井上喜久子ら「おねがい☆ティーチャー」トークで「みずほ先生を生きた」

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 EMOTION 40th Anniversary Program『おねがい☆ティーチャー』20周年記念上映会が3月30日、東京・新宿バルト9で開催され、井出安軌監督、風見みずほ役の井上喜久子が登壇した。

 バンダイナムコフィルムワークスによる映像レーベル「EMOTION」が40周年を迎えたことを記念して『EMOTION 40th Anniversary Program』を展開。レーベルを代表する歴代作品の記念上映会や、1話無料配信、特別番組の配信などの企画を実施している。『おねがい☆ティーチャー』は2002年1月から1クールで放送され、“おねてぃ”の略称でも親しまれた。その後、『おねがい☆ツインズ』など“おねがい”シリーズとして作品が制作されており、そのシリーズ20周年を記念したイベントとなっている。

 以下、公式レポート部分。

 ステージに登壇した井上さんが「風見みずほ役の井上喜久子、17歳です」とお約束のあいさつをすると、会場に駆けつけたファンが「おいおい!」と返し、「何年ぶりかのみなさんのおいおい!を聞けました」と井上さんは感動した様子で、早くも場内は拍手に包まれた。ファンの前に立つのは10周年イベントの時以来と語る井出監督は、「こういう機会を頂けるのは監督冥利につきます。プロジェクト的にも僕の年齢的にも段々可能性は減っていくので(笑)」と軽く笑いを交えつつ、会場のファンが生み出すアットホームな雰囲気の中、トークショーはスタート!

 井上さんの「大画面で『おねてぃ』を観られるのは素敵」という発言に、井出監督は「素敵なことなんですけど、当時はそういう想定で作っておらず……」と返し、続けて「第8話と第11話を改めて見返したのですが、これが大画面にかかるのかとドキドキしました」と本心を明かした。さらに、「20年前は結構頑張れていたと思うんですけど、最近のアニメは絵のクオリティが物凄く上がっているので」と不安も口にし、「今では当たり前の総作画監督の制度も当時は採用していないから、話数によってバラつきは出ていると思います」と当時の制作状況を説明する井出監督。「今日は自信のある話数をお届けしました(笑)」と締めると、場内は大きな笑い声と共に拍手に包まれた。井出監督のお話を真摯に聞いていた井上さんも「でもそういったものを補って余りある美しさが『おねてぃ』の映像の中にはあるなと思っているんです」と作品の魅力を丁寧に言葉にした。

 改めて気づいたというまりえの魅力を井上さんが熱弁する流れから、今回の20周年記念上映会のために制作された「まりえプチムービー」の話に。「せっかく来ていただくのに何もないのは申し訳ないという気持ちで、自分から提案しました」という井出監督の言葉にファンから感謝の拍手が送られる。

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 そして、今回上映された第8話と第11話、なんと井出監督と井上さんは同じ話数をセレクトしたそうで、「(縁川)小石ちゃんを堪能して欲しかった」と第8話を選んだ理由を語る井上さん。井出監督は「企画段階で切ない気持ちにさせる作品を作って欲しいとリクエストがあって。出発点はストーリーではなく感情という珍しい作品なんです」と作品誕生の秘話を明かした。真正面から恋愛を扱ったと語る第8話は「ダメと分かっていてもこの気持ちにケリをつけないといけない。それを逃げずに作らせてもらえたのは稀な機会で、自分の中でも納得できる映像になった」と井出監督。

 さらに、井出監督が第8話のアイキャッチ直前のみずほの「べぇー」を絶賛すると、井上さんは「ただの会話ではない息遣いや涙だったり、声優にとっては幸せな細かい演出がたくさん入っていたと思います」と当時を振り返った。ここから当時のアフレコの裏話に広がり、四道跨役の三浦祥朗さんの声が裏返った話、間雲漂介役の岩田光央さんに井上さんが何度も笑わされた話、自由過ぎるラジオドラマの話などディープな話題でトークはさらにヒートアップしていった。

 充実したトークに満ちたイベントも終わりの時が近づき、井出監督と井上さんの記念撮影を挟み、最後は場内のファンへメッセージを伝える。井出監督は「一番大きいシアターで上映すると聞いた時はドキドキしていたんですけど、ここに入りきれない数の応募があったと伺ってさらにビックリしました。オンエアした段階から映像はみなさんのものなので、この20年間みなさんが作品をここまで育ててくれたと思っています。本当にありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。井上さんは「役を演じたというよりもみずほ先生を生きたんだと思えるような作品です。声優生活30周年の時もバスツアーで木崎湖に行きました。まだ、17歳なんですけど(おいおい!)。お友達、ご親戚、ご近所さんにも薦めて、これからもたくさん『おねがい☆ティーチャー』を観ていただけたら嬉しいです」とまとめ、イベントは幕を閉じた。

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 ※記事内画像は(c)Please!/バンダイビジュアル

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