、音楽作家・映像作家・演奏家・DJ/リミキサー・イラストレーターなど、総勢100名以上。
ジャンルを超えて共振しながら形成されてきた創作の連なりを、「サークル(多様な輪)」として再定義し、都市空間の中に立ち上げるプロジェクトだ。
本レポートでは、プレス向けに公開されたArt Center NEW → コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA → KT Zepp Yokohamaの3会場を回遊し、その体験を速報として記録する。
■ Art Center NEW「Project Circles Gallery」
最初に訪れたのは、新高島駅直結の展示施設「Art Center NEW」。
ここはイラストレーターや動画クリエイター達の世界観をアート展示として表現したエリアで、KEI、たま、iXima、アルセチカ、ぬくぬくにぎりめしといったボカロ文化を象徴するイラストレーターによる展示が展開されている。
入場してすぐ出迎えてくれるのは、初音ミクのデザインの生みの親「KEI」氏による、初音ミクを中心とした過去のバーチャルシンガーのイラスト群。
大判の精密印刷で壁いっぱいに配置されている。
空間の中央には、ボカロシーンの最前線でイラストだけでなく数多くの映像を手がけてきた「たま」氏の作品群、そして「iXima」氏デザインのピアプロキャラクターズ6名全員の等身大立像 が並ぶ。
ボカロシーンに触れてきた者なら、誰しも感慨深さを覚える光景だ。
更に奥に進むと、これまたボカロシーンに多大な影響を与えてきた3DCGアニメーションソフト「MMD(MikuMikuDance)」の歴史、そしてボカロシーンの今を牽引するイラストレーター「アルセチカ」氏や「ぬくぬくにぎりめし」氏がこれまで手がてきたイラスト・映像の回顧的な展示もある。
総じてArt Center NEW「Project Circles Gallery」は、これまでニコニコ動画やpiapro、pixiv、SNS等に蓄積されてきた創作の断片が、物理空間に流出したかのような光景だった。
また、本展示は有料エリア(※特典付き 一般 : ¥2,000 U18 : ¥1,500)だけでなく無料エリアも存在し、「初音ミクV6」のタッチ&トライといった体験型コンテンツや、公式物販エリアでの買い物も楽しむことができる。
皆さんにはぜひ、Art Center NEWでボカロシーンの歴史をビジュアル面から感じていただきたい。
なお、Art Center NEW「Project Circles Gallery」では有料エリア入場特典として「ぬくぬくにぎりめし&アルセチカ – 『初音ミク』ダイカットステッカー」が配布される。
実施期間は2026/5/1(金)~2026/5/10(日)、開場時間は12:00~20:00となる。
■コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA「PULSE DOME(360°Movie Show)」
次に訪れたのは、横浜ゲートタワー内に位置するコニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAで展開される「PULSE DOME(360°Movie Show)」。
直径約15mのドーム空間に日本初のLEDドームシステム「DYNAVISION-LED」を導入した本会場では、聴覚と視界のすべてがボカロPの音楽や映像に覆われる完全没入型の体験が提供される。
上映作品には、
・きくお「きくおミクの誕生とよるとうげ」
・はるまきごはん「ぽかぽかの音楽隊」
・Kanaria&LAM「Kanaria MV 360°VR Edition」
といった、ネットカルチャーを代表するクリエイターが参加。
これらの作品は単なる楽曲の映像化ではなく「空間そのものをメディア化した表現」であり、三者三様の独自の世界観を濃密に構築していた。
特に印象的だったのは、観客のリアクションによって演出が変化する仕組みや、目まぐるしい音と映像が360°で同期することで生まれる身体的な没入感だ。
観客はスクリーンの外にいる存在ではなく、映像の内部における存在へと再定義される。
ぜひコニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAへ足を運び、音楽と映像が渾然一体となった全く新しいライブ体験を全身で楽しんで欲しい。
なお、コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA「PULSE DOME(360°Movie Show)」では、入場特典として特製アクリルカードが配布される。
■KT Zepp Yokohama 「Psychedelic Live Day」
最後に訪れたのは、KT Zepp Yokohamaで開催されたライブ「Psychedelic Live Day」。
2020年に開業した同会場は、最大約2000人規模を収容するライブハウスで、高い天井と広いフロアによる圧倒的な音響体験が特徴だ。
この日は、
・きくお
・かいりきベア
・椎乃味醂(DJ)
・初音ミク(Guest Actor)
が出演。
サイケデリックな映像と音響が融合したライブは、単なる楽曲の再現ではなく、視覚・聴覚・身体が一体化する総合体験として展開された。
ここで提示されるのは“回顧”ではなく、まさに現在進行形のボカロカルチャーの最前線だ。
■椎乃味醂
トップバッターとして登場したのは椎乃味醂。
ステージ前面に設置された透過液晶には、初音ミクのみならず、ピアプロキャラクターズ6人も1曲づつ参加して映し出される。
それらは固定されたビジュアルではなく、幾何学的、あるいは記号的なフォルムへと目まぐるしく変化し続け、視覚的にも強烈なインパクトを放っていた。
その背後で展開される椎乃味醂のDJパフォーマンスは、極めて高密度。
グロウルやワブルベースが複雑に絡み合うサウンドは、いわゆるマキシマイズドな電子音楽の極北に位置する。
さらに、ボカロ楽曲のリミックスが随所に織り込まれ、誰もが知るフレーズが現れるたびに歓声が上がる。
ドロップの瞬間にはフロア全体が一斉に跳ね上がり、音と観客の動きが完全に同期する、圧倒的な一体感が生まれていた。
■きくお
続いて登場したのはきくお。
そのステージは一転して、どこか不穏で妖しさを帯びた世界観へと観客を引き込む。
歪んだ感情をそのまま具現化したかのような映像と、爆発的なエネルギーを内包したサウンドが重なり合い、会場には唯一無二の空気が形成されていく。
透過液晶には、「きくおミク」が立体的に浮かび上がる。
さらに、その背後でパフォーマンスを行うきくお本人と重なり合うことで、現実と虚構が曖昧に溶け合うような演出が成立していた。
きくおがマイクを手に取り観客へ呼びかけると、それに応じる大きな歓声が即座に返る。
静と動、不安と昂揚が交互に押し寄せる展開は、観客の感情を強く揺さぶり続けていた。
■かいりきベア
ラストを飾ったのはかいりきベア。
この日の出演者の中で唯一、バンド編成によるライブパフォーマンスを展開した。
透過液晶にはギターを携えたキャラクターが登場し、ステージ上の実演と呼応するように演出が組み立てられていた。
かいりきベア自身はステージを縦横無尽に動き回り、高度な演奏技術とともに、観客との距離を積極的に詰めていく。
楽曲は間髪入れずに次々と繰り出され、いわゆるアンセム級の楽曲が連続する構成。
フロアではペンライトが絶え間なく振られ、合いの手やコールが自然発生的に巻き起こる。
観客は一瞬たりとも気を抜く暇がなく、最後まで高い熱量を維持したままライブは駆け抜けた。
3組のパフォーマンスはいずれも異なるアプローチでありながら、共通していたのは、音・映像・身体を同時に駆動させる総合的な体験設計である。
椎乃味醂が提示した“サウンドの密度”、きくおが構築した“感情の異界”、かいりきベアが体現した“身体性と熱量”。
それらが連続して提示されることで、このライブは単なる音楽イベントではなく、現在進行形のボカロカルチャーの多面性を一挙に可視化する場となっていた。
なお、KT Zepp Yokohamaでは、VIPチケット特典としてKEI氏がイラストを手掛けたストラップ付きVIPパスが配布される。
Project Circlesは、展示・映像・ライブという異なる形式を横断することで、ひとつの問いを浮かび上がらせる。
それは「ボーカロイド文化は今どこに存在するのか?」という問いだ。
Art Center NEWではこれまでの「蓄積」が示され、Zeppでは「現在」が爆発し、プラネタリアではその「拡張」が試みられる。
それらを回遊することで来場者は、「文化とは、特定の作品でも場所でもなく、人・作品・記憶が循環し続ける関係性そのものである」と気付く事になる。
Project Circlesは、その循環を「体験可能」な構造として提供するイベントであり、同時にこれから先も続いていく創作の連なりを可視化する試みでもある。
今回、それぞれの会場ごとに個別にチケットを購入する事ができるので、自分が気になった催しを選んで出かけてみるのも良いだろう。
チケットの詳細は下記リンクへ。
https://pjcircles.com/ticket.html
今年のゴールデンウィーク、「Project Circles -ミクたちとの共振-」来場者にはぜひ、ボーカロイド文化が更新され続けるその瞬間に立ち会って欲しい。
(執筆 : rukaku)










































